5 木村・岡本先生の模範授業を分析する
  TOSS流が最大限に発揮できた授業公開・提案  
       加古川市立志方小学校 TOSS兵庫むしあなごの会  松本 俊樹
 
 滝野南小の研究会では信じられないことがいくつかあった。
特に体育館で。
 壇上で指導主事ともあろう方が「英会話を推進できると思ってはいけません」などと言う。
明らかに文部科学省、兵庫県教委の方針に反する講評だった。
公的な文書できちんと方針が示されているにも関わらずに。
しかも1名ならず2名も。
松本は明らかに憲法違反、教育基本法違反であると考えた。
地方公務員法にも反しているのではないだろうか。
 このような逆風の中(参加者は圧倒的に反指導主事だったが)
岡本先生は果敢にも英会話の授業を飛び込みで提案された。
信じられないことでもある。
その後木村先生の授業。
信じられないことにずっと谷学級の児童相手であった。
時刻は16時過ぎまで。
この時刻も信じられない。
6時間目の授業でもかなりしんどさを感じるのに7時間目くらいまで授業を受けているのだから。
しかもその日は公開授業で松本などが朝から参観・・・
 
 研究会後木村・岡本先生に敬意を表しつつTOSSらしく検討会を行うことにした。
参加者は「木村、岡本、森下、井上、国井、毛見、川原、溝端、松本」の9名。
DEEPに検討できた。検討会の流れは・・・

1 午前中に参観・授業した手応え・学び(溝端・松本)
 参加した教師しか得られない学び・発見多数!!
2 公開谷学級からの学び(全員)
 ひとりひとりの授業の見方があらわになる。
3 体育館での研究会について
 指導主事の「妄言」「放言」がしばし話題になる。
4 岡本先生の授業へ「批判・学び」
5 木村先生の授業へ「批判・学び」
 
 特徴は「批判的に検討する」である。
何しろ上記の1から5はすばらしいに決まっている。
(一部指導主事の発言を除いて)だからこそ「批判・代案」を求めたのである。
 
 以下に松本の批判的な意見を示す。

(1)岡本先生の授業について
 @ カルタで取った数を「数えてください」の日本語は要らない
   英語のみで通じただろう。
 A 数のカード(カルタ)で具体物は数えにくい。
   間が開きテンポが落ちる。
 B 列で言わせるなど定着を図る場面がほしい。
   (20分の中で活動をいろいろ示すという制約があったので仕方ない。)
 C キャラ「コーチャン」の活躍場面はもっとあっていい。

(2)木村先生の授業について
 @ 松本もそうだったが(10/12の授業づくりセミナー)スマートボードを使う 
 場面でリズム・テンポが乱れた。
  (スマートボードを使う授業ということも提案である。・・・木村)
 A 7時間目という条件だったので最初からもっともっと乗せて巻き込みたい。 
  (これは松本先生のキャラだから・・・木村)
 B 「0,6を言葉で言うとなんですか」はいきなり唐突すぎる。
   「言葉の式に表すのですが」を入れなければ何と答えていいか分かりにくい。
 C ラストの問題・・・できた児童に板書させる方が良かった。どうしてもできない
  児童への配慮。
  (時間が迫っていた・・・木村) 
 
 
 もちろん、これ以上に多くの学びがあった。
いい授業だから学びが多く具体的な批判検討ができるのだ。
すぐれた授業だからこそいろいろ見えてくる。
 木村先生の授業からひとつのスタイル(授業システム)が見えてきた。

 1 既習事項で立式
 2 答え確認
 3 面積図(他の図・絵の使用もある)で考え方
 4 新しい学習問題で立式(式のみ)
 5 面積図(他の図など)で答え確認
 6 計算の仕方を考える
 
 木村先生は「分数のかけ算」の導入の授業。
おかげで松本は「分数のかけ算」の授業はもとより「分数のわり算」の授業にも学びを生かすことができた。すぐれた授業を見て学び自分の教室で試していく。
この上ない修業の場である。