新学習指導要領への提言
     「ボール運動」
 実践(バスケットボール) 
「授業のシステム化で練習を確保する」
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1 スタートからシステム化
 
 児童一人につきボール一つを確保する。しかし、全員が一度にボールかごに殺到すると混乱が生じる。したがって多少の時間差を付けなければならない。
「縄跳びで○○跳びを50回跳んだ人からバスケットボールを取りに行きなさい。」と指示。
 ボールを持った児童はすぐに「シュート練習」。コートは2箇所、ゴールは4箇所ある。「ゴール一つ目二つ目と次々にシュート練習をしなさい。」と指示。
 その時教師は何をするか。

転がってきたボールを取り上げる。
 
 取り上げられた子は唖然としているが「他の子からボールを奪う」システムにするのである。もちろんバスケットボールのルールでボールを奪う。2個、3個と教師はボールを取り上げる。しばらくするとあちらこちらでミニゲームが始まる。もちろん、不得意なためにボールをなかなか奪い返すことができない子のために教師はボーるを渡してやる。(向山実践追試)
 
2 さまざまな個人練習
 ボール慣れの練習も多様に教える。チーム練習で生きてくる。

1 ドリブル
 1)手を変えてドリブル
 2)指の本数を変えて
 3)ボールの高さを変えてドリブル
 4)姿勢を変えてドリブル
  (座って、寝てドリブル)
 
 ドリブルの練習に変化を付けるのである。しかもいちいち止めずに指示ひとつでドリブルを続けさせる。

2 ボール慣れ
 1)体のまわりを回す
 2)首のまわりを回す
 3)またの間を8の字に回す
 
 次々とテンポよく練習させる。ひとつにつき10回程度でよい。

3 ボールキャッチ
 1)上へ投げあげてキャッチ
 2)上へ投げあげてジャンプして
  キャッチ
 3)すわった姿勢から投げあげ立ち
  上がってキャッチ
 4)またの間から後ろへ投げあげて
  キャッチ
 
 特に2)のジャンプキャッチは是非身につけさせたい技能である。個別評定を取り入れて練習させる。
 
3 ペア練習
 1人練習のあとは2人組で練習をさせる。2人に1つのボール。パス練習は両手を使ったチェストパス。オーバースローの場合防御側にボールをとられやすいと言う点を教えておく。パスだけで得点につなぐためセンターラインから2人組でパスをさせながらシュート・ゴールまでの動きの練習をさせる。(壁パス)トラベリングにも注意させる。
 1対1の試合も取り入れる。相手にボールをとられたら攻守交代。2分程度のゲームで次々と相手を変えるように進める。
 
4 ゲーム形式の練習
 2人組2つで4人組。3人(攻撃)対1人の試合を教える。ハンディ戦である。と得点を入れるか防御側にボールをとられるまでが1試合。4人でローテーションを決めて次々に試合をさせる。
 ゲーム後、次の点について確認をする。

1 困ったことは何か。
2 分からなかったことは何か。
 
 ルール上の問題点や進行上の問題点をここでは取り上げる。「ダブルドリブル」「反則」「トラベリング」などの反則を教える。
 
5 ミニゲーム
 ゲームといっての5人対5人のゲームではない。5人対5人のゲームをさせるとボールを保持する子に偏りができてしまう。

1 2人対2人
2 3人対3人
 
 その上いくつかのルールを付け加える。

1 ドリブルなし。
 
 これだけで「パス中心」のゲームになる。
 しかし、シュートする児童が偏る。その上ゴール回数やシュート回数を調べると男子に偏りができてしまう。そこで次のようなルールも付け加える。

2 ボードに当たれば1点
3 リングに当たれば2点
4 ボード内の□に当たれば3点
5 通常のゴールで5点
6 女子が入れれば2倍
 
 
6 場づくりの工夫
 2人対2人のゲームであれば1コートに2ゲームは可能である。(3人対3人のゲームでも同様)1試合3分間で行う。(あいさつ・交代含めて)
 待っているチームは次のような係を担当させる。

1 審判
2 計時
3 得点
4 シュート者記録
 
 試合が進みエキサイトすると反則・不満も増えてくる。ルール上への不満も含めて。
 「反則5回で退場(2分間)」などのルールもあらかじめ知らせておく。