茶臼岳(2604m)

 

  6年前に二百名山の上河内岳(2803m)に登った際にパスした茶臼岳に登ることにした。あの時は横窪沢小屋に2泊し、上河内岳に登ることがメーンだったが、できれば茶臼岳も登りたかった。上河内岳から横窪沢小屋

に戻る際、30分ほど足を延ばせば茶臼岳に登ることが可能であったが、稜線上に凄まじい風が吹いていてとても行けそうになかったので仕方がないことだった。今回、そのリベンジも兼ねて友人を誘い茶臼岳を目指した。

今回はコロナの影響もあったのか横窪沢小屋が閉鎖され、避難小屋としての利用に限られたため、前回とは異なり畑薙大橋から茶臼小屋まで一気に登らざるを得ない。

 茶臼岳は聖岳方面から光岳に向かう稜線上に位置
し、赤石温泉「白樺荘」辺りから眺めると、山頂がなだらかな茶臼状の地味な山である。


 [行程]
          2023年7月14日(金)

        自宅8:45→9:35新横浜10:21→11:05静岡12:10→16:15赤石温泉「白樺荘」泊

                15日(土)

        「白樺荘」6:50→7:10沼平7:35→8:18畑薙大橋茶臼岳登山口8:25→9:02ヤレヤレ峠9:12→10:19ウソッコ沢小屋10:34→12:04横窪沢小屋12:35→14:45茶臼小屋

                 16日(日)

       茶臼小屋5:38→6:04茶臼岳6:32→7:00茶臼小屋7:40→9:25横窪沢小屋9:39→11:00ウソッコ沢小屋11:12→12:18ヤレヤレ峠12:26→12:56畑薙大橋茶臼岳登山口13:01→13:35沼平13:40→13:50白樺荘

       14:30→17:40静岡18:41→19:24新横浜19:30→20:30自宅

 [山行日誌]

 友人とは新幹線車中で合流し、静岡駅で下車、レンタカーで赤石温泉「白樺荘」に向かった。天気は曇りだが、翌日の土曜日からは天気アプリ「登山天気」では晴れ、梅雨

 明け宣言が予想された。途中、買い物をしな
がら「白樺荘」には16時前に到着したが、翌日のため沼平を下見、16時半ごろ「白樺荘」に入った。ヌルヌルの湯の温泉に

 浸かり、翌日への英気を養い、たっぷり睡眠時間を取って、翌朝、7時前に出発
した。畑薙ダム近くの沼平の駐車場は予想通り満杯であったが、

 何とかスペースを見つけ駐車した。天気は小雨混じり、スパッツ、雨具ズボンを着けて歩き始める。
40分ちょっとで畑薙大橋茶
臼岳登山口に到着、全長1

 81メートル、高さ30メートルの長い橋を渡って本格的な登山開始。







   まずは急登、トラバース、30分ほどでヤレヤレ峠到着。雨でぬかるんでいて滑りやすいが、日が当たらず涼しくてありがたい。ここから急降下、沢に下り、今度は沢
に沿

 っ
て登っていく。間もなくウソッコ沢小屋。無人の避難小屋である。案内表示板には横窪沢小屋まで1,1キロ,150分と書いてある。通常、山では1キロ40分ぐらいなので、と

 んでもない急登である。ここら辺りウソッコ沢
上河内沢、横窪沢と沢が入り組んでいて流れが急だ。今日は体調がいまいち、身体が重くなかなか足が前に出ない。自らを

 奮い立たせて一歩一歩進んでいく。「中の段」を過ぎ、横窪峠に登ると懐かしい小屋が見えてくる。危うい橋
を渡って横窪沢小屋に到着。数名の登山者がベンチで休んでい

 る。6年前と建物は変わらないが草がぼうぼう、手入れ不足。主のいない山小屋は寂しい。一休み後茶臼小屋へ向けて出発。相変わらず急登が続く。調
子が上がらず同行

 者についていくのが精一杯。天気は曇り、涼しくてありがたい。樹林帯の中の道が続く。「樺段」を過ぎようやく先が見えてくる。





  森林限界を抜け木立の背が低くなってようやく茶臼小屋の赤い建物が白い
ガスの中に浮かび上がる。風が強く慌てて中へ入って受付を済ませ部屋に入る。コロナで定員を抑

 えているので、一人一人のスペースはゆったりしていてありがたい。ビールで乾杯。食事の提供は無くカップラーメンを購
入して済ます。明け方まで強風が小屋を揺らしていた。

  翌朝、ガスが立ち込め、小雨模様。空身で茶臼岳山頂を目指す。稜線は風が吹きすさび、ガスが濃い。何とか山頂を目指して進み、約30分で岩場の上の山頂に
到着。南

 アルプスの山々の特徴ある山頂掲示板の前で写真を撮り、すぐに引き返す。タカネツツジ、サラサドウダンツツジ、ハクサンシャクナゲが咲いている。小屋には7時に戻ってきて

 自炊室で昨日の残り物で朝食。
飲み物を補充して下山開始。ガスがかなり薄くなってきた。急降下だがリズムよく下りられる。思わず昨日の辛さはいったい何だったんだろうと

 自問自答。下から次から次へと登山者が上がってくる。ほとんどが光岳を目
指すようだ。横窪沢小屋まで一気に下山。一休み後今度は横窪峠まで登り、また急降下。「中の段」

 通過。ここの下りが最もきつい。小休止後、ヤレヤレ峠まで登り返し。まさにヤレヤレである。小休止後アップダウンを繰
り返しながら畑薙山(?)をトラバース。畑薙大橋まで下

 りてくる。涼風を浴びながら橋を慎重に渡り、車道を40分歩いて沼平に到着。茶臼小屋から約6時間かかった。


  帰りは「白樺荘」で汗を流し、昼食を摂り、静岡までドライブ。天気は夏空、熱風が襲ってくる。静岡駅で乾杯した後19時前の新幹線で帰宅した。

  今回の登山は6年前にやり残したことを仕上げるものであったが、体力の衰えや横窪沢小屋の閉鎖もあり、茶臼岳までの登りは今までに経験のないほど厳しいものとなった。何とか茶臼岳登頂という目的を達成できた

 のは同行した友人のお陰であり、どんなに感謝しても感謝しきれない。また、稜線までの高い壁のような山道を、辛さに耐えながら次から次へと登ってくる同年齢ぐらいの登山者の姿を見て、自分の限界をさらに広げなけ

 ればと思った。

  

               


 
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