日本三百名山のガイドブックを見ていて気がついたのだが、富山県、岐阜県、石川県、福井県には三百名山(201座〜300座)が集中している。白木峰、人形山、猿ケ馬場山、医王山、大門山、
三方岩岳、大笠山、経ヶ岳、野伏ケ岳、冠山、鷲ヶ岳、川上岳。計12座有る。三百名山達成の鍵はこの地域を如何に攻略するかにかかっているようだ。比較的容易な山が多いが、中には大笠山、
野伏ケ岳、猿ヶ馬場山のような困難な山もある。
今回、彼岸の休日を含めた3連休に、短時間で登れる山3座に登る計画を立てた。ナビで調べると、自宅から500キロ以上有り、3連休の渋滞をいかに回避するかも重要となる。
[行程]
2018年9月22日(土)
自宅6:00→練馬IC→関越道・上信越道→富山IC→14:45五箇山・相倉集落15:40→16:00 「五箇山莊」(泊)
23日(日)
「五箇山莊」7:50→白山ホワイトロード→三方岩駐車場8:58→9:50三方岩岳山頂10:05→三方岩駐車場10:42→プナオ峠登山口11:57→分岐13:21→13:39大門山山頂14:18→分岐→ブナオ峠登山口
15:36→16:00「よしのや」(泊)
24日(月)
「よしのや」7:58→イオックス・アローザスキー場→夕霧峠9:38→10:05奥医王山10:15→夕霧峠10:57→小矢部IC→北陸道・上信越道・関越道→練馬IC→21:00自宅
[山行日誌]
連休1日目、天候が良ければ白川郷周辺が混雑するので、白山ホワイトロードを石川県の中宮温泉側から入って、三方岩岳に
登ることも考えたが、雨、曇りの予報だったので、予定を変え、本日は五箇山観光、翌日午前に三方岩岳、午後に大門山に登る
ことにした。高速道は全く渋滞は無く、快調に飛ばして富山には昼過ぎに到着、お目当ての回転寿司で昼食を済ませ、15時頃、
五箇山・相倉集落に到着した。天候のせいかそれ程人は出てはおらず、ゆっくりと世界遺産の集落を見学した。3年前、笈ケ岳の
帰りに五箇山・菅沼集落を見学したが、それに比べて規模はかなり小さく、観光設備は整っていないが、それだけに昔ながらの村
の様子が保存され、印象に残った。本日泊まりの国民宿舎「五箇山莊」は食事、酒、温泉ともに満足で、今後も利用したいと思った。
翌朝、8時前に出発、白山ホワイトロードをぐんぐん登って、9時前に三方岩岳駐車場に到着した。天気はほぼ快晴、周
辺の山並みがくっきり見えている。早速準備をして、登り始めた。ここら辺りは既に標高1400b近く有り、山頂との標高差
は320bしかない。車が何台か駐まっていて、既に出発したようだ。紅葉はまだ一部の葉に限られ、全体としては緑が優
っている。一息入れる間もなく、山頂到着。カメラを三脚にセットした人たちが眼前の白山に焦点を当てている。北アルプ
スの槍や穂高が遠くに見える。15時間かけて登った笈ケ岳がまるで別の山のような姿をしている。来年登る予定の大笠山
の山容が大きい。午後登る予定の大門山も加賀富士の名にふさわしい優美な姿だ。三方岩の由来は越中岩、加賀岩、
飛騨岩と三つの岩が有るからだそうだが、位置関係がよく分からない。何人かの登山者と会話が弾んだが、午後の予定
があるので、早々に切り上げて、下山にかかる。30分ほどで駐車場に到着。
次に、観光客で賑わう白川郷の傍を抜け、国道156号線から県道54号線に入り、ブナオ峠に向かう。この県道は
元は富山市の方へ通じていたようだが、今はブナオ峠止まりになっていて、恐ろしく狭い。対向車が来たらどうしよ
うと思いながら運転したが、幸い、すれ違ったのは2台だけ、しかも地元の軽トラで、巧みにすれ違ってくれた。正
午前に登山開始。名前のようにブナ林が延々と続く登山道で、かなりの急登である。しばらく行くと赤摩木古山(あか
まっこやま)との分岐で、ベンチが置いてある。一息入れた後、大門山山頂に向かう。20分ほど急登に耐えると山頂
である。山頂からの眺めはほぼ三方岩岳と同じで、大笠山や笈ヶ岳が見え、富山湾も黒々と横たわっている。槍、穂
高も双眼鏡で確認出来た。
時間に余裕が有ったので、のんびりと山座同定を楽しんだ。帰りは登り返しがほとんど無いので、1時間半弱で下りて
きた。
今夜の宿は国道156線沿いに有る民宿「よしのや」。ご主人が山好きとガイドブックに書いてあったので、拙著にサイ
ンをして持参し、差し上げた。1ヶ月前に、三百名山挑戦中のアドベンチャーレーサー田中陽希氏が1週間ほど滞在し
たそうだ。登山中に手を骨折したため、ヤブ漕ぎが必要な笈ヶ岳は来年に回すと言っていたとのこと。
その夜は「よしのや」のご主人から、五箇山の歴史について色々なお話が聞け、旅の良い思い出となった。
翌朝、8時前に宿を出発、イオックススキー場を目指して走り、直ぐに到着したが、医王山(いおうぜん)の登山口が分か
らず探し回った。スキー場の方に尋ねてようやく道が分かり、スキー場の脇の狭い道を上がり、夕霧峠に到着した。ここ
から標高939bの奥医王山山頂は眼と鼻の先。まずは285段の木製の階段を登り、途中、龍神の池に立ち寄り、わずか
30分ほどで山頂に到着した。天気は曇り。視界はあま良くない。写真を撮った後、下山開始。あっという間に下りて、夕
霧峠から小矢部ICに向かい、途中、道の駅で数々の農産物を仕入れた。上信越道と関越道は大渋滞で、ノロノロ運転の
連続。8時間かかって9時に帰宅した。今回は車登山の連続で、歩く距離が短かったが、その分運転が大変で、長い距離、
狭い道、様々な体験をした。また、それぞれの特色を持った3座の山々を味わえたのは良かった。