5月のゴールデンウイークは毎年渋滞覚悟で山に行っている。一昨年は南アルプスの池口岳、昨年は鈴鹿山脈の御在所山、群馬県の妙義山だったが、今年は既に4月30日〜5月1日に
佐渡島の金北山に登った。もう一つ登りたいということで、5日の子どもの日に、栃木県と群馬県の県境にある袈裟丸山に、アカヤシオツツジを見に出掛けることにした。
この山名の由来は、弘法大師(空海)が高野山を開くために全国の山を探し回り、この地を訪れた。しかし、この地では開けないことが分かり、怒って着ていた袈裟を投げ出したことによる。
奥袈裟、中袈裟、後袈裟、前袈裟が有るが、最高峰の奥袈裟は登山道が崩壊し危険なので、現在は一等三角点のある前袈裟が袈裟丸山と呼ばれている。
[行程] 2018年5月5日(土)
自宅5:30→池尻IC→中環→東北道→宇都宮IC→宇都宮道路→清滝IC→9:40折場登山口10:00→賽の河原10:54→小丸山11:49→避難小屋12:02→12:50前袈裟丸山13:20→避難小屋14:15
→小丸山14:32→賽の河原15:27→16:15折場登山口16:20→清滝IC→宇都宮道路→東北道→中環→用賀IC→21:10自宅
[登山日誌]
山の天気予報としていつも「天気と暮らす」というサイトを頼りにしているが、5月4日は朝から晩まで「C]の予報で、登山は止めた
方がよい、とのことだ。雨の心配は無いが、風が相当強いらしい。最後まで決行するかどうか迷ったが、雨は降らないようなので、
現地まで一応行ってみることにした。早めに家を出て中環から東北道に出たが、渋滞は全くなく、日光・宇都宮道路も順調で、清滝
ICを8時半過ぎに出たが、ここから迷った。国道122号沿いを走り、折場登山口に行く林道を探したが、なかなか見つからず、行った
り来たり。どうやら林道入口が二つあり、それで迷ったようだ。入口を見つけ、林道を12キロほど走り、折場登山口に10時前に到着
した。駐車場は既に満杯、路駐している車がおよそ50台ほど。スペースを見つけ、早速準備をして、出発。
上から降りてきたカップルが、朝方は雪がかなり降っていた、と言っていた。「天気と暮らす」のサイトはあながち間違
ってはいなかったようだが、今は青空、風が強く、肌寒い。丸太階段のよく整備された登山道を登っていくと、樹林帯
の尾根道に出る。シロヤシオ(ゴヨウツツジ)の花がポツポツと現れる。やがて前方が開け、前袈裟、中袈裟、奥袈裟
の全容が見えてくる。ササ原の斜面が頂上付近まで続き、濃緑の針葉樹がアクセントとなっている。ここら辺りから満
開のアカヤシオが登山道を彩り始める。太陽の光線を一杯に浴びて、ピンクの花が輝いている。よく見ると同じピンク
でも、赤に近いもの、薄ピンクのもの、様々である。約1時間で賽の河原。岩の上に多くの小石が置かれている。
死んだ子どもを呼び戻すまじないらしい。大勢の登山客がアカヤシオを鑑賞しながら歩き回っている。太陽を背にして咲く
習性があるらしく、花がこちらを向いている。アカヤシオに見惚れているうちに小丸山に到着。一息入れようと妻に提るが、
先に頂上に行ってから休みたいとのことで、そのまま山頂を目指す。黄色いカマボコの形をした避難小屋を通過、ダケカン
バの林を抜けると、1685m峰。ここから最後の急登が始まる。コメツガが主の樹林帯を汗たっぷりかいて登っていく。約200
bの高低差が有り、30分ほど悪戦苦闘し、ササ原の尾根に出る。13時前、山頂に到着。大勢の登山者が昼食を食べたり、
景色を眺めている。
山頂からは日光白根山、男体山、北西に尾瀬の至仏山、燧ヶ岳、西に武尊山、その向こうに谷川連峰が霞んで見える。
いずれもまだ残雪をたっぷり頂いている。ゆっくり昼食休憩を取った後、下山にかかる。小丸山、賽の河原付近では時
間をかけてアカヤシオを眺めたり写真を撮る。16時過ぎに登山口に戻って来た。路駐していた車はほとんど無くなって
いた。帰路は東北道の40キロの渋滞にぶつかったが、覚悟のうえのなので、うんざりすることなく妻と運転を交代しなが
ら戻って来た。
今回の登山は、天候の判断が難しかったが、結果オーライ。満開のアカヤシオを愛で、袈裟丸山の穏やかな登山路を
楽しむことが出来て満足している。