高隈山{大箆柄岳(おおのがらだけ)(1236m)}




   九州には未踏の三百名山が7座有るが、大隅半島の高隈山地の主峰大箆柄岳は他の三百名山から離れているので、1泊2日でこの山だけを登ることにした。高隈山は大隅半島の垂水市と鹿屋市の境

  界に位置し、最
高峰の大箆柄岳、小箆柄岳、妻岳、御岳、二子岳、平岳、横岳の7岳の総称で、開聞岳や霧島などと異なり、火山ではなく隆起によってできた山である。山頂一帯はスズタケで覆われてい

  る。「柄」は地元ではスズタケを
意味し、山名の由来となっている。タブ、シイ、カシなどの原生林が生育し、緑の濃い樹林帯を形成している。高隈山は信仰の山としても知られ、山中には杖捨祠(つえすて

  ほこら)を始め多くの祠が祭られている。

  [行程] 

     2020年11月15日(日)

    自宅5:30→6:20羽田空港7:25→9:25鹿児島空港9:50→11:15垂水→登山口12:30→桜島13:30→17:10 ホテル「シーサイド桜島」泊

           16日(月) 

    ホテル「シーサイド桜島」6:50→7:30大箆柄岳登山口7:44→5合目8:45→9:46山頂10:06→5合目11:08→12:04登山口→道の駅「垂水」→鹿児島空港19:20→21:15羽田空港→22:30自宅

[山行日誌]

 今回は羽田空港まで車を使用して多少早朝の往復を軽減した。気温が高いので防寒具はセーターだけとして荷物を減らした。それでもザック一杯の衣類を詰め

 込み、鹿児島空港に10時前に到着、レンタカーで垂水
に向かい、道の駅「垂水」で昼食休憩、その後大箆柄岳登山口の下見に出かけた。何度も道を間違え、

 狭い大野原林道をゆっくり走って登山口に到着し、下山してきた登山者にコースの様子を確かめた。
その後桜島に戻り、湯平展望台などで時間をつぶし、17時

 過ぎにホテルに入った。部屋が錦江湾に面し、開聞岳、韓国岳,高千穂など以前登った山々が霞んで見える。








 翌朝7時前にホテルを出発、昨日の下見のお陰で登山口には7時半に到着した。屋久島や鹿児島の山を1週間かけて登っているというご夫婦と5分ほどおしゃべ

 りし、登頂を開始。午後から雨の予報なので午前中に戻ることを目標に歩き始めた。急な階段を上がると
緩やかな照葉樹林帯の道が続く。水場への入り口の表

 示を過ぎると急な道に変わりやがて花崗岩が露出する5合目。大きな岩盤でその上からは垂水市街、桜島、錦江湾が一望できる。急登が続き尾根道に出る。ス

 ズタケが登山道の両側から覆いかぶさっている。かき分け進むと杖捨祠にやって来る。多くの山伏や参拝者が「岳参り」にやって来て、ここで杖を捨てていったと

 のことからこの名前が付いたそうだ。










 南限であるブナの原生林
のなかを進むと石祠の有る山頂に到着。南に高隈連山の御岳、妻岳、小箆柄岳眼下に刀剣山が見える。開聞岳や霧島連山は霞ん

 で見えない。雨が心配なのですぐに下山開始。途中で駐車場で会ったご夫婦と写真を
撮り合う。下山は桜島の降灰が滑りやすくなっていて慎重さが要求され、

 登りと同じくらい時間がかかる。

 一歩一歩足元を確かめ、ストックで安全を確保しながら下りていく。空は高く青空が見えている。結局、登りと同じ
2時間かかって登山口に戻ってきた。今日の登

 山者は我々も含めて5人だった。垂水市内に戻り、昼食に名物の養殖勘八を食べた。全国一の生産量で、海にはたくさんの生け簀が浮いている。その後、道の

 駅「垂水」で
汗を流し、途中黒酢で有名な店に立ち寄り、17時過ぎに鹿児島空港に戻ってきた。予報通り車中で豪雨に見舞われ、濡れながらレンタカーを返却、

 満席の最終便で帰宅した。


 

 今回の鹿児島遠征は、1日目は快晴の中、桜島の雄大な景色を味わい、2日目は一部紅葉していたがまだまだ緑豊かな樹木やスズタケに覆われた大箆柄岳に登ることができて、とても満足している。



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