「日本三百名山」は1978年に日本山岳会が選定したものだが、地域にかなり偏りが有り、関西周辺と中部地方が目立つ。中部地方はほぼ毎年訪れ、、残すは鷲ヶ岳、川上岳、経ヶ岳、冠山の4山となった。関西地域は
まだ数多く残っているので、中部地域が終わったら登ろうと思っている。今回、1泊2日の予定で鷲ヶ岳と川上岳に登る予定を立てた。少し前までなら文句なく家から車で行くことを考えたが、最近、長距離の運転に自信が
持てなくなったので、今回も電車で高山まで行き、そこからレンタカーで登山口へ移動することにした。
鷲ヶ岳は、岐阜県の郡上市と高山市の境界上に位置している。山名の由来は、1,221年に藤原頼保が勅命によ大鷲2羽を退治し献上した、という伝説に基づく。付近には大鷲や鷲見など鷲の名がつく地名や苗字が多く
見られる。一方、川上岳は飛騨を太平洋側と日本海側に分ける分水嶺の西に位置し、ヒノキ林を主とした豊かな広葉樹林帯が広がっている。また、谷沿いにはサワグルミやトチノキなどの広葉樹林、そして下には岐阜県
の県木であるイチイが多い。
[行程]
2021年10月28日(木)
自宅5:50→新横浜→名古屋→10:51高山11:15→12:57鷲ヶ岳山頂登山口13:01→13:27山頂14:10→14:38登山口14:45→16:10臥龍温泉「臥龍の里」泊
29日(金)
「臥龍の里」6:00→6:45ツメタ谷県道ゲート6:53→8:25オオイチイの木8:28→稜線(天空の遊歩道)→10:12川上岳山頂10:39→1617ピーク→ツメタ谷登山口12:27→県道ゲート13:10→「臥龍の里」→15:30高山駅
16:36→名古屋→新横浜→21:30自宅
[山行日誌]
新横浜から東海道新幹線に乗り、名古屋で高山本線の特急「飛騨号」に乗り換え、高山駅には11時前に到着、駅前のレンタカー営業所で四駆のビッツを借りた。郡上市に
位置する鷲ヶ岳に向けて出発、東海北陸道に乗り、荘川ICで下りて、まずは立石キャンプ場を目標に走る。立石キャンプ場から先の鷲ヶ岳林道はダート、傾山の黒仁田林
道を思い出しながら、時速20キロぐらいで走る。郡上市の担当者や観光協会の係の方に事前に問い合わせたが、この林道を推奨しなかった。しかしP社のツアーレポートを
読んだところ、山頂直下まで走りやすかった、と書かれていたので、走ってみることにした。レンタカーは四駆なので走りに安定感が有り、特に苦労もなく、山頂直下の登山
口に到着。物足りない位だ。天気はほぼ快晴、青空と紅葉のコントラストが見事だ。早速準備を整え、急な勾配の木段を登る。所々階段が崩れ歩きにくい。慎重に進む。
ほぼ30分ほどで山頂に到着。先着のご夫婦と挨拶を交わす。山頂からの眺望は素晴らしい。西に大日ケ岳、その向こうに白山、北東に北アルプスの黒部五郎、笠ヶ岳、穂高
乗鞍、そして東に御岳。いずれも雪を抱いて真っ白だ。近いせいか特に御岳の巨体が印象的だ。白い噴煙を上げている。先ほどのご夫婦と山座同定をしたり写真を撮り合う
ゆっくり休憩した後下山開始。慎重に階段を降り登山口へ。下山後もゆっくりと運転、「臥龍の里」に16時過ぎに着いた。ここは10年ほど前に位山に登った際に宿泊した宿
で、見覚えがある。居心地がよく、夕食をたっぷり食べ、早めに就寝、明日に備える。
翌朝、ツメタ谷の登山口を目指して朝6時に宿を出て、7時前に県道ゲートに到着。準備にかかったが、ここで重大なミスに気が付いた。昨日、鷲ヶ岳
に登った際にトレッキングポールを置いてきてしまったのに気が付いた。ひざ痛を抱える私にとって必需品なのに。止む得ず妻に1本借り、もう1本は
木の枝で何とか凌いだ。2,7キロ歩いて林道入り口。そこからさらに林道を1,5キロ歩いて谷に入り、オオイチイの木へ。ここからササの生い茂る登山
道を喘ながら登る。刈り払いがされている。感謝、感謝。1時間ほど急登をこなして位山から続いている「天空の遊歩道」に出る。川上岳登山の計画
を立てる際に、位山から川上岳まで7,5キロのこの遊歩道を使うか迷った。40分ほどで山頂に到着。昨日ほど明瞭ではないが、白山、北アルプス、乗
鞍、御岳等が見える。風が強く寒い。数人の登山者と話し、帰りはツメタ谷登山口の方へ周回することにした。これが大正解! 御岳や山腹の紅葉を
眺めながら歩きやすい登山道を進んでいく。先ほどのオオイチイの木の登山道に比べて斜度も緩いし道も広い。しばらく下ると登山口に到着。
林道に出る。3,1キロ歩いて林道ゲート、2,7キロ歩いて県道ゲート。思ったより早く着いたので、「臥龍の里」で汗を流し、高山駅で車を返却。ゆっくり駅弁やお土産
を購入し、名古屋、新横浜を経由して21時過ぎに帰宅した。
今回の登山は電車を利用して安全を図ったが、体力的にも精神的にも余裕が持ててとても良かった。大事なトレッキングポールを置き忘れるというミスはあったが、
青空の下、紅葉真っ盛りの低山と雪に覆われ真っ白な山頂の高山の眺望を思う存分楽しむことができた。