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ぺち様より
エンチャンターの設定と その作品を いただきました


夢現ゆめうつつを彷徨えし者”デ・ソノー

ソノーのマジックアイテムにまつわる話は、
序章、眠り枕、覗き鏡、夢の扉、追憶の額冠、終章
の全6編からなる詩によって伝えられています。
『伝承知識』の目標値ですが、
1編それぞれ単体については12で、
6編全てを全体で思い出す場合は14です。

夢現ゆめうつつを彷徨えし者』
伝承知識(目標値14、1編それぞれ単体では12)

 夜毎小人が砂を撒く
 砂が導く眠りの泉
 泉に映るは夢の世界
 映るは未来か思い出か
 御伽の舞台か我が街か
 男は夢に魅せられた
 泉へいざなう不思議な枕
 一夜の旅を安らかに
 夢への旅路は幾度となれど
 辿り着くのは深き底
 男はおもてついぞ見えず
 泉を映す不思議な鏡
 鏡に向かいしその者の
 泉を皆に見せ賜う
 未完の鏡は牙を剥き
 男は妻を失った
 泉に溶け込む不思議な扉
 扉をくぐりて舞台へ降りる
 お客は主役に早変わり
 夢と現を彷徨さまよう扉
 男は夢を叶えたり
 泉を選ぶ不思議な冠
 過去の数多あまたの思い出を
 思い出しては泉に映す
 映すは優しき妻の顔
 男は夜毎妻に逢う
 夜毎逢瀬を重ねども
 心の隙間は埋められず
 枕を抱いて冠はめて
 鍵を携え扉へ向かう
 向かうは愛しき妻待つ泉
 男は泉に消え果てた

『カーム・スリーパー』
鑑定の目標値=14
魔力付与者=”夢現ゆめうつつを彷徨えし者”デ・ソノー ほか
基本取引価格=6,400ガメル
形状=綺麗な装飾の施された薄紫色の枕
魔力=この枕で寝た者を6時間の間、完全に熟睡させる。
説明=
見た目には綺麗な装飾の施された普通の枕ですが、 この枕を頭に敷いて寝た者は強烈な睡魔に襲われ、即座に眠りに落ちます。
この睡魔に抵抗するには目標値15の精神力抵抗に成功しなければなりません。
一度眠りについたら、6時間を経過するか枕を取り外されない限り、 どんなに周囲が騒がしかろうと殴られようとも決して目が覚めることはありません。
6時間経過後は通常の睡眠状態に戻ります。
夢の研究家であるソノーは、夢や睡眠に関するアイテムを幾つか残しましたが、 この枕はそれらのうちの一つで、彼の初期の作品です。
当初ソノーは夢の研究のため、途中で起こされること無く夢を見ようとこの枕を作りましたが、 枕によって熟睡状態に陥っている彼は、 不思議と夢を見ることは出来なかったという話が残っています。
解説=
周囲がどんなに騒がしくても目が覚めることは無いので、 魔法を使うキャラが完全に精神点を回復するのに便利(?)なアイテムです。
もっとも、現実のプレイではどんなに騒がしくても 『起きない』『寝ている』の一言で済まされてしまいそうですが(^^;
この枕を使って寝る場合には、安全な場所で寝るか、 周囲を常に注意してくれる同伴者が必要でしょう。
さもなくば寝ている途中で襲われたり、 火事に巻き込まれたりしても気づかないで熟睡することとなります。
冒険者が安眠のために所持するよりも、トラップの一つとしてGMが用意するほうが、 使い道のありそうなアイテムかもしれません。

ちなみにアイテムの価格は以下のようにして計算してあります。(SNE計算方式に準拠)
8(魔力:魔法強度‐7)×20(基本消費精神力)×40
×100(使用回数制限無)
×0.1(6時間有効)
×0.1(枕で眠った者のみ有効)
=6,400
『ドリーム・キャスト』
鑑定の目標値=14
魔力付与者=”夢現(ゆめうつつ)を彷徨えし者”デ・ソノー ほか
基本取引価格=9万ガメル
形状=1m四方程度の鏡
魔力=対象の見ている夢を映し出すことが出来る。
説明=
見た目は大きめの鏡ですが、このアイテムは、 対象を鏡に映し下位古代語のコマンドを唱えることによって、 鏡に映った者が眠っている間に見ている夢を映し出すことが出来ます。
眠っている者が複数映っている場合は、そのうちの誰か一人の夢が映し出されます。
対象の者が夢を見ていない場合は鏡に変化は起こりませんし、 夢から覚めてしまった場合は鏡に戻ります。
夢を研究するにあたり、夢そのものを観察するには、 自分の夢では起きて観察できないので、他人の夢を覗くことを考えたソノーが、 観察用に作り出したアイテムです。
解説=
欲しい者にはいろいろ楽しめるアイテムですが、 冒険者にとってはあまり実用性の無いアイテムです。でも高価です(笑)
サイコセラピストなら有効に活用できるかもしれません。
どちらかといえばシナリオの中の小道具として使われる可能性が高いでしょう。
冒険者に売られるのが嫌なGMは、構造物(壁など)と一体化させて取り外し不可能にしておくか、 誰かの持ち物にするのが良いかもしれません。

アイテムの価格計算(SNE方式に準拠)
3(魔法レベル《クリエイトイメージ相当》)×15(基本消費精神力)×40
×100(使用回数無制限)
×0.5(鏡に映った対象のみ)
=90,000

このアイテムは、
ソノーの研究の最終目標のために作り出されてゆくアイテムの基礎となりました。
しかし、このアイテムの実験中に、
被験者となっていたソノーの妻が帰らぬ人となってしまいます。


『ドリーマーズ・ゲート』
鑑定の目標値=12
魔力付与者=”夢現(ゆめうつつ)を彷徨えし者”デ・ソノー
基本取引価格=200万ガメル以上(存在は未確認)
形状=縦2m横1m程の鏡
魔力=対象の見ている夢を映し出し、その夢の中へ入ることが出来る。
説明=
縦2m、横1mほどもある大きな鏡です。
鏡に映った者の見ている夢の内容を映し出すところまでは『ドリーム・キャスト』と同じですが、 このアイテムは鏡に映っている夢の世界へ入り込むことができます。
夢の世界に入ることが出来るのは、この鏡の枠に体が入るサイズの者までで、 最大6人まで中に入ることが出来ます。
夢の世界に入った者は、現実の世界と同じように夢の出来事に干渉することができますが、 物理や魔法などの法則は夢の内容によってさまざまです。
使用できる能力は現実の世界と同じです。
夢の世界から戻りたい場合は、鏡から入ってきた入り口から戻ることが出来ます。
また、寝ている者が夢から覚めた場合、中に入っている者は強制的に現実の世界へ連れ戻され、 鏡は元に戻ります。
夢の世界の中で受けた傷や怪我、手にしたアイテムなどは、 現実の世界に戻れば消えてしまいますが、 死んでしまった者は二度と現実の世界に戻ることは出来ません。
このアイテムは存在すると言われておりますが、 現在のフォーセリアでは確認されておりません。
もしこのアイテムが市場で取引されるとなれば、 額面以上の値段がつくであろうと囁かれています。
解説=
たろうさんの創った額縁の逆バージョンみたいなものかな?
高価過ぎて冒険者の手に余る物なので、これはもう完全にシナリオネタですね(^^;
まだ世に出ていないので、遺跡の中で偶然見つける可能性が高いでしょう。
夢の世界を利用すれば、フォーセリアでは実現しにくかったシナリオも可能になります。
言い訳は『だって夢の中だもん』(笑)
アイテムの価格計算(SNE方式に準拠)
8(魔法レベル《レイスフォーム相当》)×40(基本消費精神力)×40
×100(使用回数無制限)
×0.5(鏡に映った対象のみ)
×0.5(対象が眠っている間のみ)
×6(6人まで)
+90000(ドリーム・キャストの値段)×0.5(2つ目の能力)
=1,965,000
≒2,000,000

最愛の妻を失ったソノーは、悲しみを忘れるため研究に没頭しました。
そしてとうとう最終目標であった、夢の世界を旅するアイテムを創りあげました。
彼のアイテムは高い評価を受け、ソノーは一躍有名となりました。
しかし目的を達したはずのソノーに満足感は無く、
彼には虚しさしか残りませんでした。


『メモリー・コール』
鑑定の目標値=14
魔力付与者=”夢現(ゆめうつつ)を彷徨えし者”デ・ソノー ほか
基本取引価格=15万ガメル
形状=渦巻で模様が描かれたサークレット
魔力=自分の経験した出来事を、自由に夢に見ることができる。
説明=
見た目は普通のサークレットで、 渦巻きを組み合わせた模様が浮き彫りになった装飾がされている以外は 特に変わったところはありませんが、このサークレットをはめて眠りにつけば、 過去に自分が経験した出来事を夢として自分の意思で自由に見ることができます。
このアイテムの能力を使いたい場合、 夢に見たい内容をあらかじめ思い浮かべながら眠りにつく必要があります。
思い浮かべる内容は漠然としたものでかまいません。
最愛の妻を失ったことによる悲しみと虚無感に襲われていたソノーは、 せめて夢の中だけでも妻に逢いたいと思うようになり、 このアイテムを創り上げました。
以来、ソノーは必ずこのアイテムを付けて眠りにつくようになったと言われています。
解説=
過去の思い出に浸ることが出来るという、 なんとも後ろ向きな性格のアイテムです(苦笑)
ああ〜、幻記屋行人&並木愛花さんの 『思い出のむぎわらぼうし』に良く似たアイテムになってしまいましたね(滝汗)。
でも、これはソノーの話の中に最初から組み込んであったアイテムなんです〜。信じて〜(^^;
古代王国時代に流行ったらしいので、きっとソノーもそれに触発されたのでしょう。
ソノーの場合は思い出すだけで満足だったので、記録機能はナシ(^^;
やはり冒険者には使い道は少ないかな? 冒険中に見聞きした内容を忘れてしまったり、記憶術の判定に失敗した者が、 思い出すために使うことは出来そうですが、そのために一度寝なければならないんじゃね(^^;
高級アクセサリーということで、プレゼントにいかがでしょうか? きっと彼女や奥様に喜ばれますよ(笑)

アイテムの価格計算(SNE方式に準拠)
5(魔法レベル)×15(基本消費精神力)×40
×100(使用回数無制限)
×0.5(夢を見ている間のみ)
=150,000

ルールには相当するような魔法がありませんので、 ラーダの特殊神聖語魔法『インスピレーション』を参考に考えてみました。
『フラッシュ・バック』(古代語魔法)
魔法レベル=5 基本消費精神力=15
距離=術者 持続時間=精神集中の限り
魔力=過去に経験した出来事をまざまざと思い出すことができる。
種別=非解除 拡大=達成値
説明=この魔法は、自分が過去に経験した出来事を、
   あたかも今経験しているかのごとく、
   鮮明に思い出すことが出来る魔法です。
   思い出すことが出来る出来事の内容は、
   自分が経験したことに限られます。
   また、あいまいな記憶でもうろ覚えでも構わないので、
   どんな出来事を思い出したいのかイメージをする必要があります。
   完全に自分の記憶から消えてしまっている思い出は、
   思い出そうとするイメージが湧かないので効果がありません。

ソノーは夢の中で愛しい妻の夢を見れば見るほど、
妻に逢いたいという気持ちが強くなりました。
そしてとうとう、夢の世界で妻と永遠に暮らそうと決意します。
『カーム・スリーパー』の効果時間を永続化させ、
『ドリーマーズ・ゲート』を目の前に置き、
『メモリー・コール』を額にはめました。
本来、眠っている者自身はゲートの中に入ることは不可能ですが、
ソノーはそれを可能にするアイテムを携えて夢の世界の住人になり、
以後ソノーの姿を見た者はいなかったと伝えられています。
そのアイテムについては記録が残っておらず不明のままです。
ソノーにまつわるわずかな書物と逸話だけがいまなお伝えられているだけです。