基礎知識参照
【賃貸契約終了時の敷金トラブル】
《敷金とは何か》
  敷金は賃料の滞納や賃借人の保管義務違反等の 契約不履行による損害
  を担保する為の金銭です。
 
 基本的な考え方としては、賃借人の居住・使用により発生する建物価値の減少のうち、
 賃借人の故意・過失、善意による管理・注意義務違反、その他通常の使用を越える様な
 使用による損耗に対して賃借人が復旧義務を負うものであり、経年により生じる
 建物価値の減少は貸し主が負担するものである。
 
☆ 賃貸契約の終了時、納得出来ない費用の請求が有ったとき
  下の一覧表を参考にしてください。
   貸し主の負担となるもの     借り主の負担となるもの
床材の例
1、一般的な畳の表替え、裏返し

2、家具の設置による畳などのへこみ。
3、通常生活による畳、フローリングの色あせ



 
1、飲み物等を零し出来たカーペット等のシミ、カビに伴う補修。
2、引越作業などで出来たキズ
3、賃借人の不注意(雨の降り込みなど)による汚れ 、色あせ等
4、家具のキャスターなどによるフローリングのキズ、へこみ
 
壁、天井
1、テレビ、冷蔵庫など後部の変色        (いわゆる電気やけ)
2、壁に貼った絵画、ポスターの跡
3、自然現象によるクロスなどの変色





 
1、台所の油汚れ
2、結露などの手入れを怠ったために生じたカビ、シミの汚れ
3、クリーニングを施しても落ちない程の線香、タバコのヤニ汚れ
4、絵画、照明器具など重量物を取り付けるための壁、天井の釘穴など
5、壁・天井に取り付けた照明器具の跡

 
建具
1、次の入居者確保に伴う網戸の張り替え
2、地震などで破損したガラス
3、構造により生じた網入りがラスの亀裂

 
1、飼育ペットによるキズ



 
設備・その他
1、専門業者による全体の
  ハウスクリーニング
2、消毒(台所、トイレなど)
3、新規入居者確保のための浴槽、風呂釜の取替。
4、鍵の取替(紛失、破損以外の場合)
5、機器の耐用年数到来による設備機器の故障修理

 
1、日常の不適切な手入れ、若しくは用法違反による設備の毀損






 
 
☆賃借人の対応策としては・・・。
 
「少額訴訟手続」により賃借人の権利を主張する方法。
 
「少額訴訟手続」とは、民事訴訟法の改正に伴い、平成10年1月1日から施行。
30万円以下の金銭債権の裁判、即ち、お金を払えと言う裁判は簡易裁判所で
1日で全てを終わらせる手続きで、敷金の返還トラブルに数多く利用され始めています。
 
過去の例としては、次のような判例が有ります。
 
賃貸契約書で、退去時の修繕を賃借人(入居者)の負担で行うように特約されていても、
特別の事情のない限り、一定範囲の小修繕を賃借人の負担で行う旨の特約は、「賃貸人
(貸し主)が負っている修繕義務が小修繕に限り免除される」と言う趣旨に過ぎず、
賃借人(入居者)が借家内の「小修繕を行わなければならない積極義務を負う」と言う
特約ではないので、こうした特約は賃貸人が費用償還を求める根拠にならないとしています。