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詩「はばたき」(光村4年下)の発問づくり


松本 俊樹(TOSS兵庫播磨むしあなごの会)

 4年生の国語教科書(光村下)のとびらにある「はばたき」という詩の発問づくり。4年生MLの情報も含む。


 教材文を示す。


  はばたき
1 白鳥のやってきた空から、
2 ふわりふわりとまい下りてくるのは、
3 あれは、雪ではなくて、
4 たくさんの白鳥のはばたきから
5 飛びちってくる、
6 小さな羽ではないのでしょうか。

(行番号は松本が付けた。)

 

 木村孝康氏からの演習課題。

課題1 討論となる発問を示しなさい。
課題2 子どもが熱中し、しかも力がつく発問例を10個示しなさい。


<沖縄の喜屋武氏より>


1.白鳥はどこからやってきたのですか。
2.まい下りてくるのは何ですか。
3.まい下りてくるものは話者の近くにありますか。遠くにありますか。
4.「たくさん」は「白鳥」「はばたき」のどちらにかかりますか。
5.季節はいつですか。
6.「あれは」にはどのような効果がありますか。
7.話者はどこにいますか。
8.「まい下りてくる」に対比する言葉は何ですか。
9.「雪」に対比する言葉は何ですか。
10.この詩からイメージされる色は何ですか。


<新潟の田代勝巳氏>


1 何月の詩ですか。
2 「やってきた」と「きた」ではどうちがいますか。
3 「まい下りてくる」と「下りてくる」ではどうちがいますか。
4 「あれ」とは何を指していますか。
5 白鳥は一羽なのですか。それともたくさんいるのですか。
6 話者はどこにいますか。
7 話者はどこを見ていますか。
8 この詩を二つの文にしなさい。
9 まい下りてくるのは雪ですか、羽ですか。
10 雪はふっているのですか。ふっていないのですか。


<新潟の近藤滋子氏>


1 季節はいつですか。
2 何がまいおりてくるんですか。
3 どんなふうにまいおりてくるんですか。
4 空の様子に違いはでてきますか。
5 「あれ」は、何をさしていますか。
6 この詩の色をあげなさい。
7 話者は、どこにいますか。
8 話者の顔の向きを絵でかきなさい。
9 「はばたき」を他の言葉で言い換えなさい。
10 「飛ぶ」と「飛びちる」の違いを言いなさい。


<福島の高橋まゆみ氏>

「ふわりふわりとまい下りてくるのは」雪ですか。
それとも、白鳥の小さな羽ですか。



<松本の発問>
 課題2について

1 題名は何ですか。
 「はばたき」
2 「白鳥」は「しらとり」ですか「はくちょう」ですか。
「はくちょう」
  辞書で調べたら「しらとり」もある。「@羽毛の白い鳥Aはくちょう」であ る。若山牧水の短歌もある。
「白鳥(しらとり)は 哀しからずや 空の青 海のあをにも 染まずに   ただよふ」 
3 白鳥は話者に見えていますか見えていませんか。
 「見えていない」
  「やってきた」だから。
4 「ふわり ふわり」は前あとどちらの「ふわり」を強く読みますか。
  強いて言えば「前」それでもやさしく読まなければイメージに合わない。
5 下りてくるものはゆっくりですか早いのですか。
  「ゆっくり」
  「ふわりふわり」「まい下りてくる」という言葉から。
6 「あれ」とは何ですか。
  「ふわりふわりとまい下りてくるもの」
7 「あれ」とは「雪」なのですか「羽」なのですか。
  「雪」
8 季節はいつですか。
  「冬」
9 季節は冬の初めですか、真ん中ですか、終わりですか。
  「冬のはじめ」
10 場所は北の方ですか南の方ですか。
  「北の方」
11 まい下りてくるものは話者の近くにありますか遠くにありますか。
  「遠く」
  「あれ」ということばから。「ないのでしょうか」と文尾の「か」。
12 白鳥は1羽ですか1羽じゃないのですか。
  「1羽じゃない」「たくさんの」
13 話者には何か音が聞こえてきていますか、それとも何も聞こえていません か。
  「聞こえていない」静寂な世界の方がイメージに合う。


 課題1について

「話者は雪が好きなのですか。嫌いなのですか。」
「あれは雪なのですか羽なのですか。」


<姫路の木村孝康氏>
 向山先生の討論の授業の分析を石黒氏は行った。その結果、次のような過程があると分析された。
 1.「音読」  理解の前提
 2.「問答」 枝葉を取り、子どもをレールに乗せる
 3.「伏線」  中心発問への糸口
 4.「中心発問」考えの分裂
 5.「討論」
木村は、この分析に基づき討論の授業を組みたてた。
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1.「音読」  まずは教師の範読(1行ごと)+子の追いかけ読み
        次に、起立させ、3回の微音読させる。
        終って座った子から暗唱させる
        暗唱できた子にはテストをして個別評定する
  起立させると、緊張・集中して読みます。また、読み終わると座らせるの で全員が読み終わったことが一目で確認できる。この段階の重要ポイントは
 「暗唱できるくらい読み込ませる!」である。(詩歌は暗唱です)
 もちろん物語では粗筋が理解できる程度です。  

*愛知県山下理恵氏のHPへ



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