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魔法のりんご

丸果石川中央青果梶@やさい・かじつの情報 平成17年12月号より抜粋
=り ん ご(林 檎)=
  apple(英) バラ科 リンゴ属

“あっと驚き!リンゴの健康効果”

 「1 日1 個のリンゴは医者を遠ざける」と言われているように、リンゴには動脈硬化・
糖尿病・大腸ガン・高血圧など生活習慣病の予防に効果的な「食物繊維」や「カリウム」が
多く含まれていますので、現代人の健康増進にはもってこいの果物といえます。

【歴 史】

 リンゴの歴史は古く4,000 年程前からヨーロッパで栽培されており、アダムとイブや
ウィリアムテルなどのリンゴに関する伝説やエピソードにも出てくるように、昔から極
めて身近な果物であったようです。
 栽培リンゴの起源は中央アジアが発祥の地と言われ、これがヨーロッパ・中国などに
伝わったと考えられます。ヨーロッパでは原形種とあまり変わらない直径3cm 前後の小
果の時代が長く続き、リンゴ酒やジュースの原料として用いられていました。
 品種改良が始まったのは16 世紀で、18 世紀になってようやく生で食べれる品種が出
て来るようになりました。また、ヨーロッパからアメリカへは初期入植者によって伝えられ、
やがて多くの研究者の努力によって大粒で甘い品種が育成されており、現在まで
に約15,000 種もの品種が世界中に出回っています。
 日本で“リンゴ”の名が記録されたのは平安時代の中頃ですが、それは中国から渡来
した「和リンゴ」とか「地リンゴ」と呼ばれる粒の小さな野生種でした。
 今日のようなリンゴが作られ始めたのは130 年程前のことで、明治初期に開拓史がア
メリカから75 品種を輸入し、内務省勧業寮試験場が中心に苗木を全国に配布・試作が
行われました。その結果、東北地方・信州等の比較的冷涼な地域に適していることがわ
かり、新作物として普及しました。当時導入された国光や紅玉は和リンゴと区別するた
めに「西洋リンゴ」とか「苹果(へいか)」と呼んでいましたが、品質・果実の大きさが優
れていたために和リンゴに変わって栽培が広がり、やがて単に「リンゴ」と呼ぶようにな
ったのです。現在栽培されているリンゴの大部分は外国品種を改良し日本で育成したも
ので、これまでに2,000 種もの品種が出回っています。

【種 類】

●極早生種
 7 月下旬から8 月にかけて最も早く収穫する品種。
 代表的な品種=きざし・ビスタベラ・ラリタン・祝

●早生種
 8 月中旬から9 月にかけて収穫する品種。
 代表的な品種=あかね・秋映・きたかみ・さんさ・つがる・ひめかみ・紅はづき

●中生種
 10 月頃に収穫する品種。
 代表的な品種=あかぎ・ガラ・北の幸・紅玉・ジョナゴールド・新世界・はつあき・
 スターキング・世界一・高嶺・ハックナイン・北斗・レッドゴールド・
 陽光・恵・王鈴・陸奥・ゴールデンデリシャス・東光

●晩生種
 11 月頃に収穫する品種。
 代表的な品種=ふじ・国光・印度・王林・金星

●クラブリンゴ類
 果実の小さいリンゴで、鉢植えにして観賞したり、果実酒に利用したりします。この
 仲間には、花を観賞する目的で改良された「フラワリング・クラブアップル」という種
 類もあります。
 代表的な品種=アルプス乙女・コピロワアシク・ドルゴクラブ・姫小町・リスロッテ

 新品種紹介
 青森県農林総合研究センターリンゴ試験場が開発した新品種「あおり13」と「あおり
15」の商標名が平成17 年2 月に発表されました。それぞれ「北紅(きたくれない)」「星
の金貨」と名付けられ、2006 年からの市場デビューを予定しています。

★あおり13〔商標名=北紅(きたくれない)
 「世界一」と「あかね」の交配品種。北の大地・青森県で生まれたて紅色鮮やかなリ
ンゴをイメージし、〔北紅(きたくれない)〕と名付けられました。外見は濃い紅色で、
果重が350〜400gと大きく、蜜が入り、甘みが強いのが特徴です。10 月中旬に収穫で
きる中生種として期待されています。

★あおり15〔星の金貨
 晩生種の「星の金貨」は鮮やかな黄色が名前の由来となっています。「ふじ」と「青り3
号(東光×リチャードデリシャス)」の交配品種で、最大の特徴は貯蔵性に優れ、しか
も貯蔵障害も起こらない点です。果実の重さは250〜300g程度と手頃で、食感も良く皮
が薄いので、丸かじりにも最適なリンゴです。

【見分け方】 美味しいリンゴを見分けるには、次の点に注意しましょう

1.色付きの良いリンゴを選びましょう。
 リンゴは着色の良いものほど甘みも強く味も濃いようです。しかし袋をかけて栽培し
た「有袋栽培」のリンゴは、色合いは明るいものの甘み・香が少し薄めになります。袋を
かけないで栽培した「無袋栽培」のリンゴは、着色は鈍く外見はやや劣りますが甘みが
強く香りも良いようです。

2.尻の青いものは避けましょう。
 リンゴの尻(果頂部)の部分を見て青いものは、葉緑素がまだ残っていて完熟してい
るとはいえません。尻の部分まで色付いたものは食べ頃になっている証しです。

3.甘い香りのするものを選びましょう。
 リンゴは熟したものほど特有の良い香りを出しますが、過熟になっていることもある
ので注意しましょう。

4.手触りが少々ザラザラしたものを選びましょう。
 サンふじは果実表面の果点がハッキリしたものには蜜が充分に入っています。

★りんごの『油あがり』
 リンゴの表面が油っこくなっているのは、成熟過程で生理的に分泌される物質による
もので、人工的にワックス処理をした為ではありません。リンゴが熟するにつれて果実
の部分にリノール酸とオレイン酸と言う脂肪酸が増えて、皮に含まれているノナコ酸や
メリシン酸などの固形物質を溶かす事によって生じる現象です。これらの物質には害は
無く、中でもリノール酸とオレイン酸は不飽和脂肪酸といわれ栄養価の高いものです。

【保存方法】
 リンゴは、そのまま置いておくと乾燥して味や食感を損なう原因になりますので、保
存には冷蔵庫の野菜室など低温で湿度を保てる所に置くと長持ちします。
 但し、冷蔵庫に入れて保存する場合は、リンゴから出るエチレンガスによって、冷蔵
庫内の野菜や他の果物の熟成を早め傷み易くするので、必ずポリ袋や容器に入れて
保存して下さい。冷蔵庫に入りきらない時には、温度変化が少なく日光の当たらない
涼しい所で保存しましょう。

【栄養価】
  リンゴには食物の消化・吸収・燃焼を助けるカリウム・ペクチン・リンゴ酸やビタミン
など多くの栄養素がバランス良く含まれています。

            リンゴの栄養成分表 (100gあたり)


エネルギー 水 分 タンパク質 脂 質 糖 質
50kcal 85.8g 0.2g 0.1g 13.1g

繊 維 灰 分 カルシウム リ ン
0.5g 0.3g 3mg 8mg 0.1mg

資料:「五訂日本食品標準成分表」
ナトリウム カリウム カロチン ナイアシン ビタミンC
1mg 110mg 11μg 0.1mg 3mg

【健康効果】
★高血圧の予防
 リンゴの常食は血管内の老廃物を取り除く働きをし、若々しい血管を保ちます。また、
リンゴに多く含まれているカリウムが、体内の余分な塩分(ナトリウム)を排出する作
用があります。この働きが血圧の上昇を防いでくれます。

★胃腸に優しい作用
 リンゴは胃酸のバランスを取るのに高い効果を示します。胃酸が少ない時には、胃酸
を増やし、逆に胃酸が多い時には、胃酸を中和する働きがあります。胃潰瘍などさまざ
まな胃病に悩んでいる人にはリンゴの常食を勧めます。また、リンゴには高い整腸作用
があるので、すりおろしたリンゴは乳幼児の胃腸に優しく作用し、ミルクの合間や離乳
食等に与えますと、消化吸収力が強くなります。

★疲労回復
 リンゴには赤血球の働きを促がし、量を増やす働きがあります。そのため貧血予防に
なる他、疲労時の老廃物を素早く取り除くので、疲労回復の効果や精神的な安定感をも
たらします。

★太りすぎの予防と美容に
 リンゴには美しい肌を作る様々な物質が含まれ、自律神経の乱れを調整する働きがあ
ります。ストレスから来る食べ過ぎを予防すると共に、太りすぎを防ぐなど美容効果も
高い果物です。