ミュージカルデビュー

 今年はどうしたことか、チケットの当たり年。試写会や美術展、NHKおかあさんと一緒公開録画のコンサート、そして、劇団四季ファミリーミュージカル『桃次郎の冒険』、果ては、TDLクリスマスご招待などなど、こんなに当たって、一生分の運(もぐらどんには、「真宗のくせに運とか言うな〜」と注意されましたが・・・苦笑)を使い果たしたかのような感じです。一番行きたかったTDLは、招待日の翌日が隣寺の報恩講、その次の日が当寺の報恩講ということで、泣く泣く人に譲りましたが、そのほかは多少の無理をしてでも全部行くことにしました。あ、試写会も都合で行けなかったな〜汗。さて、その中のミュージカル、私は劇団四季のファンで年に2・3回くらい舞台を見に行きます。ホントはもっともっと行きたいけど、流石に家庭持ちになるとねぇ〜苦笑。でも、いままでは全部子どもはおいてきぼり・・・、だってうるさいしね〜。今回、あたったのは、ファミリーミュージカルでNHKチャリティーのため無料!! なんて嬉しい響きでしょう(笑)!! 通常、5千円近くするチケットがタダ♪ 最高枚数の4枚申し込んでおいたので、家族で出かけることにしました。
 そして、その当日の11月某日。日曜日だけど、当然もぐらどんはお参りアリ。私たちは、ちょうどさとりんの作品展の日だったので、ダッシュで作品を見て、大阪へ出かけました。もぐらどんとは、現地合流です。近鉄から地下鉄を乗り継ぎ、やってきましたNHK大阪ホール。一人では、何回も来たことあるけど、子連れで来るとこんなにも時間のかかるものなのか〜グッタリ。しかし、座席引き換えが始まってからかなりたって到着したわりに、かなりいい席っぽい。ホールはきれいで見やすいつくりになっていました。とりあえず、のぶりんは私と、さとりんはもぐらどんと着席。通路を挟んで2人ずつです。でも、そのほうがトイレとか考えるとありがたい♪

 さあ、そしていよいよ始まりました。ファミリーミュージカルなんて、子供用だとバカにしていましたが、これがどうしてちゃんとダンスあり、歌あり(ミュージカルやねんから当たり前だけど・・・)、本格的でビックリ! 大人の私のほうがはまってしまいました(笑)。最初、紙芝居屋が、『桃太郎』のお話をしているときは、のぶりんは横でノリノリで見ていましたが、だんだんお話の導入部が終わって、桃次郎が猿や雉や犬に苛められるころになってくると、「こわいよ〜、鬼こわいよ〜! もう、帰る! 帰る〜!!」と、か弱い声で半泣き状態。会場では、始まったときから泣いてる子もいたし、それを思えばまだマシなほうだけど・・・苦笑。それをなだめつつ、自分は舞台を見続けるよりりん。そうこうしているうちに、第一幕が終わりました。「さあ、終わった! 帰るの?」と、またまたのぶりん。
 「まだ半分終わっただけや!」
 「えぇ〜、まだ帰らへんのー?」
ぐだぐだぐだぐだ言い続けるのぶりん。それを見捨てて、さとりんとトイレに・・・。すると、入り口付近で、NHK職員が募金活動しています。「今、募金していただくと、このおかあさんと一緒か、おじゃる丸のシールを差し上げます!」 耳ざといさとりんが、チラッ! 他の家族もみ〜んなシールにひかれて募金中。うまいことやるな〜、NHKめ!!しかたないので、座席にいたのぶりんも連れて募金に行きました。そのときだけ、ご機嫌なヤツ。。。
 15分の休憩も終わり、第二幕開始のベルが鳴り出しました。「まだ、見るの〜? 鬼怖いよ〜!」と、まだ幕の開く前からごねだすのぶりん。でも、ヒロインの鬼の女の子は、かわいいらしい・・・チッ、女好きめ! その後も、桃次郎が追いつけられると、横でギャーギャーわめき、攻められると怖い怖いを連発しつつも、最後まで見たのぶりんでした。最後は、主題のナンバーを会場の人も一緒に合唱できるように歌詞が出てきて、ついつい一緒に歌ってしまいました。もぐらどんは、ラストで本気で泣いてたらしい(笑)。私も、結構感動してほろりとなりましたよ。さとりんも、チラッと見ると泣いてたようだったのに、後で聞いても、「泣いてないよ!」とのこと。もぐらどんに、「今日ので泣けへんほうが、どうかと思うわ!」と、かえって怒られていました・・・苦笑。のぶりんは違う意味で泣いてたけどね・・・汗。

 そんなこんなで、その数日後、教育テレビで同じ『桃次郎の冒険』の東京公演の様子が放映されていました。もう一回見てみようかなーと思ってた私を尻目に、「いや〜、鬼こわーい!」と、またしても同じ場面で嫌がりだしたのぶりん。今度はテレビなので、スイッチをブチッとな。さとりんは、「私、見ようと思ってたのに〜!」。「見ないもん!」とのぶりん。結局、見ることは出来ませんでした・・・涙。
 それなのに、今だに、ことあるごとに、紙芝居屋の口真似で桃太郎のお話を語ってみたり、主題ナンバーの「すもも も ももも」を歌ったりしている2人です(笑)。こいつら、あのミュージカル見て、よかったのか、なんなんか、全然わからんわ〜。来年には、地方公演で『はだかの王様』が隣の市にやってくるんだけど、連れて行こうかやめとこうか悩むところだわ。。。 今度のは、なんたってタダじゃないからねぇ〜。でも、寺山修司さんの作だから、私が見たいわ〜爆。
(2004.12.05)
 ちょっと、長くなりますが、一応、『桃次郎の冒険』のあらすじを書いておきます。

 誰もが知っている昔話、『桃太郎』。「桃から生まれた桃太郎は、鬼ヶ島へと鬼退治にでかけました。途中でイヌ、サル、キジの三匹がお供になります。一行は鬼ヶ島へ乗り込み、協力して悪い鬼たちをやっつけました。そしてたくさんの宝物と一緒に村へ帰ってきましたとさ。めでたし、めでたし〜」でも、これで本当にめでたしめでたし、すべて丸くおさまったのでしょうか?
 『桃次郎の冒険』は、『桃太郎』のその後の世界を、桃太郎の弟、桃次郎が冒険するお話です。彼の本当の名前は桃山次郎。成績もそんなによくないし、どこにでもいる普通の現代っ子です。それが紙芝居屋さんに、好きなようにお話を作ってごらん、と言われて物語の世界へ。でもそこは、なんだか私たちが知っている物語の世界とは、少し違っていました。
 おじいさん、おばあさんは、やさしい人だったはずなのに・・・?
 三匹の家来は桃太郎に忠実なはずなのに・・・?
 人間は正義で、鬼は悪者のはずなのに・・・?
 そしてこの冒険の終わりには、とてもかなしい結末が待っていました。
でも、桃次郎は、桃太郎が手にした金銀財宝よりもずっと素晴らしい「宝物」を手に入れるのです。

 と、まあこんなお話。視点を変えることで、物事の見え方は変わるもの。正悪は、人の心の作り出すもの。なんだか、仏さまのお話にも通じるような、大人の心こそを、チクリと刺す内容でした。その、生き物はみな同じだよ、という願いを込めて鬼の娘”すもも”が歌うナンバーが、「すもも も ももも」です。
「すもも も ももも」
すもも も ももも もものうち
すもも も ももも 仲間だよ
風が ざわざわ 吹いたらば
すもも も ももも うまくなる

すもも も ももも もものうち
君らも 僕らも 仲間だよ
風が ざわざわ 吹いたらば
君らも 僕らも 手をつなぐ

すもも も ももも もものうち
誰でも みんな 仲間だよ
風が ざわざわ 吹いたらば
みんなで みんなで 歩こうよ