既に登った山は299座、残り2座となって、私にとっての3冊目の本となる「日本三百名山」の出版に備えて写真の整理を始めたが、昔、登ったはずの奥多摩の三頭山の写真がどこにも見つからない。登ったのは恐ら
く数十年前で紛失も止む得ない。妻も同様で職場の同僚と登ったらしいのだが、写真は見つからないとのことだ。そこでもう一度登ることにした。今年、大学に合格して鳥取から上京し、登山に興味を持っている叔母の孫
も一緒に連れていくことにした。
三頭山は大岳山、御前山と共に「奥多摩三山」に数えられ、その最高峰である。東峰、中央峰、西峰の3つのピークから成ることが山名の由来と言われている。1973年に奥多摩町と檜原村(ひのはらむら)を奥多摩
周遊道路が完成、また、89年には「都民の森」として整備され、登山の初心者や家族連れで賑わっている。
[行程]
自宅7:10→東名川崎IC→圏央道→中央道→上野原IC→9:15「都民の森」駐車場9:40→森林館9:51→三頭大滝10:27→ムシカリ峠11:29→11:47西峰12:45→中央峰12:48→東峰12:56→14:14鞘口(さいぐち)峠
14:19→14:25森林館15:00→15:10駐車場15:15→上野原IC→中央道調布IC→19:10自宅
[登山日誌]
自宅近くの駅で叔母の孫をピックアップ、東名、圏央道、中央道を走り、上野原ICで下り、一般道を1時間ほど走って「都民の森」駐車場に着いた。100台ほど入れる駐車だ
がほぼ満杯、危うく800メートル離れた第2駐車場に回されるところだった。紅葉真っ盛り、青空が拡がり気温も10度前後絶好の登山日和で、大勢の登山者が殺到したよう
だ。早速準備を整え出発、森林館からウッドチップの歩きやすい道を登っていく。我々も8月の鉢盛山以来の山行で心が浮き浮きする。やがて三頭大滝。滝見橋が架かって
いて近くまで行ける。本当に整備が行き届いている。しばらく三頭沢に沿った道を上がって行くとムシカリ峠に到着。
ここから急登15分で三頭山山頂(西峰)。雪を被った富士山が真ん前に見え、大勢の人たちが昼食を摂ったり写真を撮ったりしている。かなり広い山頂だが座る場所を
見つけるのに一苦労。昼食後久し振りに山座同定を楽しむ。富士山の近くには御正体山、三ツ峠山、反対方向には雲取山、御前山、大岳山など以前に登った山が見える。
たっぷり1時間ほど休息した下山にかかる。
すぐに最高峰の中央峰、続いて東峰。相変わらずすれ違う人が多い。「ブナの路」と呼ばれ、両側にはブナの小木が並ぶ。今年5月に登った鳥取の扇ノ山を思い出す。「ブ
ナの回廊」と名付けられ、ブナの成木が登山道を緑で覆いつくしていた。数十年後にはこの地も春には緑の回廊、秋には黄葉の回廊となるだろう。なだらかな道と急降下の
道が交互に現れ、落ち葉の絨毯を慎重に下り、やがて鞘口峠に到着。ここからは森林館まで450mほど。森林館にはレストランが有りここで一休みした後、15時過ぎに駐
車場に戻ってきた。帰路はやはり小仏トンネルで渋滞に引っかかったが1時間ほどで通過、さらに国立・府中IC付近で更に1時間かかったが、自宅には19時過ぎに帰ること
ができた。久し振りの山行で多少疲労は有ったが、紅葉の彩(いろどり)の真っただ中、新鮮な空気を吸い、澄んだ沢音を聞き、多くの人達と挨拶を交わし、とても素晴らし
い時間を過ごすことができた。