今年の秋は暖かく、また、12月に入っても雪の便りが各地からそれ程届かない。本格的な冬の訪れの前にもう1座行くことになり、河口湖の北に有って、富士山の眺望を楽しむには
絶好の位置にある御坂黒岳を選んだ。
古くから河口湖から甲府に抜ける道として御坂道(現在は国道137号線)が有り、更に以前は御坂峠を徒歩で越えていた。旧街道にはあちこちに地蔵様が祭ってあり、また御坂茶
屋などの旅人の休み処も有った。現在も営業中の「天下茶屋」には太宰治や井伏鱒二が訪れ、特に太宰治はここで「富岳百景」を執筆したとのことだ。天下茶屋の前には太宰治の記
念碑があり、「富士には月見草がよく似合う」という一節が書かれている。
[行程]
2018年11月29日(木)
自宅5:55→調布IC→中央道→河口湖IC→国道137号線→9:00天下茶屋9:15→御坂山10:21→旧御坂茶屋10:55→
11:55黒岳山頂12:20→旧御坂茶屋13:04→御坂山13:37→13:25天下茶屋14:00→一宮・御坂IC→中央道→国立・府中IC
→18:00自宅
[山行日誌]
今日は平日だが,久し振りに孫の迎えが免除され、朝6時前に出発、中央道を順調に走り、河口湖ICから河口湖駅
で道を確認、国道137号線に入って,天下茶屋を目指した。途中、2度ほど道を間違えたが,9時に登山口の天下茶
屋に到着した。天気は晴れで、山頂付近から見える雪をかぶった富士山の眺望を楽しみに歩き始めた。最初は急
な階段の登りが続き、汗をかいたが、その後は緩やかな登りで、落ち葉を踏みしめ、初秋の景観を楽しみながら、
高度を上げて行った。河口湖や河口湖大橋の眺めと道連れで飽きることがなく、また、樹間から見える麓まで雪をか
ぶった雄大な富士山が眩しい。唯、天気予報通り、北の方角は天気が悪く、ガスがかり近くの山しか見えない。
3度ほど登り返して御坂山に到着、この頃から富士山もガスがかかり見えなくなってがっかり。30分ほどで旧御坂茶屋に
着いたが、廃屋となっており、寂しい風情だ。ここから何度も小さな峰を越え、ようやく黒岳山頂に到着。周囲に木が生い
茂り眺望は全くない。200b先に展望台が有るとのことだが、ガスで何も見えそうもないので,下山にかかる。
旧御坂茶屋、御坂山と一気に通り過ぎ、1時間半ほどで天下茶屋に下山した。天下茶屋は営業中だったので、コーヒーブ
レイク。次々と客が入ってくるのでびっくり。好位置にあるからだろうか。帰路は,御坂隧道を抜け、一宮・御坂ICから中央道
に乗り、小仏トンネルの渋滞にかかることもなく、早い時間に帰宅した。初冬で雪の心配もあったが幸い暖かい1日で、冬枯
れの古道を、河口湖と富士山の眺めを楽しみながら歩くことが出来て、満足の行く登山となった。