今夏、7月の北海道遠征後、コロナ禍で体力不足のため一切経山、笠ヶ岳と容易な山を選んで登ってきたが、その最後として今回、南アルプスの山伏(やんぶし)を選んだ。
山伏は静岡市南部で駿河湾にそそぐ大河安倍川の源流域に有り、2千メートルを越える唯一の山である。登山口は西日陰沢、蓬峠,牛首、百畳峠等にあるが、往復2時間弱の百畳峠を選んだ。
[行程]
2020年8月25日(火)
自宅5:40→川崎IC→東名・新東名→新静岡IC→9:30百畳峠10:00→11:00山頂11:30→12:15百畳峠12:25→新静岡IC→新東名・東名→川崎IC→19:15自宅
[山行日誌]
6時前に出発、川崎ICから東名に入って御殿場から新東名を快調に走り、新静岡ICまでは順調であったが、安倍川に沿った県道127号が徐々に狭くなり、
口坂本温泉に着いたところで道を尋ねた。何処までも道なりに行くように言われ、大日峠を通過、勘行峰林道に入っていく。県民の森を過ぎると,のり面が
所々崩れ、小さな岩が道路に散乱している中、なおも行くとようやく百畳峠に到着。大きな広場で簡易トイレも設置されている。標高は既に1770b、山頂と
の標高差はわずか244bだ。天気は晴れだが、ガスがかかり遠望は利かない。早速準備をして登山開始。登山口付近は急だがすぐになだらかになる。サ
サが生えているが丈が短い。わざわざ刈り払いをしたとは思えないので、シカが食べているのだろう。ここら辺りは千畳敷と呼ばれだだっ広い平原となっ
ている。やがて日陰沢からの登山道と合流する。その先で市営山伏小屋への道を左に分ける。
さらに行くと緩やかな斜面の上に山頂が見えてくる。シカの食害防止ネットが張られ、ヤナギラン、ウマノアシガタ、ミヤマアズマギクなどが咲いている。残
念ながらヤナギランはその数がわずかだ。南アルプスの櫛形山に登った時を思い出す。季節にはアヤメが数千万本咲くというので行ってみたが、わずか数
本しか咲いておらず、防止ネットの中で細々と生を繋いでいた。今は回復しているのだろうか。
あっという間に山頂に着いてザックを置き周囲を見渡したが、お目当ての富士山はガスの中、辛うじて笊ケ岳や布引山は近いので見えたが、遠くの悪沢、
赤石、聖、光などは全く見えなかった。山頂でのんびり他の登山者とおしゃべりしたり写真を撮ったりした後下山にかかる。途中、先ほど見えた市営山伏小
屋を覗いてみたが最近使った形跡はなかった。一気に下りて12時過ぎに下山、帰りは大日峠から県道189号を経由して新静岡ICへ行き、新東名、東名を
使って19時過ぎに帰宅した。
今回も楽な登山であったが、ササに覆われた山中とは思えない広々とした風の抜ける平原を味わえたことは良かった。また、気持ちに余裕を持った登山も悪くないと感じた。