『バナナ』(banana) バショウ科 バショウ属 “バナナを食べて健康に” バナナは、最も健康的な果物のひとつと言われ、専門家のあいだではミラクル・ フルーツと呼ばれています。ミラクル・フルーツと呼ばれる理由は、私たちの体を 病気から守ってくれる力があるからです。 毎日の暮らしの中で、私たちの体は常に、病原菌の攻撃にさらされていると言って も、決して言い過ぎではありません。にもかかわらず、私たちが病気にならないのは、 病原菌が進入しても、健康を守る「免疫システム」と言うものが、体の中で働いている からなのです。 バナナには、この免疫システムを増強する作用のあることが、大学教授の研究で明 らかにされています。バナナに含まれる成分には、免疫システムで必要不可欠な役割 を果たす「白血球」の機能を増強する働きがあります。白血球が活発に働くと、カゼを ひきにくくするだけでなく、動脈硬化やガンなどの、生活習慣病にも罹りにくくなります。 バナナには優れた栄養素がバランスよく含まれていますが、特にミルクと合わせる と健康維持に必要な栄養素を、まんべんなく摂取することができます。 【原産地】 バナナの生まれ故郷は、赤道の南北、ほぽ30度以内に位置するバナナベルト地 帯”と呼ばれている所です。つまり、バナナは熱帯性の果実ですから、成長するため には、サンサンと降りそそぐ太陽と、たっぷりの降雨量が必要ですし、年間の平均気 温も27〜28℃が最適とされています。 FAO(国連食料農業機構)の資料によると、バナナの輸出量が多い国は、エクア ドル・コスタリカ・コロンビア・フィリピンなどですが、日本に輸入されるのは主に フィリピン・エクアドル・台湾などの国からです。 |
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【品種】 バナナの品種は生食用で100種以上、全体では300種以上あると言われていますが、 日本に輸入される品種は、ほとんどがキヤペンデイッシュ種という系統のものです。こ の系統に属するグラネインは、甘みとコクのバランスがよく、その爽やかな味わいは、 どちらかと言えば若年層に人気があります。台湾バナナも、キヤペンデイッシュ種に属 する北蕉(ほくしょう)種や仙人種で、甘みや香りが強く、ややねっとりとした果肉が 特徴です。 ○ジャイアント・キヤペンデイッシュ 鮮やかな黄色の皮とクリーム色の果肉が美しく、日持ちに優れた品種です。私たちが 普段よく食べるバナナの多くはこの品種ですが、キヤペンデイッシュ系にも数多くあり、 最近ではこれに台湾系品種をかけあわせるなど、品種開発が一層盛んになって来ました。 ○北蕉(ホクショウ) 台湾バナナの主力品種です。台湾バナナは味が濃厚で果肉が緻密なのが特徴です。こ の品種の変種である仙人蕉(せんにんしょう)と言う品種もポピュラー。 ○モンキーバナナ セニヨリータとも言われる長さ7cm〜9cm、太さ2.5cm程度の小柄なバナナです が、甘みが強く柔らかい果肉を持っていて、デザート用として人気が高い品種です。 ○モラード 色が赤みがかった橙色なのが特徴的で別名「レッドバナナ」とも言います。果肉は黄白 色で、甘みが強く、香りも強めです。 【選び方】 バナナは輸入される際、食物防疫法の関係で青いものしか輸入できず、その後エチレ ンガスという無害の植物性ホルモンガスを使って追熟し黄色くされます。食べ頃として は皮に茶色の斑点「シュガースポット」が出ているものが甘みと硬さのバランスが取れて いて美味しいです。 茶色く変色し、アルコール臭のしてきた物は熟し過ぎです。 |
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【栄養価】“バナナは優れた栄養食品” ★炭水化物(糖質) バナナには、数種類の炭水化物(糖質)が、100g中22.6gと、果物の中で最も多 く含まれています。しかも、ブドウ糖・果糖・ショ糖という3種類の糖質が含まれて いるのが特徴です。 ブドウ糖は、直接体内に吸収され、エネルギーとなります。特に、脳のエネルギー 源となるのはブドウ糖だけですから、きわめて重要な糖分だと言えます。 果糖も直接体内に吸収され、エネルギーになりますが、このときインシュリンを必 要としないので、糖尿病の患者さん用の甘味料としても使用されています。 ショ糖は、普段使っている砂糖のことで、ブドウ糖と果糖に分解されてから、エネ ルギーになります。 バナナのカロリーは1本当り約90カロリーですが、3種類の糖分の吸収速度がそれ ぞれ違うので、効率よくエネルギーとして使われます。ですから、低カロリーでも腹 持ちがよく、ダイエットには最適の果物です。 ★食物繊維 食物繊維とは、人の消化酵素で消化されない成分の総称です。長い間、エネルギー にもならず、微量栄養素の吸収を妨げる不要なものとされてきました。けれども、栄 養学の研究が進んで、食物繊維には便秘の改善だけでなく、コレステロールの低下、 大腸ガンや心臓病、糖尿病などの成人病を予防する効果があることがわかってきたこ とから、“第6の栄養素”として注目されてきています。 バナナには、100gあたり約2g(リンゴの1.3倍)の食物繊維が含まれています。 ☆ビタミンB群 バナナには炭水化物が体内で代謝されエネルギーになるときに必要なビタミンB1 やB2を他の果物よりはるかに多く含んでいます。ですから、バナナが含んでいる糖 分を、効率よくエネルギーにすることができます。また、葉酸も豊富に含まれていま す。葉酸は成長期の細胞分裂に必要なビタミンですから、お子様のおやつにも最適で す。 ★ミネラル バナナには他の果物を大きく引き離すほど、多くのカリウムとマグネシウムが含ま れています。いずれも、体内のミネラルバランスを確保するために、重要な働きをす るミネラルで、心臓病の予防や筋肉のけいれんを防ぐなどの効果もあると言われてい ます。カリウムは、ナトリウムを体外に拝泄して、血圧の上昇を防ぎます。また、マ グネシウムには、紳経を安定させ、不整脈の予防効果もあります。 |
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【効果的な食べ方】 朝の忙しい人は〜バナナと牛乳・乳製品を−緒に摂ると、タンパク質がプラスされ栄養 のバランスがよいです。 スポーツ好きな人は〜オレンジジュースなどクエン酸を合わせて摂ると、バナナをエネ ルギー(グリコーゲン)として、効率よく体内に吸収できます。 【料理用バナナ】 日本に輸入されるほとんどが生食用のバナナですが、世界の生産量の半分は加熱調理 用の料理用バナナです。この料理用のバナナには、抵抗性デンプン=レジスタンス・ス ターチという食物繊維が含まれるものが多く、便秘や大腸がんの予防に効果があると注 目されています。 【保存法】 バナナは低温障害を起こしやすいフルーツです。冷蔵庫に入れて置くと皮がすぐに黒 ずんでしまい、中身にも影響を受け、味が損なわれやすくなります。 冷やして食べたいときは、皮を剥いて容器に入れ、1〜2時間冷蔵庫に入れます。その時 変色を防ぐためにレモン汁をかけ、グラニュー糖やフラワーシユガーを少々ふりかけて おくと、一層美味しく頂けます。 |
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バナナの栄養成分表(100g中)
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参考:丸果石川中央青果梶@やさい・かじつの情報 2004.05