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幻記屋行人&並木愛花様より
エンチャンターの設定と その作品を いただきました
2002.2.15 一点追加しました


”集いの娘(集いの母)”
ミリア=レティマー(millia=Retimer)


 古代王国時代末期、とても美しく、明るく、楽しい事が大好きな、
高位の魔術師の一人娘がいました。

娘はとても頭が良く、魔力も高かったため、
15歳の誕生日を境にたくさんの魔術師達が求婚してきました。
でもミリアはまだ遊びたい盛り、父親が箱入りで育てたせいもあって、
男性にはほとんど近寄らず、ましてや結婚なんて全然考えていません。
最初は丁重にお断りしていましたが、
いい加減、ミリアも断る事にうんざりしてきました。

 そこで、ミリアは一言、
「私の理想の方は、私よりも多くの楽しい事を知っている方なの。
あなた方みたいな、 かたっくるしい魔術師が
私を満足させてくれるような遊びを知っているのかしら?」

 この一言は魔術師達にはかなり効きました。
何せ、ミリアは生まれてから15年、
ずっと遊びのために魔法を追求してきたような物なのですから。
 もうミリアは遊びのプロと言ってもいいくらいなのです。

 それからと言うもの、あれだけうるさかった魔術師達は、
ミリアから手を引かざるをえませんでした。
今から遊びを追求しても、ミリアに追いつく事はまず無理すし、
遊びなんか追求してもあまり得にはなりませんからね。

 それから10年が経ちました。
ミリアの魅力は輪を掛けて増していますが、
いまだにミリアは結婚を考えていません。

しかし、そんな彼女に転機が訪れます。
ミリアの身辺にいた唯一の男性、父親が死んでしまったのです。

 ミリアに残された父親の遺産は莫大な物でしたが、
同時にこの家の家長として、前線に立たなければならなくなりました。
 そこで、ミリアは、今までの遊びの知識を最大限に活用し、
『究極の遊び』の研究に着手し始めました。
 同時に、集いや式典の司会を務めるなど、しっかりと家を守って行きました。
 しかし、この家を守るにはもう一つ必要な事があります。・・・次の代を残す事です。

 ミリアは結婚からは遠い所にいました。
10年前のあの発言以降、誰もミリアに近づかないのですから。
この時ばかり、ミリアはあの発言を後悔しました。
「自分自身の奢りで、この家を揺らしてしまう事になるなんて・・・」
 ところが・・・

 この日もミリアは王国が主催する晩餐会の司会に励んでいました。
もちろん、晩餐会は成功です。
しかし、今回のはほんの少し盛り上がりに欠けました。
特に不具合はありませんでしたが、
招待した貴人達の中に、こんな事を言う者がいたのです。

「確かにこの集いは素晴らしい。しかし、本当に万人が笑える物なのかな?」
 この言葉はミリアを悩ませました。考えてみればその通りです。
だって、ここ何年かミリアがやってきた事は、
万人ではなく 一握りの貴人達を喜ばせるための物なんですから。

 ミリアは一晩考えた挙げ句、思い切った行動に出る事にしました。
「私はしばらく町で暮らします。留守をよろしく」
 ミリアは、後の予定を全部白紙にして町中に身を投じたのです。
「貴人と民が同じ線上で楽しむ。それこそが究極の遊び…」
 ミリアは民の1人となって、町に潜る事にしました。

 まずは小劇場、次に闘技場、今度は賭博場……彼女は何ヶ月もかけて
大衆娯楽を残らず廻ってみました。
そしてその殆どは、ミリアにとって新鮮な物であり、そして、楽しい物でした。
 そしてミリアは1つの結論見出しました。
『楽しさに完璧はなし、常に何処かが崩れている』
 そして、家に戻る前に最後に訪れた小劇場で、
わざとタネを披露するような、何とも滑稽な手品を見て、ミリアは驚きます。
ミリアが驚いたのは手品の方ではなく、その手品師でした。
何と彼は、数ヶ月前のあの晩餐会でミリアを問い質した貴人だったのです。

「何故、あなたがこんな所に?」
「これが今の俺の仕事だからさ。俺みたいなのはこんな事やらなきゃ食って行けないんだ。
 君の10年前の一言を聞いた時は、何とも腹立たしかったとも。
でも、もう昔とは違う様だね」
「でも、どうやってあの集いに潜り込んだのかしら?」
「俺だって本当は高位の魔術師の生まれさ。あの晩餐会に潜り込むくらいならどうにかなる」

 家に戻ったミリアは、彼を夫に迎え入れる事にしました。
唯一、自分を超えた者として・・・


『喉越しのよいグラス』
説明= このガラスのグラスで液体を飲むと、非常に心地よく喉を鳴らす事が出来ます。
他には何の効果もありませんが、飲み物を美味しく飲める事は間違い無いでしょう。
エール用サイズからカクテルグラスまでいろいろな物があります。
携帯用の水袋型もあります。
解説= 幻:エールを入れて飲めば、かなり美味しく感じるでしょうね。
でも、それだけです。
もしかしたら六つ星亭でもう使われていたりして・・・
『悠久の水筒』
説明= この鉄製の水筒に入れた液体は、この水筒に入っている限り
腐らずにその状態を保ちつづけます。
現在で言うと魔法瓶ですが、こちらの効果は永久です。
もちろん、保温、保冷も効きます。
サイズは1リットルの物がほとんどです。
たまに、古代王国時代の飲み物やポーションが入ってたりします。
解説= 幻:液体であれば何でもOKです。
結構荷物にはなるでしょうけどかなり使えるかもしれませんね。
なお、氷を一緒に入れると、氷だけ溶けますから、
中の液体を冷やす事になります。
『グルマンの銀食器』
説明= この銀食器を手にして料理に触れると、
その料理に使われた材料を事細かに知る事が出来ます。
料理に使われた隠し味なども知る事が出来ます。
また、料理に毒が入っている場合、毒も材料として知る事が出来るので、
毒見にも役に立ちます。
解説= 幻:ミリアが王様のために作った銀食器です。
これさえあれば、誰でも食通になれます。
  「ほう、この料理は隠し味に○○を入れてるね」と言った具合に。
『ダンス・レッスン』
説明= このネックレスを付けると、自動的に「ダンサー技能」が3レベルになります。
装飾されてあるので、舞踏会にはこれを付けて行けば恥じる事はないでしょう。
また、このネックレスはダンスの先生代わりにもなります。
解説= 幻:初心者でもダンスが出来るようにと作られた物です。
実際に踊ってダンスの感覚を身に付けるわけです。
実際、これを使ってシピルとソルアはダンスを覚えました。

穏やかな娘 シピル=レティマー(Sipil=Retimer)
激しき娘 ソルア=レティマー(Sola=Retimer)


 そして数年が過ぎ、ミリアは2人の娘を授かりました。
おしとやかな姉はシピル、勝ち気な妹はソルアと名づけられました。
2人とも母親と同様に魔力が高く、しかも美少女だったので(そりゃもう少女期の ミリアよりもかわいかったと聞きます)、
突然の無名の魔道師との結婚に難色を示していた周囲にも、理解が得られるようになりました。
当のミリアも、
「娘を私のように嫁ぎ遅れにしてはいけない」
と、積極的に外で遊ぶように育てました。

ソルアの方はミリアの思惑通り社交的に育ってくれましたが、
シピルはあまり外に出ようとはしませんでした。
それどころか、ミリアの書斎に行ってはエンチャントに関する本や文献を読み漁り、
実験をしながら日々を過ごすと言った具合です。
ソルアが何度か懇願して、やっと庭に出るようにはなりましたが、
結局そこから先は一歩たりとも出る事はありませんでした。

「時間が無いの…急いで作らないと…」
 彼女はいつもそう言ってました。
彼女の言っていた時間とは…そう、古代王国の滅亡の事でした。

 この日は、珍しくシピルが集いに参加していました。
参加者はなかなかお目にかかる事の出来ない美少女が来ている事もあって
いつにも増して盛り上がっていますが、
当のシピルは何か心配そうに周りを見ながら、ソルアの側に寄り添っています。

 その時です! 
何かの大きな爆音と共に、地面が激しく揺れ始めました!
それだけではありません! 
照明に使われていた光の魔法や、暖炉に使われていた炎の魔法などが
暴れまわり、周囲の人々に襲い掛かり始めたのです!
遂に魔力が暴走し始めたのです。

古代王国滅亡の時でした。

 窓のガラスは尽く破れ、有生・無生問わず全ての物が破壊され尽くしました。
しかし、そこにあのシピルとソルアはいませんでした。
同時に、蒼い光に包まれた2人の少女が西の巨大神殿の中へ飛んで行ったともいわれています。
 シピルは、古代王国の滅亡を察知して、どうにかして逃れる手段を作っていたのでした。
そしてその時には、巨大神殿の深い所で永い眠りに就いていれば、
必ず誰かが助けてくれると考えていたようです。
しかし、シピルの家族3人を全員助けるはずだったシピルの願いは叶わず、
助ける事が出来のはソルアただ1人でした。

 そして、今でも姉妹はその時の姿のまま眠っています。
起こしてくれる人を待ちながら…


『拍手代わり』
説明=  10cmほどのコーンの先から紐が出ています。
この紐を引っ張ると、「パン!」という爆音を出し、
コーンの底から紙テープ等が吹き出します。
遊び半分でソルアが作った物です。
なお、消耗品ではなく、続けざまに引っ張れば、
何度でも音と紙テープを出す事が出来ます。
解説= 幻:もうそのまんま、パーティー用クラッカーです。
威嚇にはなるかもしれませんね。
いくつかセットで取り引きされています。
『大砲代わり』
説明=  『拍手代わり』が2倍ほど大きくなった物です。
爆音はパリ砲並みで、周囲10mの者は生命力判定で12以上を出さないと
18ターンほど耳が聞こえなくなります(もちろん使った本人も)。
こちらは消耗品です。
解説= 幻:「もっと大きな音のする物を作ろう!」と、
ソルアが『拍手代わり』を作り直し、
結果的に、自分でも扱えなくなったという代物です。
それでもめげないソルアは、耳栓をしてこれを引っ張ったそうです。
結局、集いの始めの合図として使われるようになりました。
『どこまでも手袋』
説明=  この手袋をはめて物を投げると、投げられた物は
重力を無視して真っ直ぐ飛んで行きます。
効果があるのはあくまでも投げた物だけで、
弓矢などには効果がありません。
解説= 幻:腕の力が無く、ダーツの矢を的まで飛ばす事が
出来ない事に腹を立ててソルアが作りました。
しかし、今度はどうしても矢が上に行ってしまい、
結局イカサマもばれてしまいました。
ソルアって結構おバカなのかもしれない…
『だれでもスター』 It’s NEW!
説明=  形状 :先の無いフレイル
必要筋力:元になる武器や物体の必要筋力+1

ミリアが使用人のために作った運搬道具です。
チェーンの先をつまんで運搬する物体に押し付けると、
魔力によって接合し、その物体を持ち上げたり引っ張ったりできる様になります。
また、鉄球や刃物などに接合すれば武器にもなります。
外す時は、接合しているチェーンをつまんで横にずらすだけです。
物体として存在していれば、生物にも効果があります。
接合に抵抗する場合は、精神抵抗値14を基準にして判定して下さい。
解説=  ネーミングとしては、初めは『なんでもスター』だったのですが、
ソルアの教育係が悪戯をしたソルアに使い、罰として振り回していた事から、
次第にネーミングが変わっていってしまったのでした。
(無名)
解説=  自分と自分に接している者を何処か安全な場所に
半永久的に眠らせておく事が出来るペンダントです。
存在数はただ1つ、シピルがスペアとして持っています。
効果的には『アイス・コフィン』と同じですが、
中の者は全く年をとりませんし、食事もいりません。
周囲を覆っている氷は出入り自由です。
中の者を引っ張り出すと効果が切れ、目を覚まします。
なお、これは消耗品です。
説明= 幻:シピルが作った最初で最後(もしかしたら最後じゃないかも)のアーティファクトです。
彼女達を見つけ、目覚めさせる事が出来れば、
失われし古代の知恵が少しだけ明らかになるかもしれませんね。
でもそれ以前に2人の世話が大変そうですけどね(苦笑)。

シピル=レティマー
14歳 女 人間 古代王国出身
技能?(一般技能 エンチャンター) レベル?
知力・精神24超
 『物静かであまり人前に出たがらないタイプ』だと思いきや、
実は、『自分に課せられた使命に全力を尽くすタイプ』です。
ですから、眠りから目覚めた彼女はあまり喋らないながらも
積極的に動こうとします。
だよもん口調が口癖です(分かってるとは思いますが、
『〜だよ』『〜もん』『〜なの』ですからね!)。
ソルア=レティマー
13歳 女 人間 古代王国出身
技能?(一般技能 エンチャンター) レベル?
知力・精神24超
 こちらは『やるときはとことんやらないと気が済まないタイプ』です。
負けん気も強いので、取り扱いに注意が必要です(苦笑)。
あと、変な事にも気を引かせないように(苦笑)。
幻: 姉妹のデータです。まだ成人前だったんですねぇ…
まず、何かしらのルーンマスター技能を持っている事は
まず間違いありません。
育てればかなりの実力者になるでしょう。
あと、魅力はめちゃくちゃ高いです。娼館に売り飛ばすのも手かも。(爆)
あとはほとんど書いてませんが、副能力値のA、C、D、G、Hは高いです。
Fは低いと思います。
幻: まあ今回は親子と言うことで、社交界に燦然と輝いた娘さんたちです。
シピルとソルアはまだ生きてます。
だれか助けてやってください。

女将たろうより
美少女の(文字通り)発掘! 燃えるねぇ〜、ロマンだねぇ〜(笑)
だけど GMさんは じゅうぶん気をつけてね。
古代王国人は魔力の塔のない今では魔法が使えない、っていう説もあるけど、
彼らの知識が復活するだけでも 世界が変質しちゃうからね。