一昨年来、何度かチャンスがありながら,天候や急な都合で行けなかった諏訪山に、ようやく行くことになった。諏訪山は、西上州(群馬県と長野県の県境に近い)最奥の上野村
に有る信仰の山で、550名近くの犠牲者が出た「日航機墜落事故」の現場、御巣鷹山が近い。清流神流川(かんながわ)の源流に近い地味な山である。
グレードでは、「上級」と評価しているガイドブックも有れば、「中級」とのガイドブックも有る。また、ネット情報でも、特に危険な箇所はない、と書かれているものと、危険な箇所が幾
つもあり、十分な注意が必要というものに分かれる。
[行程]
自宅6:00→練馬IC→関越道・上信越道→下仁田IC→県道45号線→8:40浜平登山口9:00→湯ノ沢の頭10:45→三笠山11:40→13:00諏訪山13:05→三笠山13:25→湯ノ沢の頭
14:35→16:30登山口→日帰り温泉→下仁田IC→練馬IC→21:00自宅
[山行日誌]
2〜3日前に山間部で雪が降り、念のため軽アイゼンをザックに詰め、防寒具を用意して出発。関越、上信
越道を快調に走り、下仁田ICから県道45号線、下仁田の古い街並みを通り抜け、浜平の登山口の駐車
場に9時前に到着した。ガイドブックでは楢原登山口を薦めているようだったが、4台程度しか駐車出来な
いので、広い駐車場のある浜平登山口を選んだ。「町おこし」の一環でこのルートを推奨しているらしく、標
識などが整備されていたが、登山道は整備が不十分、特にこの沢沿いの道は崩壊が進んでいて、事故が
起きたら、廃道になる可能性も有ると感じた。
登山道の維持には膨大な費用がかかるので,偶に訪れる登山者が文句を言えた義理ではないのだが。
駐車場には6台ほど駐まっていて、我々だけではないようで安心した。準備を整え9時ちょうど、虎王
神社の参詣階段を通って,登山口に向かった。神流川の橋を渡って、神流川に沿って歩き始める。天
気は曇り空、午後から雨も予想されるので、何とか降り出す前に山頂まで行ければ、と考えた。川幅は
最初は広かったが、高度を上げるにつれて狭くなる。川の右、左、中とコースが変わる。ピンクリボン
や標識が度々出てくるので、道に迷うことはない。唯、高巻き道の道幅が極端に狭く、しかも落ち葉に
埋もれているので、ストックで道を確認しながら
グの急登。更にしばらくして、ようやく尾根道に合流。直ぐに湯ノ沢の頭の標識が現れる。
ここら辺り常緑低木のアセビが満開で、白い花から芳香が漂う。多少緩やかとなった尾根道を進むと、三
笠山と諏訪山が前方に見えてくる。屋根のない避難小屋 「弘法小屋」の横を通り、三笠山の直下に到着
ハシゴ2段とロープで何とか山頂にたどり着いた。お宮が安置されている。時間が無いので写真を撮って
すぐに諏訪山に向かうが、前進を阻む5bほどの岩壁。ロープ一本で下まで下りなければならず、時間も
迫っているので、ここで妻には三笠山山頂で待っていてもらい、私1人で諏訪山へ向かう。雨が降り出し、
風も強くなってきたが、早足や駆け足で猛然と諏訪山への最後の登りをクリアー、三笠山から15分ほどで
諏訪山に到着。
山頂にいた二人連れに写真を撮って頂き、直ぐに三笠山に引き返したが、山頂に妻の姿は無く、焦った。メールを確認したところ,先に下りているということで後を追った。15分ほどで先行している妻を見つ
け、合流してほっと一息。
雨が上がり、気温も上昇してきた。ジグザグの急降下地点で昼食休憩、大休止。その後慎重に沢筋を
下り、16時半に駐車場に到着。近くの「浜平温泉 しおじの湯」で汗を流し、帰宅した。
今回、色々な情報に惑わされ、山の正確な知識が不十分なままの登山となった。結果的に無事登頂出
来たが、山は舐めてはいけない、という常識を再確認する登山となった。山また山の西上州の懐に抱か
れた諏訪山を体験できたことにとても満足している。