最近のゲーセンは変わった。何つうか、すごく垢抜けちゃって、明るくて、女の子も沢山入ってくる。10年前なら全く思いつきもしなかった光景だ。かつてのゲーマーたちは、「ゲーセンは不良のたまり場」と頭の悪い識者どもに馬鹿にされ、「いつか誰でも楽しくゲームが出来る時代がくる!!」と鼻息を荒くしていたものだった。
でも、世紀末を迎える頃にやって来た、「明るいゲーセン」ってのは、やっぱ見せかけだけのものなんじゃないか、って思うようになってきた。その理由は、客の全体的なマナーの低下が最たる原因である。だれもが勉強したはずの「公序良俗」という言葉の意味を理解していない輩が多すぎる。特に今の十代の連中の大半は手の着けようが無い。平気で煙草を吸う。そのタバコの火を筐体に押しつけて消す馬鹿もいる。通路に固まって突っ立っていて邪魔なことこの上ない。プレーしていないゲームの椅子に堂々と座る。とにかく声がでかく、「ブヒャヒャヒャ!」ととっても下品に笑う。それを注意しないバイト店員(たいていそいつらの仲間)注意するにもあの鼻ピアスは何持ってるか分からないし、その手の苦言を呈した人がサクッと刺されて死んじゃった事件なんか、結構多いから困ったもんだ。表面上はキレイに見えても、百鬼夜行レベルは今なお上昇している。
これだったら、10年前のゲーセンの方がよっぽど良かった。暗めの照明に、大の男がわらわらと集い、一つのゲームについてああでもない、こうでもないと議論していた日々。オレは当時中学生だったが、日々更新されるスコアボードを見ては、なけなしの向上心を突き動かされ、小遣いを全部筐体に飲み込まれた。昔は、そういったゲームに対する挑戦心とか、一つのゲームに対する限りない努力ってのが存在した。でも今は、短い時間で、誰でも簡単に出来て、別にスコアなんか関係ないよん、てなゲームが増えすぎて、しかもそれをプレイする人間もだらだらとしている。対戦格闘ゲームでも、楽をしながらでもとにかく勝ちたいという腑抜けが増えてきて、強い技にひたすら頼り、相手のミスにつけ込む戦い方しか出来なくなっている。
とにかく、こんな無秩序な状態が続くようであれば、あと5年もすれば、全国のゲーセンという場所は今の半分以下に減ってしまうような気がする。残されるのはやっぱり「不良のたまり場」だろう。そうならない対策以前に、人間の質の向上を若造共に求めなければならんというのが非常に悲しい。元来誇り高き民族であるはずの日本人を取り戻してほしいぞ。特に高校生な。