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 最高裁は、この4月8日に再審請求人奥西勝さんの再審請求特別抗告申立(いわゆる「名張毒ぶどう酒事件」で第6次請求)を不当にも棄却した。
 最高裁は、奥西さんには犯行機会がなかったことを示す新証拠(元名張署長が事件当時ノートに記録した事件メモでいわゆる「中西ノート」)について、何ら詳細な検討を加えることなく、坂峰富子から直接聞き取ったものではなく、他の捜査官からの伝聞に過ぎないとして証拠価値は乏しいと決めつけたうえ、坂峰富子の供述が一貫していることや坂峰富子の供述が他の関係者らの供述とも一致することを上げて、新証拠である中西ノートを考慮しても、坂峰富子の供述は何ら減殺されるべきではないと独断している。
 関係者らの供述には矛盾が多く、津地裁の無罪判決においても「関係者らの供述の変遷」は「検察官の並々ならぬ努力の賜」と厳しく批判していたものである。
 弁護団や私たち支援者は、検察官がその存在を認めている未提出証拠の開示こそ、事件の真相を明らかにするものとして、最高裁に証拠開示を求めてきたが、最高裁は弁護団や私たちの求めを全く無視して今回の決定を下したものである。
 再審事件において、取調べ段階で収集された証拠のすべてを開示して真相を究明することは、死刑囚が再審で死刑台から生還した過去の幾つかの事例からして、重要であることはいまさらいうまでもない。
 しかしながら、最高裁は、自らの「誤判」が国民の前にさらされることを恐れて、過去の事例を闇に葬り、結局、国民の求める公平な裁判からほど遠い判断を下したものと厳しく批判せざるを得ない。
 奥西勝さんは、名古屋拘置所の独房の中から無実を叫び続けており、この棄却決定に対しても、一歩たりともひるむことなく、無実を勝ちとるまでたたかうことを強く決意している。
 私たちは、この不屈のたたかいに共感するとともに奥西さんが無罪を勝ちとるまで支援することを決意するものである。
 また、真実を闇から闇に葬り去ろうとする者に対し強い憤りを覚えるものであるが、最高裁が真に国民の人権の砦となるまで、全力でたたかうことをあらためて決意するものである。

2002年4月10日
えん罪名張毒ぶどう酒事件の再審を勝ち取り
奥西勝さんを死刑台から取り戻す全国ネットワーク
運営委員長  宇佐美 大司



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