関西の未踏の4座の中から今回は奈良県の龍門岳と奈良県と大阪府の県境にある大和葛城山に登ることにした。龍門岳は龍門山地の主峰で、東から西へと尾根が伸びており、特に津風呂湖畔からは秀麗な姿を見
せている。山頂は仙境として代々引き継がれ、古代は祭祀場、中世は高鉾神社の鎮座地、その後龍門城と変わっていき、現在は高鉾神社の本宮である嶽神社の祠が鎮座している。登山コース上にも歴史を刻む史跡や
伝説の地が存在する。また、大和葛城山は金剛山地にあり、奈良県側からはロープウエイを利用して多くの人が訪れる。特に5月のヤマツツジの開花期は山頂がピンクに染まり、ゴンドラは2~3時間待ちとなる。近年、
大阪府によって、二上山から大和葛城山、金剛山、槙尾山に全長50キロのダイヤモンドトレイルという名の縦走路が整備された。
[行程]
2022年5月17日(火)
自宅5:30→6:20新横浜6:39→9:28京都9:45→10:43大和八木10:55→12:11龍門岳登山口12:23→龍門の滝12:31→13:59山頂14:33→15:44龍門の滝15:51→15:58登山口16:05→16:50橿原大和
ホテル【泊】
18日(水)
橿原大和ホテル8:00→8:40大和葛城山ゴンドラ駐車場8:52→北尾根登山口9:00→キャンプ場10:51→10:55山頂12:13→キャンプ場12:15→13:42登山口13:50→橿原神宮→15:20大和八木15:40→
16:25京都16:40→19:20新横浜19:25→20:15自宅
[山行日誌]
今回は1泊2日の行程だが、娘たちには頼まず、二匹のネコ(ナツ、モモ太)だけで留守番、水やエサをたっぷり用意し、早朝出発、京都まで新幹線、その後近
鉄奈良線に乗って、大和八木駅までやって来た。ここでレンタカーを借り、龍門岳の登山口へ向けて車を走らせた。ナビでは登山口まで30分ほどの距離であっ
たが、とんでもない山道に誘導され、右往左往。結局、1時間半近くかかってようやくユーチューブで見たバイオトイレのある登山口に着いた。ここからだとコース
タイムは3時間半ほどなので焦ることはなかったが、やはり12時半出発は遅い。準備をしてすぐに出発。林道を歩き始めた。予報は晴れだが回復が遅れて曇り
空である。すぐにこのコースの唯一の見どころ、龍門の滝が現れた。白い昇龍のように落ちる2段24㍍の滝は見事。久米の仙人窟、平安時代に栄えた龍門寺
跡の横を通り、やがて林道から登山道に入って、急斜面の登りとなる。谷筋を離れしばらく行くと龍門岳山頂である。眺望は全くなく嶽神社の祠が鎮座している
ここで遅い昼食を取り、写真を撮って下山開始。登り返しが全くないので快調に下り、あっという間に龍門の滝。近くまで行って滝音を聞き、写真を撮って、ま
た、下る。16時前に登山口に到着。ヤレヤレである。橿原大和ホテルへ行く途中、石舞台を見学、17時前にホテルに到着した。
夕食は8階のレストランで取った。ようやく晴れてきて、眼前に耳成山、西に畝傍山、遠くに明日登る大和葛城山、以前に登った金剛山がはっきりと見える。夕日が二上山に
沈んでいく様子が美しい。
翌朝は楽な行程。バイキングの朝食をゆっくり食べ、ホテルを8時に出発、大和葛城山のゴンドラ駐車場に着いた。既に民間の駐車場が次々に満車になっている。慌てて
近くの駐車場に入り駐車代1,000円を払う。準備をしてゴンドラ駅の横を歩き、北尾根登山口に入っていく。いきなり急登が続き、汗が噴き出す。天気は快晴、気温は登山に
は暑いくらいである。新緑が眩しい。早くも所々ツツジが現れる。しばらく急登が続いたが、次第に傾斜が緩み歩きやすい道となる。他の登山者と雑談を交わしながら登って
いく。時々丸太の階段が現れる。キャンプ場を過ぎると人が多くなる。右手に山頂の丘が見える。立派な山頂表示板が有り他の登山者と写真を撮り合った。
昼食後山頂のツツジ園を周回する。朱赤色のヤマツツジが山頂を覆っている。多少盛りの時期は過ぎているがなお十分鑑賞に堪えられる。一目百万本と言われるが、よく
ここまで整備したと感心する。1時間近くツツジ園で幸せな時を過ごした後下山にかかる。下山は櫛羅(くじら)コースを選んだ。北尾根コースより1キロほど短いので簡単に
下りられると思ったが、実際には急な階段、傾斜の厳しい狭い道、段差のある道など北尾根よりはるかに大変であった。慎重に足の置き場所を考えながらゆっくり下りてき
た。下から多くの人が登ってきてすれ違う。なぜ北尾根コースではなくこのコースを選ぶのか不思議に思った。14時前にゴンドラ駐車場に到着、着替えて橿原神宮に向か
った。神話上の最初の天皇、神武天皇を祀る神社だが、その広さには驚いた。大和八木でレンタカーを返したところ、使ったガソリンがわずか4リットル、近いところを走り
回った感じだった。
帰りの電車は巡り合わせがよく、近鉄奈良線の急行、新幹線、横浜線、田園都市線と見事につながり、20時過ぎに帰宅できた。
今回の山行は、始めこそ登山口が分からず苦戦したが、その後は龍門岳の急登を何とかこなし、橿原大和ホテルでは美味しいフレンチと素晴らしい夕日を味わい、大和葛城山では満開のヤマツツジを楽しみ、至福の
時を過ごすことができた。
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