今年4回目を迎える「山の日」に出掛けたかったが、都合でお盆の8月12日から14日、針ノ木雪渓から蓮華岳、爺ヶ岳へ行くことにした。早速針ノ木小屋と新越山莊に予約を入れたところ、
最近はお盆シーズンはそれ程混まないそうで、ゆっくり滞在が出来そうだった。いつものように「天気と暮らす」のサイトで天候を確認した。、直前まではまずまずの予報であったが、出発前日
になって、予報はCとなり、変更を余儀なくされた。候補地はまず天候が良いこと、そして宿の予約が可能なところで探したが、3日間共に天候が良いところが無く、止む得ず2日間は晴天の会
津を選び、宿舎としてはペンションと和風旅館で選んだ。会津でまだ登っていない三百名山の山は七ヶ岳、二岐山、荒海山だが、今回は前の二つを選び、宿は高杖高原のペンション「ウッディベ
ル」と二岐温泉の「桂祇莊」を選んだ。
七ヶ岳の山名は、稜線に7つの峰が見えることから命名された、とガイドブックには有るが、実際には9つの峰が有る。七という数字が縁起がよいから選んだのではないかと、ガイドブックには
説明されていた。
また、二岐山(ふたまたやま)は奥羽山脈の南部に有り、福島県の下郷町と天栄村に属している。昔、大男がこの山を跨いだ時に股間の一物が引っ掛かり、山頂が二つに分かれて、男岳と女
岳が出来た、との伝説がある。
[行程]
2018年8月12日(日)
自宅5:50→浦和IC→東北道→西那須野・塩原IC→11:00会津高杖スキー場駐車場11:15→七ヶ岳登山口13:00→14:04山頂14:40→登山口15:02→駐車場16:20→16:40ペンション「ウッディベル」泊
13日(月)
ペンション「ウッディベル」9:00→10:20二岐温泉駐車場10:33→女岳登山口11:01→地獄坂13:33→女岳山頂13:41→男岳山頂14:09→ブナ平15:10→御鍋登山口15:50→17:00「桂祇莊」泊
14日(火)
「桂祇莊」9:00→大内宿12:20→白河IC→東北道→浦和IC→17:40自宅
[山行日誌]
お盆で東北道の渋滞が懸念されたが、途中多少ひっかっただけでほぼ5時間で会津高原高杖スキー場の駐車場に到着した。スキー場施設の夏期利用で高校生がたくさん来ていた。早速準備をし、
ホテル「アストリア」横にある登山カード提出ポストにカードを入れ、スキー場のゲレンデを登り始めた。夏の太陽がガンガン照りつけ逃げ場がない。コースに自信が持てずきょろきょろしながら、今は
草原となっている管理道路を登っていくと、約1時間ほどで七ヶ岳の表示板が現れ、登山者が一人下りてきた。更に詰めて、七ヶ岳登山口に到着。夫婦連れの登山者と会話を交わす。
ここからは登山道らしくなり、ブナの樹間を木漏れ日に照らされながら高度を稼いでいく。やがて稜線に達し、会津の山々が一望となる。本当に山深い。見渡す限り重畳たる山並みが拡がっている。
岩場が光る山頂も視界に入ってきた。草深い山道を一旦下り、もう一度高度を上げると、そこだけ岩が積み重なっている山頂に到着。
一等三角点の有る山頂からは、明日登る二岐山、那須連峰、男鹿岳などが見える。昼食を取り、写真撮影をして下山開始。あっという間に登山口まで下りて、その後はゲレンデの中の近道を探して、
草原の中に分け入っていく。上から見ていると分からないが、実際には背丈を優に超えるススキが行く手を阻む。ストックでそれらを押し倒しながら直滑降で下って、登山カードポストで登山カードの半券
を入れ、今夜の宿泊場所、ペンション「ウッディベル」に17時前に着いた。
ペンションの方の話によると、今年の会津は連日猛暑で、宿のオーナーは熱中症で入院しているとのこと。ここは標高1000b近く有るのにそれでも熱中症とは、下界が暑いはずである。
夕食、朝食共に美味しく頂き、また、9時間近く熟睡出来た。
翌朝は9時過ぎに出発、60キロ離れた二岐温泉に向かい、1時間半足らずで駐車場に到着、準備をして女岳登山口を目指した。いつもは車があるので山頂をピストンするのだが、今回は周回するコー
スを選び、急な登山道の女岳を登りに使い、比較的緩やかな男岳登山口(御鍋登山口)に下るコースを選択した。
ところが、女岳登山口の鳥居をくぐり30分ほど歩いたところで雨が降り出し、直ぐに大降りとなり雷も鳴り出した。ブナの樹林帯の中なので構わず歩き続けたが、我々の真上でゴロゴロ、稲光がピカピカ、
さすがに歩くのを止め、登山道上でしばらく待機に入った。高い樹木の傍も危険と言われているが、周りは皆高いブナの木なのでじっとしているしかない。30分たっても40分たっても止みそうに無いので撤
退か、と思ったが、1時間ほどして雨は降っているが雷鳴が止んだので、行動開始。ここら辺りは地獄坂と言われ、30度以上の急登が1時間以上続いている。ロープが設置されているが掴みづらい。川の
ように水が流れている。スリップは命取りになるので慎重に足を運んでいく。1時間以上かかってようやく地獄坂の表示板に到着。ここからは平坦な道となり女岳に到着。更に30分弱で男岳。雨も小止みと
なり雷鳴は聞こえなくなった。ここは稜線上で雷が鳴っていれば危険だった。写真を撮り一息入れる。
下山開始。こちらのコースは比較的緩やかで、地名の表示板も数多くある。ブナ平、アスナロ坂、八丁坂などが次々と現れる。以前は女岳登山口がメーンだったとのことだが、今は男岳登山口(御鍋登山
口)がメーンでよく整備されている。ブナの緑濃い山道を気持ちよく下っていく。雨具の上衣を脱ぎ、爽やかな風を身体に入れる。2時間弱で男岳登山口に到着。近くに有る御鍋神社を見学に行くが見つから
ず、林道を二岐温泉に向けて歩き始める。3キロの道のりを約50分かかってようやく桂祇莊に到着した。まだ車までは遠い、と思っていたが、車を置いた駐車場は宿から2分、と女将さんに言われ安心した。
二岐温泉の湯で疲れを癒し、旅館らしい種類の多い料理を楽しみ、翌日は会津西街道の大内宿によって観光をして、夕方帰宅した。
今回は、会津と日光を結ぶ旧街道である会津西街道沿いの山2座を登る山行で、往時の参勤交代の大名行列に思いを馳せた。山また山の地域で、1日目は強烈な真夏の太陽に照らされなが
ら登り、2日目は大雨の中、落雷に怯えながら登った。とても印象に残る山行となった。