以前から気になっていた岐阜県と長野県の県境にある阿寺山地の南木曽岳と奥三界岳だが、Y社のパンフレットを眺めていたところ、6月21日(火)〜23日(金)、南木曽岳、奥三界岳、小秀山を登るツアーを見つけた。
梅雨時で天候が心配だったが、晴れ間を期待して申し込んだ。参加者は10人前後とのことだった。山行5日前に、小秀山の最短ルートである白川林道が7月1日まで使えず、三の谷から登るので、小秀山を2日目奥三界
岳を3日目に登る、という変更の連絡が有り、キャンセル可能だがどうしますか、とのことだった。2日目は休養・観光に充てることにして、このままツアーに参加することにした。
南木曽岳は南アルプスの南西部に位置し、「金時山」とも呼ばれ、古くから信仰の対象の山である。また、山中は木曽五木と言われるヒノキ、サワラ、アスナロ、ネズコ、コウヤマキに覆われている。特にコウヤマキの天
然林は見事である。また、奥三界岳は阿寺山地の南端に位置し、林業が非常に盛んで、林道が縦横無尽に走っているが、御料林のため管理が厳しく、長時間の林道歩きが必須となる。
[行程]
2022年6月21日(火)
自宅6:22→新横浜7:29→8:45名古屋9:00→9:50中津川10:10→10:40南木曽山麓避難小屋10:57→11:24蘭(アララギ)登山口11:31→13:56山頂14:04→14:08山頂避難小屋14:24→14:41摩利支天14:
47→16:34登山道入り口16:36→16:50山麓避難小屋17:15→18:20ルートイン中津川
22日(水)
ルートイン中津川9:00→10:05中津川駅10:15→11:00妻籠12:40→13:10馬籠14:30→15:00中津川駅15:10→15:45ルートイン中津川
23日(木)
ルートイン中津川4:15→4:55夕森公園登山口5:03→5:32銅穴の滝5:37→5:39登山口(下部)5:45→7:57登山口(上部)8:12→10:28奥三界岳山頂10:57→13:12登山口(上部)13:20→15:12登山口(下
部)15:17→15:19銅穴の滝15:20→15:22夕森公園登山口15:45→16:35中津川駅17:10→18:00名古屋駅18:23→19:40新横浜19:50→20:30自宅
[山行日誌]
今まではP社にお世話になることが多かったが今回初めてY社のツアーに参加した。参加者は10名でマイナーな山にしては多いと感じた。名古屋で下車して顔合わせ、
中央線で中津川駅へ向かった。南木曾岳山麓避難小屋の近くで準備をし、薄暗い登山道を歩き始めた。緩やかな道を30分ほど行くと下山道分岐に到着。一休み後、金
時の洞窟、喉の滝を通り過ぎるころ雨が降り出し、雨具を身に着ける。ここら辺りから登山道が急となり、また、丸太階段、クサリ場、桟橋、岩場が現れる。雨で非常に滑り
やすくなっているので、一歩一歩慎重に歩を進める。気温は高く汗が噴き出てくる。尾根筋を左から回り込むようにして樹林帯の中の山頂に到着。展望は全くない。一休み
して少し登り、山頂避難小屋で大休止。赤い屋根のササに囲まれた避難小屋で、そのたたずまいは安平路山の避難小屋にそっくりだった。
雨は強くなったり弱くなったりだったが決して止むことはなかった。
下山は行きに増してさらに注意が必要だった。滑りやすい丸太の階段、、岩も濡れて滑りやすくなっている。注意深く足の置き場所を確かめながら下りていく。途
中、摩利支天の展望台はパス、粘り強く歩を進め17時前に避難小屋に戻ってきた。宿のルートイン中津川には18時過ぎに着いた。
翌朝はゆっくり起きて朝食を食べ、その後30分ほど歩いて中津川駅に行く。翌日の特急券を購入し、レンタカーを借り、妻籠へ向かう。妻籠では保存された古い街並みを散
歩、脇本陣の奥谷旅館を見学、その後馬籠に向かう。雨がずっと降っている中、馬籠の旧街道を歩く。両側にお洒落なお土産屋や蕎麦屋が立ち並ぶ。1時間ほど散歩したり
ソバを食べたりした後、ホテルに戻り明日に備えた。
翌朝は4時15分集合、国道19号から奥三界山の登山口、夕森公園に向かった。5時前に到着、準備を整え、舗装された林道を歩き始めた。天気は曇りだが時々日が差
している。雨が落ちてこずラッキーだ。すぐに銅穴(どうこ)の滝が見えてくる。水量豊富で赤茶けた岩の上を滑ってくる。一端下って不安定な吊橋を渡ると急登が始まる。
道が狭く歩きづらい。
しばらく行くと今度は未舗装の林道に出る。白や青のコアジサイが道の両側に咲いている。この林道はほぼ真っ平、皆おしゃべりを楽しんでいる。さらに行くと今度はもう
一つの登山口(上部)の表示が現れる。ここら辺りの道をよく見ると舗装された跡がある。さらに上の作業小屋まで一部コンクリートが敷いてあった。歩進めると岩のガ
レ沢がしばらく続き、その先は暗い森。足元は湿地帯、登山靴が潜ってしまうほど。水芭蕉の大きな葉が目につく。その先にようやく山頂展望台が視界に入ってきた。約5
時間半の道程だった。唯、ガスがかかり展望はゼロだった。こんな近くにいて御嶽山が全く見えないのは残念だ。
昼食を取った後下山にかかる。下りの長い道のりを考えると気が遠くなるが、千里の道も一歩から、黙々と下る。暗い森、ガレ沢、林道、急降下を抜けて夕森公園まで戻
ってきた。実に10時間半に及ぶ行程であった。
妻と二人で行けるかなと迷ったが、今こうして登り終えてみると、ツアーに乗ったのは正解と感じている。南木曽岳はともかく奥三界岳の距離の長さは一筋縄ではいかなか
ったろう。