上河内岳(2803m)




                           今年は5月に御在所ケ岳、妙義山、大無間山、6月に安平路山、7月に笊ヶ岳に登った。今年6座目、そして南アルプス最後の山は上河内岳である。

                        日程については色々検討したが、今回は畑薙大橋と茶臼小屋のほぼ中間にある横窪沢小屋に2泊して、のんびり南アルプス最後の山を楽しもうと考えた。

                        上河内岳は標高はかなりあるが、やはり聖岳登山やそこからの赤石岳や悪沢岳への縦走の途中に寄る山で、上河内岳だけを目標に来る登山者は非常に少ないと思われる。

                        唯、笊ヶ岳から見た上河内岳は、聖岳や赤石岳に負けない位のピラミダブルな堂々とした山容であって、二百名山に選ばれたのも不思議ではないと思った。

                        [行程]

                       2017年7月22日(土) 


                       自宅5:15→国立・府中IC6:00→新静岡IC9:00→沼平登山補導所11:30→畑薙ダムゲート11:44→畑薙大橋12:05→ヤレヤレ峠13:04→ウソッコ沢小屋13:56→15:45横窪沢小屋泊

                             23日(日)

                       横窪沢小屋6:00→樺段7:35→茶臼小屋8:37→茶臼岳分岐8:50→10:55山頂11:15→13:30茶臼小屋14:02→樺段14:35→15:37横窪沢小屋泊

                             24日(月)

                       横窪沢小屋6:30→ヤレヤレ峠8::53→畑薙大橋9:25→ゲート10:10→新東名静岡IC12:10→東名川崎IC→15:30自宅                    






 [登山日誌]

いつものように近道を通って国立・府中のインターから中央高速に入ったが、妻に「今日は東名ではなかったの?」と言われ、

初めて気がついた。新東名から新静岡に入る事にな
っていた。唯、有り難い事に、中央高速から東名に入るバイバスが出来

ていて、途中から東名の厚木ICに入る事が出来、30分ほどのロスで済んだ。
新静岡ICから県道65号線、別名南アルプス公

園線に入るのだが、この道は約60キロ近くあり、すれ違いもままならない箇所も幾つかあったが、何とか沼平登山補導所を経

て、ゲー
ト前に12時前に着く事が出来た。そこに1日2便しかない観光案内所のバスがちょうど来て、歩かずに畑薙大橋まで来

れた。まだ12時5分、ほぼ予定通りで、とてもラッキーだと思った。

                





                 畑薙大橋の名前は良く聞くが、実際に渡るのは今回が初めてである。畑薙湖は水不足らしく橋の下にはほとんど水がな

               い。全長128bで、真ん中に来ると揺れて怖いが、頑丈に出
来ているので心配は全く無い。渡った後は急登が始まり、一

               汗かいたところがヤレヤレ峠。ここから道が水平か緩い下りになってウソッコ沢小屋に到着。まだ余力があり休まず急登


                に挑む。1,1キロを約2時間のタイムで、急登の連続だ。2時間弱で今日の宿泊地横窪沢小屋にやって来た。ここは管理

               人一人で切り盛りしていて、ネット上では非常に評判が
よい。早速挨拶に行ったが、予約無しで来た事を穏やかに責めら

               れた。ネットに要予約と書かれていたのを見逃したのだが、この頃は予約をするのが常識だと何度も言われた。これ
         
                からは気をつけないと。

                        






本日の宿泊者はツアーの7人とそれ以外の5人の計12人。管理人さんの人柄もあり、和気あいあいと食事が進む。食後には

スイカのデザートも出て大満足。食後何人かと管理人さん
を囲んでおしゃべり。あっという間に時間が過ぎて8時消灯。天気

予報は明日の好天を告げていた。
夜中、北斗七星や天の川が見えた。朝の天気予報を見ると、1日中曇りとなっていた。23

日を境に天気は一変し、それまでの梅雨空け10日の好天は終わり、長野県や静岡県のどこの
も、雨模様に変わっていた。

小屋傍の茶臼岳へ向かう登山道は急登から始まる。しばらく辛抱して登っていくと、展望台にやってくる。そこは大無間山の

展望台で、先日登った小無間から大無間の稜線がはっきりと
見える。雨がポツポツ落ちてきたが、樹林帯なので構わず登っ

ていき、中間の樺段を過ぎると、間もなく茶臼小屋に到着。樹林帯が終わり、大粒の雨が落ちてきて雨具の上衣を着ける。

                





                下りてきた登山者が、稜線はすごい風が吹いているので気をつけて、と声を掛けてくる。確かに稜線に出ると、凄まじい

                風と時折叩きつけるような雨が歓迎してくれる。ガスが一面を覆い、
何も見えない。唯、日曜日なので聖岳方面からやっ

                て来る登山者は多く、心強い。コースを見失わないように注意を足下に集中する。奇岩竹内門を過ぎ、ようやく鞍部の樹

                林帯に入って
行くと、全く風が止み、亀甲状土が現れる。ここで一息入れ、体勢を整える。穏やかな雰囲気も直ぐ終わり

                再びガスの立ち込めた稜線に出る。傾斜が厳しくなり、岩峰が行く手を阻む。
岩の間を縫って進むと上河内岳の肩に着

                く。ここで山小屋で一緒だった女性と再会。携帯がここだけ繋がるとの事だ。ここから15分ほど登ると上河内岳山頂。石

                が飛んでくるような強風の中で、
セルフで写真を撮って、長居は無用で直ぐに下山にかかる。相変わらずガスの中、視

                界はゼロ。さっさと歩き、2時間ほどで茶臼小屋。コーヒーを注文し、自炊室で食事をしていた
カップルと話し込む。

                     




帰りは速い。登り返しは全くないので、樹林帯をズンズンと下りていく。1時間半ほどで横窪沢小屋に着いて、一休み。

女性二人連れが今夜の相宿のようだ。
夕食後、昨日と同じくスイカを出して頂き、その後おしゃべりタイム。8時に消灯、

ぐっすりと眠れた。


翌日は帰るだけなので、ゆっくり朝食を食べ、管理人さんと記念写真を撮って、横窪沢小屋をあとにした。雨の予報で

あったが高曇りで時々日も差している。滑りやすいところが幾つか有る
ので慎重に下り、2時間半ほどでヤレヤレ峠、吊

り橋を渡って、ゲートには10時過ぎに到着。白樺荘で温泉に入る予定であったが、知らずに通り越してしまい、そのまま

新東名新静岡に乗って、
一気に家まで帰ってきた。最後の南アルプスということでのんびり横窪沢小屋に2泊し、管理人

さんと話も弾み、有終の美を飾る事が出来た。



                 
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