ひかり |
光明遍照十方世界 念仏衆生摂取不捨(観無量寿経 真身観) |
お盆の季節が近づいてきました。お盆のお参りに、ご門徒宅をまわられる方も多いと思います。この暑い時期には、クーラーでとても涼しいお宅や扇風機をまわしてくださるお宅など、気を使っていただいてとてもありがたいことです。しかし、よく扇風機の風が強すぎて、お仏壇のおひかりが消えてしまうことがあります。お寺の本堂の内陣は阿弥陀仏のお浄土の荘厳相であり、それを小さくしたのが各お宅にあるお仏壇です。そのおひかりは、阿弥陀仏のおひかりの象徴であります。 阿弥陀仏のおひかりは、あまねくすべての世界を照らしています。そして、お念仏を申す人々をおさめとって捨てることがないのです。おひかりとは、阿弥陀仏のおはたらきそのものなのです。そのおひかりに照らされて、私たちははじめて自らを恥じるのだと思います。そのような人が申すお念仏は、まさしく報恩感謝のお念仏ではないでしょうか。 月影の いたらぬ里はなけれども ながむるひとの こころにぞすむ(法然上人) つまり、阿弥陀仏のおひかりは、照らし出されたすべての人のこころにとどくのです。ですから実際は、内陣の荘厳相にとらわれてはいけないのです。南無阿弥陀仏とお念仏を申す人々のこころにこそ、阿弥陀仏のお浄土があるのではないでしょうか。でも、できればお仏壇のおひかりは、消えないようにしましょう。 |
(2000.8.1) |