ファミコン/スーパーファミコン


MOTHERシリーズ(任天堂)

-それ行け地球防衛軍!!エスパーキッズ大活躍!!-

 糸井氏が渾身の大人ののめり込みを見せてくれた傑作RPG。現代を舞台にしたRPG数あれど、ここまでハイセンスな作品は無いです。ビンビンのB級SFの小ネタを仕込みつつも、マニアックに傾倒せず、あくまでポップでキッチュなヴィジュアルが乙女にも大人気と評判です。(多分)

 中でもオレがお気に入りなのが、主人公のメイン武器のバット!!荒れ狂う青春の情動をぶつけるための凶器No1のこのアイテムも、宇宙人相手の制裁なら全然オッケーなのですね。って言うかスマッシュヒット気持ちよすぎ。女の子のフライパンはディ○ニーとかワー○ーが散々やり尽くしたネタの感があるので次点です。

 もう一つ重要なのが、素敵な音楽。坂本教授の2歩3歩も上を行く超癒し系サウンドから、ラヴアンドピースなテケテケロックまで、幅広くカバー。素敵です。

 こんなにイカス要素満載のゲームですが、作ったのはオッサンです。でも、そのオッサンと、オレ達が持っていた「幼き日の情景」のイメージがめちゃくちゃ一致しているのが、凄く嬉しいです。お菓子だらけのリュックをしょって、ママの作るミートパイ(オレ的好物)をたっぷり食べて、大冒険に出発!やがてボクは出会うだろう。すばらしき友人との出会い、こんなにも広かった大地、青空、目覚めつつある内なる力、許されざる悪、そして、恋・・・・・・。

 人の世がいかに乱れようとも、揺るぎない真実というのは、必ず存在します。このゲームにはその真実があります。でも、真っ向からそれを叫ぶのは、ちょっと恥ずかしいから、お腹いっぱいのユーモアで包んでます。どうですか?そんな事を、糸井氏は告げたかったんじゃないでしょうか?とにかく、歌いましょう。いつか聞いたあの歌を。


F−ZERO(スーパーファミコン:任天堂)

-遅せェ奴には用はねぇ!!とっととコースを出て逝きやがれ!!-

 スーパーファミコン黎明期に新世代の香りを感じさせた近未来カットビカーレースです。発売直後、その異常なスピード感に「何じゃこりゃあ!」とジーパン刑事よろしく叫んだプレイヤーは数知れず。誰もがタイムアタックに夢中になりました。

 その中でも、特記すべきなのが「ファミ通」誌上で展開された渋谷洋一ハイローラー大元帥による全国規模のタイムアタックでした。これが凄かった。毎回更新されるコンマ刻みのタイム、次々と開発されるスーパーテクニック。中でもオレが今でも印象にあるのが、ソニックスタートです。これは、スタートした時、COMが操る敵車より先に前に出て、わざと後ろから追突されるという荒技です。これで初速は異常なくらいハネ上がりました。追突のされかたが悪いと、コースの隅に吹っ飛ばされたりと、結構リスクもでかい技でした。そのほかにもコースはじのガードバリヤースレスレをかすって走ったり、ジャンプ台やニトロ(正式名忘れた。たしか急加速するやつ)の利用法など、オレのような 凡人頭をブチ砕く巧の技が誌面に展開されていました。

 ファミ通読者なら現在の「点取道場」のノリをイメージしてもらえれば一発で理解できますが、当時の熱さはそんなもんじゃなかったです。思えばこのあたりの情熱がやり込みプレイの先駆けだったのかもしれません。

 蛇足ですが、このゲームをたたえてある歌がファミ通に掲載されました。「は〜しるま〜がるふ〜くらむ〜ケ〜ツをま〜げるな〜こ〜の野〜郎」って歌だったと思いますが、これはF−ZEROのとあるコースのBGMの替え歌なんですが、これ分かった人はオレ的に 象印賞 ですので是非メールなり掲示板に書き込みを宜しく。


悪魔城伝説(ファミコン:コナミ)

-半魚人に尋常じゃない殺意を覚えた若さゆえの過ち-

 いきなりファミコンかよ、なんて言わないで下さい。はっきり言って、このゲームもやってないのに、「オレってゲーマーでさあ」なんつってビートマニアばっかやってる御仁をオレはゲーマーと認めたくないです。マブで。

 内容はコナミの放ったモダンホラーアクションの金字塔「悪魔城ドラキュラ」の第3作品目。実はエピソード1 だったりするのはクリアした野郎だけの楽屋オチです。それはともかく、この作品、ただひたすらに音が良い。ろくに音源積んでなかったファミコンに「オレが根性見せてやる」と言わんばかりに、カートリッジに音源チップを搭載しています。当ゲーム音楽スタッフの酔狂心の極みが伺えて、実に楽しいです。

 ゲーム内容の方も実に充実していて、主人公は相変わらずムチでロウソクをしばいてパワーアップです。横の強調文見て淫らな妄想に駆られたキミは今すぐ帰れ。脱線。オマケに壁の中に埋まっているいつの頃で何の生物だか知れないヴィンテージなを食って滋養を蓄えるあたりもシリーズのお約束です。ええと、そんでもって敵なんですけど、これが厄介で、特に突如出てくるコウモリとか骸骨に奈落の底に落とされて泣いたゲーマーも結構いるでしょう。

 攻略法は死んで死んでとにかく死んで、敵の出現位置、アイテムの場所。崖を飛ぶタイミングなんかを体で覚えるのが基本でした。やがて生み出されるのが1ミリたりとも狂った動きを見せない、戦闘マッスィーンと化したプレイヤーとその分身のラルフ・ベルモント君だったのです。それでも死ぬときゃ死んだけど。

 でもって、数々のボスをムチでしばいて(しつこい)たどり着く先は諸悪の根元ドラキュラ君の部屋。そこで出会う伯爵様は一見かなり貧弱ボーイに見えるんですが、攻撃は凶暴極まりないです。よくマンガとかで、ちょっとワル入ってるけど実は優しい美形の吸血鬼と保健体育の授業マジメに聞いてたんかいコラ?と思うような清純な女の子が報われない恋に落ちるなんてお話がありますけど、このゲームの吸血鬼を見た日にゃあ、とてもそんなドリーム信じられなくなります。速攻心臓に杭ですよ。杭。

 とにかくそれくらい攻撃が辛かったことを理解してくれ。総括として、オレがこのゲームを好きな訳は、ファミコンのハード的限界が見え始めていながらも、「まだまだオレ達はこんなことが出来るんだ!!ホラ、音楽もカッコ良くなってるぜ?難易度高くてムカつくだろうけど、乗り越えた時の快感は格別だろ?スゲエだろ、な?」なんて感じのメッセージを全てこのソフトに叩き込んだ開発者の 心意気に惚れたんです。実際このゲームに費やした大量の時間は実に無駄で無茶で無謀で楽しかったです。

 最近はこのゲームくらいイカレた横スクロールアクションがなかなか出なくなって淋しい限りなんですけど、ここいらで王道復帰の「悪魔城」作って下さいコナミ様。もちろん、ポリゴンにするのだけは止めて下さい。


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