日帰りで行ける山が少なくなってきた。我が家にはナツとモモ太という二匹のネコがいて、仲が良くないので、宿泊を伴う山行の際には、モモ太をペットホテルに預けなければならない。その為
なるべく日帰り可能な山を狙っているのだが、三百名山は我が家から日帰りで行ける山が少なく、この高原山(釈迦ヶ岳)を除けば、あとは南アルプスの高塚山と阿武隈山地の大滝根山ぐらいである。
高原山は栃木県北部に有り、一等三角点のある釈迦ヶ岳を盟主に、鶏頂山、西平山、前黒山、中岳、御岳山などからなる山塊で、東北道から堂々たる山容を眺めることができる。
[行程]
2019年5月19日(日)
自宅5:40→中環→浦和IC→東北道→矢板IC→8:50大間々台駐車場9:05→八海山10:05→矢板市最高点→11:45山頂12:25→矢板市最高点→八海山14:20→15:00大間々台駐車場15:15→矢板IC
→浦和IC→中環→20:00自宅
[山行日誌]
早朝、我が家を出発、中環、東北道を走って、矢板ICで下り、一般道を走って、9時前に大間々駐車場に到着した。こ
の日は八海山神社を通る山岳マラソンが実施されるとのことで、9時から通行止めになるところ、危うく滑り込んだ。直
前まで雨が降っていた模様で、山頂方面はガスがかかって何も見えない。15時まで通行止めが続くとの係員の説明が
あり、ゆっくり歩けばよいと考えた。駐車場は満杯で、10名前後の大きな団体も来ている。最初は団体に付いて歩き、
見晴らしコースを取って、ミツモチ山分岐の先から団体を追い抜いて歩を進める。オオカメノキの白い花が満開、トウゴ
クミツバツツジもムラサキの花を咲かせている。
ガイドブックにはアカヤシオがきれいだと書いてあり、同じく栃木県の袈裟丸山で見た満開のアカヤシオの再来を期待
する。相変わらずガスがかり、見晴らしが利かない。1時間ほどで八海山神社に到着。祠は倒壊しており、ケルンが目
印となっている。マラソンの監視員の方が寒そうにして見張りをしている。「ランナーはどこですか」と尋ねたところ、先頭
がミツモチ山を走っているとの返事だった。ここで方向を変え、狭くなった道を登っていく。やがて「矢板市最高点」という
標識が現れる。ここからしばらく下り、更に登ると,突然アカヤシオの群落が現れる。併せて20本ぐらいだろうか。皆満
開になったばかりという感じで瑞々しく、ちょうど差し込んだ日の光にまばゆいばかりにショッキングピンクの花を咲かせ
ている。通りがかった登山者二人と感動を分け合った。山腹のあちこちに点のようにピンクが見えるが、群落ではない
ので寂しい。
尾根筋に出て2つの峰を越える。道が一段と狭くなり、ロープが目立つようになる。木の根が這い回っていて、気をつけ
ないと躓きそうだ。ストックをしまって、木の根を掴みながら高度を上げていく。急傾斜を乗り切ると、ようやく山頂に到
着。山頂では20名ぐらいの方が参加して山開きの儀式を行っていた。白い装束の神主さんが祝詞をあげ、参加者がサ
カキを奉納する。我々にもサカキが配られ奉納する。御神酒のお誘いもあったが、車の運転があり、丁重にお断りした
。天気は回復傾向で、遠望は利かないが、近くの鶏頂山は山頂の神社まではっきり見える。写真を撮り、近くの登山者
と雑談を交わしながら昼食を食べる。15時まで通行止めなので、のんびり時間を過ごした後、下山開始。急降下はたっ
ぷり時間をかけ,滑り落ちないように最善の注意を払う。傾斜が緩むとアカヤシオの群落だ。天気はすっかり回復して、
春の強い日差しが近くの山々を照らしている。
ガスがすっかり晴れ、釈迦ヶ岳のずんぐりむっくりした大きな山容が樹間越しに見える。何度もシャッターを押しながら進
む。急勾配を登ると「矢板市最高点」の標識が現れる。ここからは緩やかな下りが続き、やがて八海山神社に至る。山
岳マラソンの参加者がちらほら見える。道幅が拡がり、歩きやすくなったので周りの景色を楽しみながらゆっくり下りて
いく。オオカメノキの白い花が日光に映える。ミツモチ山との分岐点を越え、15時過ぎに大間々駐車場に戻ってきた。
通行止めは既に解除になっており、行きと同じく矢板ICから東北道に乗り、さしたる渋滞もなく、20時に帰ってきた。
高原山は釈迦ヶ岳だけしか登れなかったが、山開きや山岳マラソンと重なり、いつもとは異なる山歩きを経験できた。
アカヤシオ、オオカメノキ、トウゴクミツバツツジ、レンゲツツジなどの春の花を楽しめ、印象に残る山行となった。