1ヶ月前に鶴見岳、傾山、涌蓋山に登り、九州で残すは多良岳、脊振山、国見岳となった。今回、この3座に登り九州の三百名山を終わらせることにした。前回は傾山という難峰が有ったが、今回は九州最高峰(屋久
島 宮之浦岳を除く)の国見岳が位置的にも標高的にも厳しいかなと考えた。多良岳は佐賀県と長崎県の県境にあり、古い複合火山で、激しい浸食により深い谷と急峻な峰々が形成されている。植物の宝庫で、早春
にはマンサクの黄色い花が咲き、また、夏のオオキツネノカミソリは天然記念物で、それを目当てに多くの登山者が訪れる。山中にある金泉寺は真言宗の開祖弘法大師が創建したとされ、東の英彦山と対をなす。ま
た、脊振山は福岡市と佐賀県神埼市の境界にあり、山頂には航空自衛隊とアメリカ軍のレーダーサイトがある。山名の由来は弁財天が山頂に降り立った際に家来の龍が脊を振ったことによる。「喫茶養生記」を表し
茶の普及に努めた臨済宗の祖である栄西の記念像が佐賀県側登山口にある。中世には「脊振千防」と言われるほど修験者がいたそうだ。3座目の国見岳は、九州中央部の熊本県と宮崎県の県境に位置し、ブナの原
生林に覆われている。山頂付近にはシャクナゲの群落があり、また、山頂には2009年に建てられた新しい祠が鎮座している。
[行程表]
2021年11月2日(火)
自宅5:30→6:35羽田空港7:15→9:15長崎空港9:50→10:40多良岳駐車場10:50→11:17多良岳登山口11:20→12:30金泉寺13:00→13:39山頂(権現峰)14:17→金泉寺14:45→15:47多良岳登山口15:55→駐車場
16:25→17:10嬉野温泉「鯉登園」泊
3日(水)
「鯉登園」8:30→長崎自動車道→10:05脊振山駐車場10:13→10:27脊振山山頂11:00→11:12駐車場11:14→九州自動車道→松橋IC→県道25号→国道445号→椛木林道→16:45「山女魚荘」泊
4日(木)
「山女魚荘」6:20→6:40樅木林道新ゲート6:49→7:32国見岳新登山口7:39→9:58山頂10:15→12:38新登山口12:45→13:12新ゲート13:15→樅木林道→国道445号→16:15熊本空港19:00→20:30羽田空港→
21:35自宅
[山行日誌]
いつものように家を空けるときの準備として、ネコたちのエサや水を用意し、戸締りをして、羽田空港まで車で行き、長崎便に乗った。長崎到着後、レンタカーで多良岳登山
口へ向かった。以前は登山口探しで大変苦労したが、今は登山アプリのヤマップでPマークを見つければ、グーグルマップが案内してくれる。しかし今回は黒木谷に近いPマ
ークが幾つもあり、結局八丁谷手前のゲートに到着するのに1時間近くかかってしまった。さらにゲートから八丁谷登山口まで30分かかって、登り始めたのが11時過ぎだった
天気は曇りだが雨の心配はないようだ。まずは金泉寺を目標に歩く。最初は緩やかな道、やがて涸れ沢を登っていく。傾斜が厳しくなり大きな岩が現れるが、慎重に進めば
問題は無さそうだ。西野越を過ぎると傾斜も緩み金泉寺到着。この寺は古くから栄え、最盛時は30余りの宿坊が有ったそうだ。
そして隣には長崎県が設置した山小屋が有り、地元の「山の会」が運営している。30分ほど昼食休憩を取った後、山頂に向けて出発。大きな岩、クサリ、ロープ,ハシゴなど
が次々と現れ、緊張感が増す。慎重に一歩一歩進み、クリアーしていく。急傾斜を降りて階段を登ると多良権現が祀られた権現峰に到着。お参りし一休みして下山開始。油
断せず足場を確保して下りていく。金泉寺到着。西野越を過ぎるころから雨が落ちてきたが、樹林帯なので影響がない。涸れ沢を下り、緩やかな道を抜けて登山口、次にゲ
ートを抜けて駐車場に到着。そこから嬉野温泉までは遠くはない。宿泊場所は割烹旅館で料理は大変美味しかった。温泉で足をマッサージ、この温泉のお湯は皮膚にまとわ
りつくような感触で心地よい。
翌日はゆっくり朝食を食べ、8時半に出発。本日の脊振山はほぼ頂上近くまで車で行き、その後高速で熊本に入る。そして狭い山道を通って五家荘の「山女魚荘」まで行く。
休日なので高速は結構車が走っている。1時間半ほどで東脊振ICに到着、一般道に入り、東脊振トンネルを抜け、脊振山駐車場に10時過ぎに着いた。自衛隊の基地が山
頂付近一杯に拡がっている。山頂はここから15分ほどだ。早速準備をして山頂へ向かう。階段を10分ほど登れば山頂着。休日とあって家族連れや若者グループが来ていて
景色を楽しんでいる。晴れているが遠望は利かない。昨日登った多良岳が見えるはずだがよく分からないので、山座同定アプリを起動させて探したが、それでもはっきりと
示せない。諦めて下山開始。いつの間にか駐車場は満車状態。準備をして次の目的地、熊本県の五家荘に向かう。ナビで確認すると4時間以上かかるようだ。途中、道の
駅で昼食を食べ、その後は九州道に乗って松橋ICで下り、県道25号線、国道445号線を経由して椛木林道へ入る。周りの山々、谷筋、紅葉が見頃だ。17時前に「山女魚
荘」に到着した。
民宿の名前にふさわしく次から次へと山女魚を使った料理が出てきた。山菜やキノコもたっぷり頂いた。イワナの刺身が脂がのっていて美味しかった。翌日は熊本発19時
の便に間に合わせなければならないので、5時過ぎに起床、夜が白むのを待って6時半に宿を出発した。樅木林道を遡り、国見岳ゲートの手前1,6キロの所で通行止め。歩
き始める。新登山口まで40分ほど。ガスがかかって薄暗いが予報では午前も午後も降水確率ゼロパーセント、ガスが晴れるのを楽しみに登り始める。最初の50分は急登
の連続。汗が噴き出すが、第3登山口からの道との合流地点を過ぎると、道はなだらかになる。ブナの黄葉が美しい。ここらあたりのブナは幹回りが太く、しっかりと根を張
っている。下草も短く何とも歩きやすい。1時間半ほどで山頂の白い花崗岩が見えてくる。密集するシャクナゲをかき分け、山頂に到着。ユーチューブで何度も見たお堂だ。
ガスはまだ晴れない。残念ながら山座同定は無理。長崎からのソロの女性と写真を撮り合い、下山開始。五勇山への周回路の手前で男性のソロの方と話す。三百名山挑
戦中で住所も近い、ということで20分近く話した。その後、油断して道を誤り周回路に入ってしまったが、ヤマップで確認して元の地点に戻った。危ないところだった。ガスが
ようやく晴れ周りの山々が姿を現す。色とりどりの紅葉が見事だ。歩きやすい道を快調に下って車には13時過ぎに到着した。予定より1時間も早い下山となった。樅木林道
445号、高速を走って、空港には16時過ぎに到着、レンタカーを返却、ゆっくりと食事をしたりお土産を購入し、19時の便で帰宅した。
今回で九州は打ち止めだが、天候に恵まれ、紅葉や黄葉を存分に味わい、珍しい料理に舌鼓を打ち、歴史と信仰の香り豊かな山々を堪能できて、大満足の山行となった。