<社会科 写真(絵)資料読みよりの授業運営技術>
   
■ 「写真を見て分かること、気がついたこと、思ったことを
ノートに箇条書きにしなさい。」(向山洋一氏の発問)のあと
どのような指導技術が必要なのか、松本流を紹介する。 
 
1 子供の意見すべて認める。
  (書いてあるという点で○をつける。)
   「○個書けたら先生の所へもってらっしゃい。」
   「○個」は時間差調整のため。
   次のような指導も行う。
   1)「日付を書いていますよね。」
   2)「箇条書きですから番号を書くのです。」
   3)ノートの出し方
    「先生に見やすい方向で見せなさい。」
    「○をつけやすく両手でしっかり見せなさい。」
    「○をつけてもらったら右方向へ動きなさい。」
  4)しつけ指導
    「いすをしまってくるのです。」
    「ちゃんとお願いしますやお礼が言えましたね。」          
   5)箇条書きは1行おき
   (教師が見やすい。付け加えできる。)
 
2 「ほんのちょっとでも思ったこと」も認める。
   必ず全員が何かをノートに書いている状態にする。
   全員参加の原則である。
  
3 「はてな」「疑問」は「気づき」である。
  「疑問に思ったことでもいいんですか?」
   →「疑問やはてなは気づきに入ります。
     自分の予想も書き加えておきなさい。
 
4 数の目安を示す。
  1)初期「5年生ですから5個以上書くのが目標です。」
   やがて「5年生ですから5分で5×5の25個が目標です。」
  2)「1個書けたら1年生、2個書けたら2年生・・・」
    向山氏の言葉。
  3)追い込む
   「全員起立。1個書けた人から座りなさい。」
  4)途中経過を示す
   「今、何個ですか?」「5個です。」「もう5個書いた人がある!」
 
   ■しかし個人差がある。
   「まだ持ってきてない人もってらっさい。」
   「何もかいてない人も持ってらっしゃい。」
   (松藤司氏の指示)
   2回目、3回目を持ってくる中での指示である。
   もちろん持ってきただけでも多いにほめる。
 
5 箇条書きの例を示す。
  1)教師が子どものノートに書いてある意見を声に出してやる。
  2)教師が気づきの例を示す。
   「空が青い」
   (子どもたち当たり前というような笑いがあるかもしれない)
   「空が青いと言うことからいろんな事が分かるよね」
 
6 板書させる。
  1)ノートに書いたとおりに板書させる。
   子供の意見をそのまま出させるためである。
   教師が発表を聞いて板書するとどうしても教師の解釈が入ってしまう。
  2)縦書きで書かせる。
   一度に多くの児童に板書させるため。
   板書中の待ち時間を極力減らすためである。
  3)「・」をあらかじめ教師がうっておく。(向山氏から学んだ)
   余りつめすぎずにうっておく。
   詰めすぎないからあとから間に入って書きやすくなる。
   その上で書く児童には間に点を打って書かせる。
  4)チョークは20本くらい準備。
   折りに触れチョークの持ち方や向きも指導。
  5)白チョークを使わせる。何も言わないと子供はいろんな色を使いたがる。
  6)「前に出て代表で書いているのですからすばやくていねいに書きなさい。」
  7)文字の大きさは教師の文字の大きさを基準にする。
  8)黒板消しは(なるべく)使わせない。
  9)できるだけ漢字を使わせる。
  10)文責として自分の名前を( )内に書く。
  11)もし、同じ意見なら名前のみ書かせる。
 
7 板書を発表させる。
  1)書いてあるとおりに発表させる。
  2)発表中教師は口を挟まない。
  3)発表中教師の姿を子供の司会から消す。
  4)2〜3人残りの子供がまだ板書中の状況で発表させる。
    「口を挟まない」「待たない」からテンポがよくなる。リズムが生まれる。
  5)「右から順に発表しなさい」と指示。
  6)時には箇条書きに番号・記号ををうつ。
 
8 板書を参考に書かせる。
  「写すのもお勉強です。」(向山氏の指導言)
   時には付け加えて書いた数をたずねる。
 
9 指名なし発表させる。
  似ていること、同じ事も発表させる。
 
10 聞きながら付け加えをさせる。
  後で数をいわせる。
 
11 子どもの意見を評定する。
  (→雪谷小プラン読みとり表参照)