アサヨ峰(2799m)






  巷では相変わらずコロナが猛威を振るっている。現在はオミクロン株のBA5が主流で雑魚寝の山小屋泊は躊躇があったが、ワクチン接種4回目が完了し重症化は防げるということで、以前申し込んでいたY社の「ア

 サヨ峰ゆったりプラン」に妻と一緒に参加することにした。この珍しい山名は、朝日がよく当たるということで朝日峰と名付けられたが、日の横棒が一本抜けてカタカナのヨとなって、朝も片仮名のアサとなったとの説がある

 が、詳細は不明である。鳳凰三山と甲斐駒ヶ岳を結ぶ早川尾根に位置し、その展望の良さでやって来る人も多い。特に歌手の宇多田ヒカルが某飲料メーカーのCMに出演し、途中の栗沢山山頂で叫ぶシーンが評判とな

 り、登山者が増えているとのことだ。

 [行程]

       2022年8月10日(水)

       自宅6:35→立川7:52→9:51茅野10:35→11:45仙流荘12:10→13:05北沢峠→14:06仙水小屋泊

               11日(木)

       仙水小屋5:00→5:36仙水峠5:51→7:08栗沢山7:51→8:49アサヨ峰9:42→10:49栗沢山11:25→13:09北沢峠13:30→14:30仙流荘17:00→茅野17:09→19:50立川20:10→21:05自宅




[山行日誌]

 中央線の茅野駅集合ということで南武線経由で立川から特急「あずさ3号」に乗り、茅野で下車し集合場所に行ってみると、ガイド1名、添乗員1名、女性参加者10名、男

 性参加者3名、計15名の大パーティー。
仙流荘まで1時間強、JR関東のバスに乗り仙流荘には昼前に着いた。ここまで乗用車も入れるので駐車場はほぼ一杯。後で

 聞いた話では、広河原から北沢峠へ行く道路が不通で戸台側に集中しているとのことだ。
仙流荘からマイクロバスに乗り約1時間、以前に登った鋸ケ岳の険しい岩壁を眺

 めているうちに北沢峠に到着。懐かしい。約20年前甲斐駒と仙丈に登りにやって来た。あの時は甲府からタクシーで広河
原に入り、マイクロで北沢峠にやって来た。

 「こもれび山荘」など幾つか新しい建物ができているが、ほぼ以前と変わらず、老若男女の登山者が行き交っている。




 準備を整えて本日の宿泊場所、仙水小屋に向けて歩き出した。ガイドさんの話では4年前の豪雨で道が荒れていたが、今はよく整備されているとのことだ。あっという間に

 仙水小屋に到着。部屋割り後4時から夕食。
沢音を聞き、ビールを飲み、おしゃべりをしながら、アウトドアでの夕食会。山ならではの楽しいひと時を過ごした。5時には布

 団に入ったがすぐに「いびき」の強襲。昔、燕山荘や五龍小屋で一晩眠れぬ夜を過ごしたが
その時以来の響き渡り。明日の行程を考えれば寝不足は命とり。焦れば焦る

 ほど眠れない。12時までこの調子で過ごしたが、その後気が付いてみれば3時。どうも焦り疲れて眠ったらしい。ガイドさんが「皆さん、眠れなかったでしょう」と口火を切る

 と、当人は「いびきをかきましたか」と本気で言うので、私も含めて同室の人達がいびきの様子を描写する。「耳栓が役に立たない、部屋が震えていた」 本人の謝罪で一

 件落着。山はお互い様。


 翌朝4時に朝食、5時に出発。仙水峠を目指す。天気は晴れ。山頂からの眺望が楽しみ。樹林帯から露岩帯に入ると間もなく仙水峠。ここから栗沢山までは急登の連続。

 すぐ近くには甲斐駒の白い山塊が聳えている。
大汗をかいてようやく栗沢山到着。ここからはまさに360度の展望。北に甲斐駒、八ヶ岳、東に鳳凰三山、南に北岳、間ノ

 岳、塩見岳、西に仙丈、その向こうに木曽駒などの中央アルプス、その更に向こうに御岳。給水
も忘れて見入ってしまう。たっぷり休憩した後アサヨ峰に向かう。一端大きく

 下りまた登る。大岩の上や間を慎重に進む。ストックが役に立つ。ガイドさんからはダブルストックは危険との話が有ったが、妻も私も30年来のダ
ブルストックの愛好者。

 危
険な岩場ではストックはしまうが、それ以外は重宝している。特に膝に痛みがあるものにとっては無くてはならない必需品。登りでは推進力、下りでは緩衝材となる。





 アサヨ峰の直下にやって来る。40度ぐらいの勾配に見える。ここではストックを収納、両手を使って一歩一歩よじ登る。9時前に山頂到着。雲が出てきたが視界良好、展望

 の良さに時間の経つのを忘れる。ここでもたっ
ぷり休憩。約1時間後に栗沢山に向かう。途中に置いておいたザックを回収し、栗沢山から今度は北沢峠直通のルートで下

 山。急で長い道だが歩きやすい。ツアーメンバーと次の登山の予定を話したり、世間話をしながら下っていく。


 13時過ぎに北沢峠に到着、マイクロに乗って仙流荘まで行き、ここの温泉で汗を流して17時のJRバスで茅野、自宅には21時過ぎに戻ってきた。

 今回の登山は好天に恵まれ、久し振りに北岳、甲斐駒、仙丈など南アルプスの雄峰を思う存分に味わい、幸せな時間を過ごすことができた。そしてまた、夫婦で初めて

 ツアーを利用したが、チケットや山小屋の手配
など至れり尽くせりの対応で、安心して登山に専念できた。ツアーメンバーとの様々な経験談も楽しく、とても印象に残る山

 行となった。




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