白木峰(1596m)・大笠山(1822m)・人形山(1726m)
去年に引き続き白川郷・五箇山地域の3座を,国民宿舎「五箇山莊」を拠点にして登ることにした。少しでも早いうちにに「日本三百名山」の厳しい山を先に済ませておく、と考えて、既に、3月に白川郷近くの猿ヶ馬場山、
野伏ケ岳、5月に尾瀬の景鶴山、7月に神威岳に登り、今回、登りが厳しく、10時間近くかかると言われている大笠山を2日目に、比較的楽な白木峰と人形山を1日目と3日目に登ることにした。
[行程]
2019年8月9日(金)
自宅5:20→練馬IC→関越道→上信越道→北陸道→東海北陸道→福見IC→国道471号線→13:10白木峰登山口13:20→14:10白木峰山頂14:27→15:15登山口15:22→16:05五箇山莊泊
10日(土)
五箇山莊5:10→5:40桂湖ビジターセンタ-登山口6:00→前笈ケ岳岳8:50→前避難小屋10:00→新避難小屋→10:55大笠山山頂11:10→新避難小屋→前避難小屋11:50→前笈ケ岳13:17→15:30登山口
→16:00五箇
山莊泊
11日(日)
五箇山莊5:10→5:45中根平登山口6:00→6:45第一休憩所6:55→8:15宮屋敷跡8:25→梯子坂乗越9:30→9:50人形山山頂10:20→梯子乗越10:40→11:36宮屋敷跡11:50→第一休憩所12:40→
13:20登山口
13:40→14:15五箇山莊15:00→五箇山IC→東海北陸道→清見IC→国道158号線→松本IC→長野道中央道→調布IC→23:30自宅
[山行日誌]
台風10号の進路が定まらず不安であったが、スピードが遅いお陰で3座ともまずまずの天気のようで安心した。当日は早朝出発、関越、上信越道と快調
に走ったが、妙高高原付近で高速道が事故のため閉鎖という掲示が出て焦ったが、私たちの直前で閉鎖が解除、予定通り北陸道を走った。ところが白
木峰登山口の場所確認が不十分で,かなり遠回りをしてしまい、予定より1時間近く遅れて,13時過ぎに登山口に到着した。先行車が3台有り、我々も早
速準備をして出発した。林道がほぼ山頂近くまで通じており、急登の登山道を登っても良し、林道をのんびり歩いても良し、だったので、我々は林道を行く
ことにした。この季節、オオバギボウシが満開で、ガスがかかって遠望は利かない。記念写真を撮って,下山開始。帰りも林道を通って駐車場に着くと、上
がってきた他の登山者と情報交換。7月のニッコウキスゲのシーズンには駐車場が一杯になるとのことだ。
本日の宿舎、五箇山莊は昨年も泊まった国民宿舎で、温泉があり、部屋も清潔、食事もおいしい。温泉で疲れを癒し、食事を楽しんで,翌日に備えて早めに床についた。
翌朝はいよいよ本命の大笠山。4時過ぎに起床、妻に車で送ってもらい,6時前に桂湖ビジターセンターの登山口に到着し、八王子から来て車中泊をしていた登山者と挨拶を交わした。出会った唯一の
登山者である。まず5連のがっちりした鉄のハシゴを登り、更にクサリが設置されている道を慎重に登ってフカバラ尾根に入って行く。ここからは急登の連続でなかなかピッチが上がらず息が苦しい。断
念も頭にちらついたが、天気は晴れ、ここでチャンスを逃したら,事実上、「日本三百名山」の断念にも繋がると考え懸命に足を動かすうちに,いつの間にか前笈ケ岳の標識に到着。ここまで3時間弱、少
しコースタイムを上回っていることが分かり、俄然元気が戻って来た。
4年前に苦労して登った笈ケ岳が東の方角にずっと見え隠れし、更に元気づけてくれる。大笠山も南の方角に望める。傾斜が緩み,アップダウンの道となっ
てくる。やがて丸太が床に敷き詰めてある前避難小屋に到着。水場が有るのを楽しみにしていたが、全く干上がっている。がっかり。そこからまた急登が始
まったが、それ程長くはなく,避難小屋の前を通り、11時前に山頂に着いた。山頂からの眺望は残念ながらはっきりせず。笈ヶ岳、大門山、奈良ヶ岳などの
近くの山しか見えない。太陽がガンガン照らし汗が噴き出る。水をたっぷり持ってきたのでふんだんに飲めるのが有り難い。シャリバテを防ぐため何とかお
にぎりを1つおなかに入れて、その後下山開始。まずは前避難小屋を目指して慎重に下りる。ストックをフルに使って膝の負担を減らす。40分ほどで前避難
小屋着。次の目標は前笈ヶ岳。ここはなかなか大変。大笠山や笈ヶ岳の姿を目に焼き付けながら進む。ようやく前笈ヶ岳。次は最後の目標である登山口。
足や膝が疲れで踏んばりが利かず困ったが、この山にいるのは自分1人、滑落しても誰も助けには来てくれないと自分に言い聞かせながら、最大限の緊張
感を持って一歩ずつ足を進めた。ようやくクサリ場が目に入り、次に5連の鉄梯子、そして最後の吊り橋を渡って,登山口に到着した。実に9時間半の苦闘であった。
桂湖ビジターセンターに迎えに来てくれた妻の車に乗って、16時に五箇山莊に到着。温泉に入って膝や太ももをマッサージ。翌朝の人形山登山に備えた。
五箇山莊の前の道が人形山の中根平登山口に通じる林道で、ほとんどがダート。パンクを心配しながら30分ほど登っていくと、中根山莊が現れた。娯楽
施設有り、キャンプ場有り、宿泊施設有りのリゾート風であったが、今は全く使用されていない。そこから1キロで中根平登山口駐車場に到着。昨日、大笠
山で出会った唯一の登山者の方とまた出会い、挨拶を交わした。準備をしてちょうど6時出発。昨日と打って変わって樹林帯の中緩やかな登山道を登っ
ていく。時々急登もあるが直ぐに傾斜は緩む。50分ほどで第一休憩所。天気は晴れ、多少暑いが絶好の登山日和である。ブナの木が増え、傾斜がきつく
なるが歩きやすい道が続く。しばらくして稜線に出るとそこが宮屋敷跡。前は白山宮が有ったが今は鳥居だけになっている。北の方角が開け、北アルプ
スの薬師岳、黒部五郎岳、槍ヶ岳、穂高連峰などが見える。ここからまた樹林帯に入りアップダウンを繰り返しススキに覆われた道を登ると梯子坂乗越で
岐阜県と富山県の県境である。正面に白山、西に笈ヶ岳、昨日登った大笠山、昨年登った大門山、
医王山が勢揃い。左に三ヶ辻山への道を分け、人形山の山頂を目指す。緩やかなアップダウンで山頂到着。写真を撮り、簡単な昼食を済ませ下山にかか
る。1時間と少しで宮屋敷跡。突然ガスが湧いて来て遠望は利かない。一気に第二休憩所、第一休憩所を通過、登山口には13時過ぎに下りてきた。林道を
慎重に下り、五箇山莊で汗を流して一息。帰りは南回りで、東海北陸道、国道158号線で高山、松本を通り、中央道の50キロの渋滞に巻き込まれながら、
23時半に帰宅した。
今回約千キロの運転、3日で3山というハードな山行であったが、無事目標が達成でき満足している。大笠山の急登・急降下には苦しんだが、体力的には
通用することが分かり,「三百名山」完登に向けて一歩前進した。