今回の登山の目的地はニセコアンヌプリ、3年前の忘れ物を取りに行く気分である。というのは、3年前の2020年7月、北海道の残っている三百名山を仕上げるつもりで、7月1日〜6日の5泊6日の予定を組み、ニ
セイカウシュッペ、オプタテシケ、余市岳、狩場山までは順調に来たが、狩場山の下山で道を間違え、真駒内登山口に下りてしまい、その日宿泊予定の五色温泉には泊まれなくなった。その夜は熊戻休憩所という避難小
屋で夜を過ごし、翌朝10キロ歩いてようやくタクシーに迎えに来てもらって、車を置いた千走川(ちはせがわ)登山口まで行き、ニセコアンヌプリは登らずそのまま新千歳から帰宅した。
ニセコアンヌプリはアイヌ語で「断崖に向かってある山」と言う意味で、台地上の溶岩流で覆われている。山スキーの聖地と言われ、そのパウダースノーは欧米やオーストラリアからのスキーヤーに絶大な人気がある。
登山コースは五色温泉コース、ゴンドラを利用するニセコグラン・ヒラフコース、そして鏡沼コースなどが有る。
[行程]
2023年8月2日(水)
自宅4:45→5:30羽田空港6:25→8:05新千歳空港9:00→11:30五色温泉12:00→12:50展望台12:57→13:48ニセコアンヌプリ山頂15:00→15:45展望台15:48→16:40五色温泉泊
3日(木)
五色温泉8:30→11:30札幌14:50→16:20新千歳空港18:30→20:05羽田空港20:35→21:30自宅
[登山日誌]
久しぶりに朝一の飛行機に乗ったがほぼ満席、北海道人気にびっくりした。新千歳空港でレンタカーを借り、苫小牧から支笏湖横を通り、羊蹄山の麓を通って、五色温泉に
は正午前に到着した。元々ニセコアンヌプリは翌日登るつもりでいたが、登山天気のアプリ「登山天気」で翌日はD、本日はBなので、無理をして本日中に登ることにした。
3時間ほどのコースで昼までに登山口に着ければと思っていたので、上々の出足である。
早速準備をして歩き始める。天候は晴れ、登山道はダケカンバの林を登っていく。直射日光の当たる場所は暑いが日陰は涼しい風が吹いている。ササの刈り払いをやって
いるようで登山道にササが散乱している。
大きな石がゴロゴロしていて意外に歩くにくい。唯、傾斜はそれほどないので息が弾むことはない。隣に聳えるイワオヌプリの白い岩肌が興味深い。後で調べるとやはり硫
黄の噴出物のせいのようだ。やがてケルンの積まれた展望台にやって来る。給水をしてさらに進んでいくと展望の良い平坦地が拡がっている。この辺り高山植物のハイオト
ギリ、ママハハコ、コアジサイ、ミヤマアキノキリンソウなどが陽ざしを一杯に浴びて咲き誇っている。残り500bの表示が現れ、傾斜が急になってくる。大きくなった岩を右
に左に交わしながら行くと頂上稜線に達し、緩やかに山頂まで続いている。広い裸地の山頂には避難小屋、観測所の遺構などがある。東に見える羊蹄山は山頂部が雲に
隠れ、洞爺湖や有珠山、西の日本海などはガスがかかり見えない。他に登山者はおらずのんびりと山頂で休息。ザックを置いて南峰に行ってみる。10分程で到着。
ここからはゴンドラの山頂駅やニセコヒラフのゲレンデがよく見えている。結局山頂で1時間以上過ごし、15時に下山開始。登り返しもないので一気に下山、登山口近くの
五色温泉に行って、まずは汗を流し、美味しいご飯に舌鼓を打って完食。天候は急速に悪化、Tシャツでは寒いくらいの気温で、今日、登ったのは大正解。翌日は札幌の親
類に寄り、その後新千歳空港で早い便に変更、18時30分の便に乗り、自宅には21時過ぎに到着した。
今回の登山は、素朴な雰囲気の五色温泉を起点にニセコアンヌプリを往復、北の国の登山を楽しめた。数多くの高山植物、イワオヌプリの白い山肌も印象に残っている。