得度習礼(とくどしゅらい)

 2005年5月6〜16日、本願寺西山別院の習礼所へ入所してきました。目的は、お得度のためです。今まで、散々逃げてきたのに、何を思ったのか、いってみることにしたよりりん。もぐらどんに、「コレとコレとコレ覚えて、出来たら大丈夫やって」などと言われ、そうなんかな〜と思いつつ行ってみれば、なんのなんの「もっといっぱい出るや〜ん!! ウソつき〜〜!!」ってな具合・・・汗。
 まず、入所当日に、理解度調査と称して試験がありました。これは予測されていたことでしたが、もぐらどん曰く「別に、最初どんなもんかみるだけで、たいしたことないって」。ところが、どっこい合格ラインが設定されてるようで、そこに到達するまで追試追試・・・。
 毎日の講義の後も、講義終了すぐ勉強する間もなくペーパー試験! 休憩時間は名ばかりで、課題と称した個人試験! テストから遠ざかって久しい中年オバチャンには疲れる日々でした(苦笑)。最終、お得度式の前にも最終理解度調査という名の試験がありましたが、これはもう考えるだに恐ろしいボロボロ・・・涙。しかーも、お得度式まで、数時間という時期になって、今までの理解度調査で合格点に満たなかった人は追試! まあ、最後は、お情け?で、『僧侶の心得』を一言一句間違えずに記述したら可・・・。
 まあ、一応、どれも追試はまぬがれ、課題も1科目だけ1回落とされましたが(涙)、3日目に全科目クリアと、振り返ってみれば意外とお気楽にやってきたような結果。。。
 ところが、最後に思わぬことが・・・。なんと、この試験の成績、後で郵送されてくるそうな!! こりゃ、困った・・・もぐらどんに見つからないようにしなくては(爆)!!

 しかし、基本的には、まあいってよかったなか〜って気分です。集団生活の苦手な私にはかなりの苦痛も伴いましたが・・・。何より朝起きるのと食事! これがキツイ!! みんな起きるの早いねん!! 起床時間までは、静かにしててくれ〜〜! と、心の中で絶叫しながら過ごしました(号泣)。そして、食事は無言。味もイマイチ口に合わないし、なんだかあじけな〜い食事でした・・・トホホ。それと、普段水分をよく取る私なのに、水を飲むヒマもない! ペットボトルも持ち込み禁止だし、食堂に自販機があるとはいえ、飲める時間は限られてるしで、大声ではいえませんがかなりの便秘になりました(涙)。
 それと、外界から一切遮断されている環境なので、得度のことしかすることがないんですよねぇ〜。他から遮断されるということは、結構純粋になれるものだと思いました。その中でのことしかないので、なんだか法座活動で人の話を聞いても、講義で先生の話を聞いても、今までバカにしてたようなことが意外と感動を持って心に迫ってくるような、そんな不思議な感じでした。

 ところで、習礼に参加するにあたって注意点としては、とにかく、体調はよく整えて望むべし。今回も、途中で病気になって脱落した人がいましたしね。次に、もぐらどんによると、早く仲のいい人を作ること、らしいです。まあ、これは個人の性格にもよると思うので、私としては、仲のよい人を作るかどうかはどっちでもいいカナ・・・。それよりは、自分のペースを掴む事って感じです。生活サイクルに慣れることが肝要ですね。
 一応、覚えている限りの出題を下記に記載しますので、お得度される方はご参考にどうぞ。。。
(2005.5.28)
◆ 課題 ◆
     休憩時間を利用して行われる試験。それぞれ、個室で先生とマンツーマンで試験されます。
     失礼ながら、先生によってかなり当たりハズレがあるので、メゲズに挑戦しましょう! 根性あるのみ!!
     それと、全員が一斉に並ぶので、なるべく早く移動して空いてるところから回るのがよい。
     ちなみに、私は、順にいくと1日目EDF@をクリア、2日目にBA、3日目に@をクリアしました。
 @領解文 全文暗唱
 A正信念仏偈(草譜・行譜) 全文暗唱 …但し試験は、小本和讃の最初から2Pと、「善導独明〜」から2P
 B和讃・回向(「小本和讃」を見て実唱) …「弥陀成仏」より6首(出題傾向として、1・5首多し)と、回向全文
 C御文章(「勤式集」を見て実唱) …「聖人一流章」全文
 D作法(実演) …中啓、二輪念珠を持っての焼香作法、立ってと座っての2種類
 E衣体(実演) …黒衣のたたみ方、五条袈裟の威儀の結び方
 F荘厳(口述) …仏具の名称、お給仕のことなど
             三具足・四具足の飾り方と仏具の名称、お内陣の荘厳(どなたをどこにお飾りするかも)、
             打ち物の種類(特にキンの種類)、蝋燭の種類、ご門主のお名前(第何世か、俗名、法名)

◎以下すべて制限時間は15分間です。
◆入所時理解度調査◆ すべて漢字なので、間違えないように注意! 1〜6全問正解の上、80点以上合格
1、当宗派の正式名称
2、当宗派の開祖
3、その主要著書(正式名、略名とも)
4、ご本尊は何か
5、主要な経典三種は何か
6、七高僧を書け(尊称付)
7、わが宗派の教義を一言で言うなら
8、(   )は、(   )ともいい、法要や儀式の始まる合図として打つ。
9、法要や儀式であらかじめ人数を選び、(   )に着座する者を、(   )と言う。
  また、経本などは直接下におかず、(   )の上に置くようにする。
10、三具足(読み;     )は、(   )、(   )、(   )を言う。
   四具足(読み;     )は、(   )1対、(   )1対、(   )を言う。

◆ 仏教 ◆
1、釈尊の生きた年代
2、釈尊の教え(四法印とその内容)
3、四諦について
4、八正道について

◆ 真宗 ◆
1、親鸞聖人は1173年、(  @  )の子として(  A  )にお生まれになり、9歳のとき慈円を戒師として出家され、(  B  )と名乗り、(  C  )に登られました。ここでは、(  D  )をつとめておあられましたが、行き詰まりを感じ、29歳のとき、(  E  )に参籠され夢告を受けられました。その後、法然上人の弟子となられますが、1202年念仏禁止を求める(  F  )が提出され、念仏停止となり、(  G  )へ流罪となられました。この頃、(  H  )とご結婚、やがて、関東へ赴かれた聖人は、(  I  )をご執筆、最後は京都に戻られ、1262年90歳でご往生されました。

2、真宗の教義に関する○×問題でしたが、よく覚えていません(汗)。
・浄土三部経の中で、とくに『仏説阿弥陀経』に釈尊の本意がかかれていると、親鸞聖人は思われた。
・お名号は阿弥陀仏のよびごえなので、たくさんとなえるほうがよい。
・お念仏をたくさんとなえる人ほど信心深い。
・浄土真宗とは、人は浄土に往生し、真の智慧と慈悲を兼ね備え、再びこの世に還り、思いのままに衆生を利益することが出来るという教えです。
というような文章が10問くらいあったと思います。で、それぞれ教えにかなっているものは○、間違っているものには×をつけるというものでした。

◆正信念仏偈・領解文・教章◆
1、浄土真宗の教義は、南無阿弥陀仏のみ教えを信じ、必ず(  @  )にならせていただく身のしあわせを喜び、つねに報恩のおもいから世のため人のために生きる。
 宗風は、宗門は同信の喜びに結ばれた人々の(  A  )であって、信者はつねに言行をつつしみ、人道世法を守り、まことのみ法を広めるように努める。また、深く(  B  )の道理をわきまえて、現世祈祷やまじないを行わず、占いなどの(  C  )にたよらない。

2、「正信偈」とは、親鸞聖人の(  D  )の(  E  )の終わりにおさめられている「正信念仏偈」と「三帖和讃」をあわせたもので、(  F  )によって朝夕の勤行に用いられるようになりました。
 「正信念仏偈」は、親鸞聖人の(  G  )の思いから浄土真宗の教えをまとめられたもので、『無量寿経』によって信を勧められる(  H  )と、七高僧の讃える(  I  )で構成されています。

3、次の説明は誰のことか? あてはまる七高僧の名前(尊称付)を書きなさい。
・南インドの方で、大乗仏教の根幹を大成された方です。
・あるとき長生不死の仙術を説いた仙経をもとめられましたが、その帰りに阿弥陀仏の教えにであわれ、誤りに気づいたこの方は、仙経を焼き捨て浄土教の教えに帰依されました。
・当時の『観経』の教えと、それ以前の『観経』の教えは誤っていると指摘し、『観経』の正しい教えをあきらかにされました。
・私たちが生死流転を続けるのは本願を疑うからであり、本願を信じれば速やかにさとりを得ることができる、と説かれました。
・法蔵菩薩が修行をつまれ、お名号にその功徳をおさめて回向してくださっているので、その名号を受け取る私たちの信楽に功徳がそなわっているとお示しくださいました。
・私たちの執心は不牢固であるので、いろんな行をまじえる雑修になってしまう。ゆえに、他力の信心を得て報土に生まれることを勧められました。
・末法の世と人に相応する教えを求め、念仏をひろめるため『安楽集』を記されました。
・はじめて、「他力」ということを示されました。
・仏教には、「聖道門」と「浄土門」があるが、私たちが救われる道は、「浄土門」しかないと説かれました。
・聖浄二門のうち、浄土門に入り、正雑二行のうち正行をより、正助二業のうち称名こそを選び取るよう勧められました。
以上のように、7人に対して10問設問がありました。七高僧それぞれの発揮をきちんと理解し、名前を漢字で正しく書けるようにしておきましょう。

◎以上3教科は、講義をされた先生が作成されているので、出題の仕方は先生によって違います。ただし、キーとなるところは同じだと思いますので、勉強の参考にしてください。
 ちなみに、私が講義を受けたのは、「仏教」が内藤昭文先生、「真宗」「正信偈〜」は、伊藤順浩先生でした。どちらも、やさしくわかりやすく説明してくださいましたが、テキストを使用せず、先生のレジュメに沿って講義されたので、講義後の理解度調査はよかったですが、最終の理解度調査で泣きをみることになりました・・・号泣。

◆勤式作法◆ 8日目くらいに実施されました
1、「正信偈」のそれぞれの出音と拍数を答えなさい。
2、(  @  )とは、起立の姿勢で合掌せず、体を(  A  )傾けてから、元の姿勢にもどることを言う。
3、衣の種類には、色衣と(  B  )があり、衣の上には、(  C  )を締める。
4、僧綱板および切袴を使用する服装は、(  D  )である。
5、(  E  )は、(  F  )ともいい、法要や儀式に先立って参集する合図に打つ。
6、キンの種類を答えよ。
7、内陣において、ご本尊を安置するものを(  G  )といい、宗祖御影を安置する館を(  H  )という。また、本堂の正面階段下を(  I  )といい、後堂から内陣への出入り口を(  J  )という。
8、点火とは、(  K  )(  L  )(  M  )に灯明を点じることである。
9、ご本尊前の(  N  )に荘厳するのは、(  O  )である。→図が描かれていて、それぞれの名称を記入
  また、(  P  )に荘厳するのは、(  Q  )か、(  R  )である。→同じく図があり、それぞれの名称を記入
10、法要にさいして、登礼盤をする発音者を(  S  )といい、登礼盤をしないで(  21  )する者を(  22  )という。そのとき、人員をきめずに、内陣の(  23  )や余間に着座する者を(  24  )という。

◆最終理解度調査◆
  とにかく問題が多くて時間が足りない! 考える暇がないので、わかるところを確実に答えましょう!!
  講義を受けた先生によっては、触れられなかったことも出ます(涙)!! その場合はあきらめましょう(爆)。

続きと回答は、後日アップします。。。