ノビネチドリ(延根千鳥)
雨飾山山頂付近の石仏
グンナイフウロ(郡内風露)
ヨツバシオガマ(四葉塩釜)
荒菅雪渓と布団菱
イブキジャコウソウ(伊吹じゃ香草)
リュウキンカ(立金花) 栂池
シラネアオイ(白根葵) 栂池
キヌガサソウ(衣笠草) 栂池

                 山遍路旅    雨飾山(単独行)

日程:2012年7月8日(月)  晴れ

コースタイム:
登山口(4:10)〜ブナ平(4:40)〜荒菅沢(5:10)〜笹平(5:55)〜雨飾山山頂(6:15 朝食 6:40)〜笹平(7:00)〜荒菅沢(7:30)〜ブナ平(7:50)〜登山口(8:20)

山行後記:
雨飾荘の4時のモーニングコールの受話器を3時50分に起こす。月齢18・5の残月と木星が白々と明けてきた空に輝く中を「それー行け」と出発。宿の方に山の神(妻)が寝ている「朝飯前」のチェックアウトの9時までには戻りますと告げた手前もあり少し緊張が伴うスタート。

前日に登った方の話しでは大海川沿いの木道が7日の大雨と雪融け水の増水で行く手を阻まれ引き返した人たちがいたようだ。今朝は水も引き泥だらけの木道や小さな沢筋も軽やかに越えることが出来た。大海川を離れると本格的な登山道となる。ブナ林ではクロジが気持ちよさそうに囀っている。我が家にも時々来て欲しいなどとつぶやいてみる。

荒菅沢には雪渓が残り涼しい風が吹いてくる。雪渓まで降りると布団菱の岸壁が雪渓の先にそそり立っている。今日は早朝に雪渓を渡るのでストックを持参したが必要なかった。ツキノワグマに遭遇したらストックで戦うかなどと笑って見る。急坂を詰めると笹平。
ノビネチドリ、ヨツバシオガマ、ミヤマダイコンソウ、グンナイフウロ、カタクリ、シラネアオイなどの高山植物が咲いている。ヒメサユリが咲いているが登山道から少し離れていて望遠レンズを持ってきていなかったので撮影できなかった。心残りである。

笹平からはクマザサや草が生い茂り葉先に夜露や7日の雨がたっぷりと付いている。ストックで露払いをしながら進む。強く植物を叩くと痛むので柔らかく払いながら進む。山頂までにパンツの中までずぶぬれになってしまった。ゴアテックスの雨具を持っていたが陽が照ればそのうちに乾くだろうなどと装着せずに山頂に到着。今朝も初登頂である。

上空は晴れているがガスが流れている。日本海側は見渡す限りの雲海である。渡っていけば佐渡島に行けるかな?ガスが流れると白馬方面が綺麗に見える。ミニクリームパン、ミニトマト、オレンジ、水羊羹などで朝食を摂る。山頂付近の高山植物を撮影し下山開始。左脚の調子は随分と回復している。

荒菅沢の雪渓を越えてきた辺りで登ってくる登山者たちと「おはようございます」「気を付けて行ってらっしゃい」と声を掛け合う。私が「笹平の先の露払いをして置きました」などと冗談を言う。7人のグループに会う。「山頂まで何分ぐらいですか?」「登山口を何時にスタートしましたか?」と私。「5時です」「では1時間30分位でしょう」と私。下山中に山頂までの時間を聞かれた時はいつもスタート時間を聞き現在の位置までの時間を考えて残り時間を計算して応えるようにしている。

ブナ平付近で若い夫婦が登って来た。「早いですね。何時間で山頂ですか?」「4時に出て山頂まで約2時間です」と私。「凄いですね。一緒に写真を撮らせてください」との依頼。ご主人とパチリ。こんなことは初めてかな?爺さん登山者としては嬉しい。

木道をすたすたと歩を進め登山口に到着。水道で汚れた登山靴や衣類を洗えるようにホースと洗い皿が設置されている。登山者には嬉しい心配りです。小谷村に感謝。車で雨飾荘に8時30分に到着。フロントで無事に帰ってきましたと挨拶。「本当にチェックアウトまでに帰って来た」と驚きの様子。8時までの入浴時間を越えているのに特別に使わせて頂いた。ここでも小谷村に感謝(雨飾荘は小谷村経営)。

まとめ:
今回は妻が以前から栂池自然園を散策したいと言っていたので散策した後で小谷温泉に宿泊した。私だけなら日帰り登山で十分であるがたまには妻孝行をしないといけない。宿で妻が寝ている朝飯前に登ってしまう方式は初めてである。これから東北地方の小さな山をいくつか登る予定なので良いかもしれないと思った。妻への罪滅ぼしにもなる。
今回も多くの人々との暖かいふれあいがありました。小谷村の蕎麦屋のおばさん達、村営雨飾荘の職員の方々、登山中に出会った登山者の皆さんに感謝申し上げます。