「優れた日本の技術」を授業する
              松本 俊樹

1 優れた日本の技術は数千年来
 優れた日本の技術は「ものづくり」に見ることが出きる。
「ものづくり」という視点で日本の歴史を見通すことも重要である。
「日本人の気概」に気づかせる授業が可能になる。である。
 すぐれた日本の技術の原点は縄文時代にまでさかのぼることが出きる。

 世界で一番はじめにスープを飲んだのはどこの国の人でしょうか?
 
 人類史上初めて「スープ」を食べたのが縄文人。
人類史上初めての「土器」すなわち縄文土器によって実現したのだ。
 数千年前からの縄文文化には縄文土器の他にも優れた「日本の技術」がある。
青森県の三大丸山遺跡である。
TOSSランド1143029 三内丸山遺跡 (吉田高志氏作成)の授業で
当時の日本人の技術力のすごさに驚くこと請け合いであろう。
「大型堀立柱建物跡とは、大きな建物の跡である。
6つの穴が、1列に3個ずつ2列の配 列となっており、
穴の間隔はいずれも4. 2mである。
穴の直径は約1メートルで深さは2メートルある。」
 柱の間隔を実際に体育館で体感させるなどの具体的な体験活動も重要である。
 巨大建造物の流れは「古墳」につながる。
米づくりに必要な土木治水技術があってこそ
巨大古墳の築造が実現したのである。
堺市の仁徳天皇陵(大山古墳)は世界史上最大の墳墓である。
TOSSランド6420049(岩切洋一氏推薦)の「デジタル古墳百科」でくわ
しく技術力を調べさせることが可能である。
 
2 美と技術の集大成
 さらに精巧な仏教建造物(寺院・仏像)にも日本の技術の原点を見ることが出きる。
 地震大国日本で木造建築物が千年以上も存在しているという事実。
世界中探しても類の見ない事例である。

 地震大国日本で1000年以上も倒れ
ない五重塔の秘密をさぐろう。
 
 奈良の法隆寺は世界最古の木造建築物として日本の技術を伝えている。
TOSSランド6420041「法隆寺」サイト(岩切洋一氏推薦)で
法隆寺の歴史技術も学ぶことが出きる。
 さらに世界最大の木造建築物として奈良の東大寺大仏殿がある。
 高さ50mを越す巨大木造建築物が600年代に実現し得た事実も優れた
日本の技術の象徴だといえる。
東大寺建築の際には世界最大の金銅仏も完成された。
石像ではなく金銅仏である。
どれだけの技術力が必要か計り知れない。
(TOSSランド1143068大仏づくりの授業・向山実践の追試)
3 「まねる」ことは技術力の高さの証明
 東大寺大仏を作る技術はその後700年を経て鉄砲生産技術につながる。
15世紀中頃ポルトガル船から種子島に伝わったたった2丁の火縄銃。
精密な技術を模倣しさらに改良し鉄砲の大量生産を実現させたのだ。

 あっという間に世界一の鉄砲生産量を
誇ることになった秘密は何でしょうか。
 
 それまで日本の技術にはなかった「ねじ」の技術をも取り入れ、
鉄砲が伝わってから約30年後には世界中の鉄砲保有量の約半分を占めたと言われている。
この鉄砲生産技術はさらに自動車生産世界一へとつながるのだ。

 鉄砲の生産技術はどのように自動車生
産世界一の技術に受けつがれたのでしょ
うか。
 
 TOSSランド1143293の小林義典氏のサイトで
鉄砲生産に関わる技術について学ぶことが出きる。
 
4 国家の危機を救った日本の技術
 幕末の危機、開国。アメリカ合衆国から黒船で来航したペリー一行。
当時日本人がだれも目にしたことのない巨大蒸気船で開国を迫ってきた。
さらに当時の欧米の最先端の技術力をいくつかの製品で示し得た。
モールス信号、蒸気機関車などである。
 当時の日本人はその危機にさしてどのような行動をとったのだろうか。
ひとつまちがえれば欧米の植民地となっていた時代である。

 黒船が来たとき(日本人は)どのように感じただろうか。
A 来航の意図そのものが分からない。
B びっくりしておろおろした。
C すごいのを持ってきたが、それを真
 似して作ってしまえ。
 
(「学校は甦る」扶桑社p35)
 当時の日本人は1年後には蒸気機関車を完成させた。
2年後には蒸気船を作って見せた。
 図らずともペリー一行は日本人の技術力に対する可能性を遠征記に予期していた。
(「ペリー提督日本遠征日記」)
(TOSSランド1143145松藤司氏のサイト
「日本人の気概・インターネットを使った開国3時間の授業」
.1143230松本俊樹のサイト)
 さらに明治維新から数年で日本は自国の手で鉄道を造ってしまった。
これも日本の誇るべき「ものづくり」の技術である。
(TOSSランド1142119上木信弘氏のサイト)
 そして自動車、新幹線・・・と日本の「ものづくり」(技術)の系譜は続く。
戦後の代表的な技術「新幹線」はTOSSランド2210316の橋本幸康氏の実践がある。
戦中の零戦での技術が新幹線に生かされている。
TOSSランド1270102の「リニアモーターカー」(福岡美智雪氏作成)も
日本人の技術力の高さを実感させることができる。
(貝沼浩晃氏の実践「日本人は物マネ民族なのか!の修正追試)
このような技術の伝播・伝授を支えたおおもとは「伊勢神宮」である。
20年ごとの式年遷宮のシステムである。