今年(2022年)の梅雨は3週間ほどで6月中に終わってしまい、登山シーズンの到来と思いきや、その後「戻り梅雨」とか「返り梅雨」で逆戻り、安定しない時期が続いた。北アルプスの唐松岳が残っていたので、気象ア
プリ「登山天気」と「天気と暮らす」とにらめっこ、ようやく7月20日(水)〜21日(木)に晴れ間を見つけた。唯、これも綱渡り、20日は晴れだが強風でC、21日は夕方から雨の予報、それならば登山口の八方池山荘に前日
宿泊、当日朝早くから行動開始、雨が落ちる前に下山、という日程を考え、八方池山荘に宿泊を申し込んだ。
唐松岳は初心者にとって北アルプス入門の山と言われ、ゴンドラやリフトを利用し、山頂の唐松山荘を利用すれば、比較的容易に登ることができる。山麓には白馬八方スキー場が有り、多くのスキー客が訪れる。
[行程]
2022年7月20日(水)
自宅9:00→練馬IC→関越道・上信越道→長野IC→13:40白馬八方14:00→ゴンドラ・リフト→15:00八方池山荘
21日(木)
八方池山荘5:40→6:17八方山6:28→唐松山荘9:16→9:32唐松岳10:12→10:25唐松山荘10:50→八方池12:40→13:27八方山13:28→14:03八方池山荘14:30→ゴンドラ・リフト→八方15:20→長野IC→調布IC→
20:35自宅
[山行日誌]
八方池山荘から16時までにゴンドラに乗るように言われ、9時に出発、関越道、上信越道を乗り継いで、長野で下車、オリンピックのジャンプ台の近くを通って、八方には14
時に到着、ゴンドラとリフトで八方池山荘には15時に着いた。天気は晴れ、だが風が強い。後から聞いた話だが、この日に登った登山者はガスで山頂の視界ゼロ、突風で
吹き飛ばされそうだった、とのこと。登山アプリの正確さに感心した。白馬三山や不帰の険はガスの中だが、五龍や鹿島槍は良く見える。コロナのため寝袋持参で、12人
部屋に我々夫婦ともう1人であった。食事も他の方と距離を取りながら食べる。翌日は晴れ、4時45分に日の出。高妻山と乙妻山の間に上る朝日を見た。5時からの朝食を
素早く済ませ、6時前に出発、八方山に向かった。
昨日見えなかった白馬三山(槍、杓子、本峰)が手に取るよう。不帰(かえらず)ノ険も1峰、2峰、3峰がくっきり。まずは八方山の山頂を目指す。五龍や鹿島槍が近い。好
天のせいか多くの登山客が歩いている。道はなだらかで歩きやすい。やがて前方に八方池が見えてくる。八方池は帰りに寄ることにして先を急ぐ。午前中は大丈夫だが午
後から降水確率は30パーセント。15時からは60%である。チングルマ、雪割草、クガイソウ、立山ウツボグサ、コバイケイソウなどが登山道わきに咲き誇っている。樹林帯
に入っていく。下ノ樺、上ノ樺、扇雪渓を過ぎてしばらく行くと、ドーム状の頂に立つ丸山ケルンに着く。不帰ノ険の深い谷が雪を頂いて山麓まで伸びている。険しい岩稜を
慎重に詰めていくと主稜線に飛び出し、黒部側の展望が開ける。唐松山荘が直下に見える。砂礫とハイマツの道を通って唐松岳山頂に到着。360度の展望が開けている。
劒、立山、白馬、雨飾山、火打や妙高などの頚城山塊、浅間山が一望である。しばらく展望や他の登山者と会話を楽しんだ後、下山開始。折角なので唐松山荘でコーヒー
を飲み、岩稜帯を下っていくと、突然目の前にライチョウの親子連れが現れて砂浴びを始めた。母親が3匹の子供たちに砂浴びのやり方を教えているようだ。次々と下りて
くる登山者や上ってくる登山者が足を止め写真を撮る。一帯に和やかな雰囲気が広がり、10人ほどが談笑の輪を作る。私たちも20分ほど立ち止まって砂浴びを邪魔しな
いように見守った。ライチョウが谷筋へ降りていくのを見届けた後、また、下山開始。次から次と登山者が登ってくる。皆、唐松山荘に泊まるようだ。この頃から天気が悪く
なりガスが周囲を覆い始める。八方池に寄り道をしたが何も見えない。八方山を越え、八方池山荘には14時過ぎに到着した。預けた荷物を回収し、リフトに乗る頃には雨
がポツリと落ち始めた。天気アプリ「登山天気」の予想の正確さに改めて脱帽である。ゴンドラ下は本格的な雨。帰りは慎重に運転し、20時過ぎに帰宅した。
今回の登山は、悪天候の合間を縫ってのものだったが、北アルプスの残雪の山々を眺め、満開の高山植物を愛で、ライチョウの砂浴びショウまで楽しめて、印象に残る山行となった。
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