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夏はスイカだ! 

【すいか】

Watermelon(英) 【ウリ科スイカ属】

"夏の風物詩・西瓜"

夏の味覚を代表するスイカは、夏の風物詩として江戸時代から今日に至るまで、多くの人々から親しまれて来ました。みずみずしく色鮮やかな切り口からは、爽やかな甘い香りが漂い、暑さを忘れさせてくれます。

【原産地】  
スイカは南アフリカが原産地で、すでに2500年前に野生種があったと考えられています。栽培の歴史としましては、紀元前数千年の昔からエジプト・インド・ギリシャなど古代文明において栽培が始まり、世界中に広まったとされていますが、当時は種を食料にしたり、飲料や薬用に供していたようです。後に地中海地方や東アジアで栽培が盛んになり果物的用途に発達し、そこからインド・中央アジア・東南アジアへと伝播していきました。

日本への導入は16〜17世紀に中国から渡来したのではないかと言われていますが、いろんな説があり定かではありません。いずれにせよ日本よりも西の方向から伝わって来た瓜であることから、「西瓜(すいか)」という名が付いたようです。明治になって多くの品種が導入されましたが、アメリカからの導入品種アイスクリームが日本の風土・嗜好に適し在来種を圧倒、この馴化系やこれと在来種の雑種系が普及しました。こうした雑種系を整理するため、大正から昭和初期にかけて計画的育種事業が行われ、奈良県では水田地帯向けの大和群、遅れて千葉県では畑作地帯向け都群の一連の品種が育成されました。

現在の日本の実用品種(ほとんどが一代雑種F1)は、多かれ少なかれその流れをくんでいます。

【種類】  
スイカの品種は200〜300種類ありますが、市場に出回っているのはその内の1割ぐらいです。 現在、市場で流通している主要品種は、縞王マックス・ファインエース・甘泉・富士光・早生日章・天竜2号・紅大・ハニ―シャルマン・夏玉マイルド・金時・紅小玉・黄小玉・ポニー(ラグビーボール型)など、数多くありますが、それぞれに果形・大きさ・果皮色・縞の有無・果肉色などに違いがあります。

○大玉スイカ

果重が5〜7sで、豊円からやや長めの球形、淡緑の地に濃緑の縞があり、果肉の色は桃色から赤色。肉質にシャリ感があり、甘みに富み、種は小さく少ない。 この大玉スイカが日本のスイカの主流でありますが、核家族化・皮処理等の問題もあり、残念ながら段々と消費量が落ち込んでいます。

○小玉スイカ  

果皮の色・縞、・果形は大玉スイカと変わりませんが、果重は1.5〜2sで、冷蔵庫に丸のまま入るのがセールスポイントです。 肉質は大玉よりもザラつきますが、甘みに富み、果肉の色も赤系だけでなく黄系もあります。小玉スイカは果皮が薄く、ぎりぎりまで食べられるのが魅力ですが、反面割れやすいのが欠点です。

○黒部スイカ(マクラ・スイカ)  

明治末期にアメリカから富山県に導入されたラットルスネ―クの馴化系です。果重が15〜20sにも及ぶ俵形の大玉で、果肉の色は桃色、肉質は硬く、繊維質が多い。糖度はあまり高くないことから味はやや淡白で、果皮には淡緑色地に、太い縞模様が入ります。 核家族化が進んだ現代向きとはいえませんが、富山県の特産品として全国的にその名が知られています。日持ちが良く、輸送にも耐えることから主として贈答用に使われています。

○ラグビーボール  

果形は楕円形で2〜4sの赤肉の小玉スイカです。ラグビーボールの形をしていることからその名がつきました。甘みが強く、シャリ感があり、皮が薄めなのが特徴です。

○黒皮スイカ  

果皮が暗褐色で縞模様がないのが特徴です。赤肉で6s前後の大玉種。皮が薄く、果肉は明るい紅色、スッキリした甘さで口当たりがよいのが特徴です。

【選び方】  
美味しいスイカの選び方には、軽く叩いた時の音と手応えで、スイカの中身の状態を判断することが出来ます。熟しきってしまっているスイカは「ボテボテ」とした鈍い音がしますが、これはスイカの中がタナ落ちして、空洞になっている証拠です。

また、反対に若すぎるスイカは「ピンピン」とした感じの高い音になります。ちょうど食べ頃のスイカ音は「ポンポン」という感じの良い音が出ます。  外観的には丸みを帯びた形をした物で、表面の縞がはっきり出ていて、全体的にツヤのある物が美味しいと言われています。 カットした物なら、果肉の色が鮮やかで、種が黒々とした物が美味しいです。  

品種が同じであれば、太陽の恵みをより多く受けた大きい物ほど甘みがあります。また、外側の黒と緑の縞模様は、日が当ることによって出来るので、濃淡のはっきりした物の方が良いでしょう。  果実の等級を表す秀(形が良く、空洞も無い)・優(空洞は無いが、やや形が悪い)・良(形が悪く、空洞もある)の表示は味の差ではなく、形や中に空洞があるかないかです。  

鮮度の見分け方としましては、果面にツヤがあり、左右の形が整っていて、ツルの切り口が新鮮な物が良いです。

【保存法】  
夏の代表的なフルーツなので、もちろん冷蔵庫に入れて冷やして置くのが一番です。しかし、大きいために中心まで冷やすのにはとても時間がかかりますので、早く冷やしたい場合は、1/2か1/4に切って冷やすとよいでしょう。  

切り口はぴったりとラップで包み、切り口を上にして保存します。あるいは、赤い実の部分だけを一口サイズに切り、冷蔵保存容器に入れて冷やし、ガラス食器に盛り付けて食べても良いです。 ※保存適温は8〜10℃で、これ以下ですと低温障害を受けてしまいます。

【切り方】  
カット方法は縞を外して半分に切ってください。1/4カットは中心線から外して斜めに切ると種にぶつからず、断面も大きく見えます。1/4カットにしてから真中を中心に放射状に切ると、おいしい所を均一に分けることが出来ます。(垂直に切ると、端の方は甘みが薄くなってしまいます)

【栄養と効能】  
スイカは英語で「ウオーターメロン」と言うように、成分の90%以上が水分で、10%程が糖分です。果汁には、利尿作用があるカリウムやシトルリンが含まれています。スイカの利尿作用は、むくみを改善する他、尿と一緒に余分な塩分を排泄することから高血圧や動脈硬化・膀胱炎・腎炎の予防にも効果があると言われています。利尿作用は、果肉よりも皮の方に強いと言われています。

●スイカの種子には、リノール酸やタンパク質が非常に多く、ビタミンB群やEが豊富に含まれています。
●スイカに含まれる糖分の果糖やブドウ糖はエネルギー転換が速いので、夏の炎暑で疲れた身体を癒すにはスイカを食べると即効性があります。
●スイカは水分も多くのどの渇きを潤し、豊富に含まれているカリウムなどとの相乗的な働きにより、身体に涼を呼び、爽快感を与えます。
●スイカの種子には、解熱作用があり、熱さましに用いる他、可食部と同じく尿の出を良くする効果がとされています。スイカは昔から腎臓病の妙薬として知られてきました。

スイカの栄養成分表(100g中)  五訂食品成分表より

エネルギー(Kcal) たんぱく質(g) カリウム(mg) カルシウム(mg) ビタミンA(μg) ビタミンC(mg)
31 0.7 120 6 380 6

★スイカの皮は料理むき  
スイカの白い皮の部分は、果肉と同等の栄養があり、また味にくせがないので料理むきです。ただし、ビタミンC破壊酵素のアスコルビナーゼを持っているので、調理の際には、加熱料理・酢のもの・漬物などにしてアスコルビナーゼを壊さなければなりません。

○スイカの皮とわかめの酢のもの  ○スイカの皮と豚肉の炒め物   などに

丸果石川中央青果梶@やさい・かじつの情報 ’04.7月より抜粋