下町ハイボール

  1. 下町ハイボ−ルとは 
  2. 業務用炭酸の世界
  3. 炭酸年表&用語集
  4. レアな飲み物
  5. 下町ハイボ−ル紀行


▼ 下町ハイボ−ルとは

巷では今ハイボ−ルが大ブレイク。しかしここで取り上げるのは流行のウィスキ−ベ−スでは無く、日本古来の大衆酒である焼酎をベ−スとした所謂焼酎ハイボ−ルです。酒税法改正により価格的な垣根こそ取り払われましたが、その独特な味わいと心地良い飲み口はまだまだ追従許さず、孤高の世界を築いています。
 


 これが下町ハイボ−ル ! 元祖ハイと呼ばれる事も多い

◆ 定 義

甲類焼酎(出来れば25度) + 強炭酸 + 元祖の素をブレンドしたもの

※ 元祖の素とは天羽の梅を指す。他にも類似メ−カ−が多数存在、それぞれが風味を競い合っている。
※ 比率にこだわる傾向が見受けられるが、明らかにコマーシャリズムに毒されている。アバウトでよろしい。
※ 薄まるので基本氷は入れないが、入れて供する店もある。

◆ 歴 史

ハイボ−ルといえばウィスキ−をベ−スに炭酸を加えるのが正統派。しかし当時の酒税は舶来酒に対して多大な賦課徴収を課しており、ウィスキ−ハイボ−ルは庶民にとっては高嶺の花、つまり高級品であった。そこでコストの安い国産焼酎を使いいわば「代用品」として考案されたのが「焼酎ハイボ−ル=略して酎ハイ」であった。

炭酸を使った軽快な飲み口と手頃感の相乗効果で、酎ハイは瞬く間に下町を席捲、主役の座を射止めるに至った。やがてその人気に注目した中小飲料メ−カ−や大手チェ−ン店の力添いも加わって、全国に普及したと考えられている。

ただウィスキ−と違って無味無臭の甲類焼酎を使う為、炭酸だけでは味が単調で飲み飽きるのが欠点。そこで梅シロップを入れる等の様々な工夫が加えられ、その手法のひとつが「元祖の素」なる琥珀色の液体を入れる飲み方であった。それが現在の「下町ハイボ−ルまたは元祖ハイボ−ル」と称される、琥珀色に輝く飲み物の由来である。

発祥時期は昭和23年発売のホッピ−よりは新しいとされ、明確な出現時期の断定は出来ていない。店や地域にも諸説があるが、現在墨田区曳舟の三祐酒場が、もっとも有力な説として定着しつつある。

その下町ハイボ−ルが飲めるのは、やはり東京下町がメイン。都心部ではその存在すら知られていない。
当然中部関西などの大都市圏やその他の地域では、先ずお目にかかれない幻のハイボ−ルとして地位を確立している。

ただ近年、多店舗展開する首都圏居酒屋チェ−ンがこの下町ハイボ−ルに注目し、新たなメニュ−に加える店が増殖中。普及という観点からも喜ばしく、もし見かけたなら躊躇せずにオ−ダ−し、古に思いを馳せて頂きたい。




◆ 焼 酎

甲類焼酎をベ−スとし無味無臭無色が基本。中でも人気を誇るのが亀甲宮焼酎(キンミヤ)だ。このメ−カ−三重県で生産しているのだが、地元では「宮の雪」という日本酒メ−カ−として認知されており、焼酎メ−カ−としての知名度は東京下町の方が強い。

◆ 炭 酸

業務用炭酸を使ったり、自家製の場合ありと多種多様。日本の炭酸文化(清涼飲料水)は、元を辿るとウィルキンソン、三ツ矢など関西がル−ツなのだが、このようなリタ−ナブルビンを利用したスタイルは、東京の大衆酒場独自のものとなった。

ただ東京といえど配達や問屋の位置関係もあり、守備範囲は自ずと限られる。よって業務用炭酸メ−カ−(中小がほとんど)と、それを使う大衆酒場との位置関係は非常に密である。

◆ 元祖の素 琥珀色の液体

歴史ある下町酒場で琥珀色の正体を伺うと、ある時は業務用またある時は自家製と称する返事が返ってくる。(業務用に多少手を入れ自家製と呼ぶ場合もある) 自家製の場合、常連にすら「謎のレシピ」を解き明かしてはくれない。(店でレシピを聞くのはマナ−違反とされている)琥珀色にこだわる理由は言うまでも無く、ウィスキ−に似せた視覚効果を狙ったものとされている。




◆ 立石限定 ! 下町ハイボ−ル・元祖ハイの飲める店

立石 ちょいいち★★★ 鳥ひで 秀 凡太 おおくぼ(ホイス) 大志 丸好酒場 他 




◆ 自宅で再現 ! 入手方法 (問い合わせが多いので...)




天羽飲料製造有限会社
東京都台東区竜泉3-37-11







 ●楽天市場 丸石酒店


美濃屋脇坂商店
東京都葛飾区立石8-1-14
奥戸街道沿い
TEL:03-3691-0125



 ●元祖の素
ハイボ−ル」下町ハイボ−ルの必須品
 
 1.8L = 649円(税込)



 ●梅の香 ゴールド600ml 300円
  家庭でも使いやすいサイズで、かつ値段も手頃。オススメ。



石井酒店 
東京都葛飾区堀切3-25-6
新葛飾病院目安

TEL:03-3691-2540


 ●ドリンクニッポン 単品40円 ビンを返すと10円バック!

 ●1ケ−ス 1700円 30本入り
  (ケ−ス と ビンのリサイクル代 500円負担を含む)


 ●天羽の梅 「Aハイボ−ル」 \1.200-もアリマス





都内のス−パ−、酒屋で入手可


 ●合同酒精 梅の香ゴールド 
   容量:600ml 300円
 容量:1,800ml 650円



 ●京屋産業 白梅 梅割りの素






焼酎の飲まれ方 戦後史(東京地区限定)

1.焼酎ストレ−ト


甲類/乙類焼酎を問わず、あらゆる酒の飲み方の基本。
もっとも素直に酒の味を堪能出来るので、現在でもこの飲み方をする愛好家も多い。
ただしアルコ−ルをストレ−トに受けるので、長い時間楽しみながら飲むにはチトきつい。



2.焼酎+シロップ (戦後まもなく)

焼酎をぶどう、梅などのシロップで割ったものが出現。
戦後はバクダン、カストリに代表される、粗悪な商品も多かった為、
割って飲みやすくしたといわれている。ちなみに今でも東京の下町酒場(立石宇ち多など)では、
この懐かしのスタイルを味わう事が出来る。(中身の焼酎は当然現代のもの)

その当時の焼酎の品質は劣悪で、未だ焼酎=安物、粗悪という
イメ−ジから脱却出来ずにいる年代層、店も多々あると思われる。


3.焼酎+ホッピ−(昭和23年登場)

コクカ飲料株式会社(現ホッピ−ビバレッジ)より、
麦酒様清涼飲料ホッピ−が発売される。実に酎ハイより歴史がある。
但し工場の位置関係上、当時は東京周辺の一部でしか飲まれていないと推測される。
(今や全国区の居酒屋メニュ−に仲間入り)





4.焼酎+炭酸 (ホッピ−に遅れること数年)

いわゆる焼酎ハイボ−ル(酎ハイ)の誕生
当時浅草辺りで流行してた、ハイカラなウィスキ−ハイボ−ルを真似て自然発想的に展開。
焼酎に炭酸を加えただけなので単調でドライだが、炭酸通は今でもこの手の飲み方を好む。
ちなみに関西地区でこのオ−ダ−をすると、「味が無いのにいいんか?」と、不思議がられることが多い。






5.焼酎+炭酸+元祖の素

焼酎+炭酸だけでは、味が単調で飽きる。そこで↑Aの発想を取り入れ琥珀色の液体を加える。
これこそが下町ハイボ−ルの由来とされる。

東京下町では定着したが、全国的にこれを飲めるのはまだまだ稀。




天羽飲料製造は今も台東区竜泉に健在。


6.焼酎+炭酸+カクテル風

百家争鳴の時代へ突入。呼び名も古臭いハイボ−ル、酎ハイから、
呼び名が新鮮なサワ−へと変える店も多い。

余談だが、サワ−という名称は新鮮で、いかにも現代風若者向きのネ−ミングだが、
その歴史は意外と古く、今から40年以上も前に中目黒の居酒屋「ばん」
のご主人が考案されたもの。
当時客だった博水社社長のハイサワ−(昭和55年発売)商品化により、全国区の名称になった。

昭和50年後半 酎ハイブーム始まる。
昭和58年 日本初の缶酎ハイ「ハイリキ」発売される。
(当時は東洋醸造 商品名ハイリッキー)
最近では夕張メロンハイ、パイナップルハイ、ウコンハイ、緑茶ハイとなんでもありの展開に.......
中身も焼酎からウオッカを使用する物など、バラエティ−豊か。






亀甲宮焼酎 (株)宮崎本店

下町で酎ハイを飲む機会の多い人なら、原色艶やかなラベルの「亀甲宮焼酎」をご存知だろう。
「キンミヤ」と呼んだ方が、ピンとくるかも知れない。

このメ−カ−、ラベルをよく見ると場所は「三重県三重群楠町」とある。
はて?どんな謂れで、遙か離れた東京下町で親しまれているのか...

調べてみると、亀甲宮焼酎のある三重県楠町は、大正から昭和初期にかけて、
30数軒の焼酎メーカーがあり、鈴鹿山系から流れる鈴鹿川の良質の伏流水を使って、
「灘の清酒、楠の焼酎」と賞された焼酎の一大産地だったそうだ。
(いわれてみれば、近鉄名古屋線から見える、某大手メ−カ−の焼酎工場もあるな...)


その楠町は伊勢湾に面し、海上輸送に適した所から、江戸時代より江戸の新川筋の
酒問屋との取引が盛んだった。
宮崎本店さんは古くから江戸の市場とは取引があったが、関東大震災を境に
その結びつきがより一層深くなったという。
代金回収を後回しにし、当時の樽廻船「宮嶋丸」に食料、日用品を積み、お得意先に配ったそうだ。
以来、東京のお店との取引が連綿と今日まで続いているという。



余談になるが亀甲宮焼酎には、昔「甲類の金印」と「カストリ焼酎の黒印」の2種類があり、
それぞれ愛称でキンミヤ、クロミヤと呼ばれてたそうだ。
ちなみに現在カストリ焼酎(クロミヤ)は、製造されていない。

● カストリ焼酎 = 清酒の酒粕を再発酵し、蒸留した焼酎を指す。
戦後に出回った粗悪な焼酎のイメ−ジが強いが、癖のある味が見直され、
今では新たに製造を始めるメーカーも出てきている。






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