【4】丸石自転車事実上倒産

丸石自転車が事実上倒産、負債総額は約29億円(2004/9/16)

 民間信用調査機関の帝国データバンクは16日、元社長による架空増資疑惑が発覚した丸石自転車(東京都千代田区)が2回目の不渡りを出して、銀行取引停止となり、事実上倒産したと発表した。負債総額は約29億円と見られる。
 同社は1909年設立の自転車業界の老舗企業だが、疑惑発覚などの影響で、9月4日には同社の持ち株会社の丸石ホールディングス(HD)が東証2部を上場廃止となっていた。
 ただ、自転車事業については、グループ企業の滋賀丸石自転車工業に9月1日付で移管しており、存続するとしている。       

◆架空増資事件、丸石自転車の元社長らを再逮捕 (2004/8/7)

 「丸石自転車」(東京都千代田区)を巡る架空増資事件で、同社が昨年8月に発表した増資についても、実体のない「見せ金増資」だった疑いが強まり、警視庁組織犯罪対策4課は6日夜、同社元社長八木芳雄被告(53)ら2人を電磁的公正証書原本不実記録・同供用容疑で再逮捕した。
 また、見せ金増資に協力した鹿児島県国分市のリゾート開発会社「三友」社長、紙屋道雄(54)、パチンコ経営会社社員、崔満根(46)ら4容疑者を新たに逮捕した。
 調べによると、丸石自転車は昨年8月から今年1月にかけ、第三者割当増資によって1億1000万株を約56億円で売却した。このうち崔容疑者らが引き受けた約1500万株分の資金約8億2千万円は、丸石自転車が三友などを通じて資金提供していたもので、増資の実体がないにもかかわらず、東京法務局で資本金が増えたとする虚偽の法人登記をした疑い。紙屋容疑者らは、手にした同社株を額面の半額以下で転売して利益を得ていたという。また、同容疑者らは指定暴力団山口組などと付き合いがあり、利益の使途などを追及する。
 三友は、介護施設建設などで丸石自転車と業務提携をしていたほか、丸石自転車が総額約47億円の支出を貸付金と偽って計上する不正経理を行った際には、架空の貸し付け先にもなっていた。

◆丸石ホールディングス株式会社の上場廃止について

 弊社の完全子会社である丸石自転車株式会社は、弊社会計監査人より平成16年11月期の中間会計期間(平成15年12月1日から平成16年5月31日まで)に係る財務諸表に対する証券取引法第193条の2第1項に基づく監査証明において、「意見差控え」の総合意見の提出がなされました。(こちらの詳細は平成16年8月3日開示の「弊社子会社丸石自転車株式会社における財務諸表への『意見差控え』の監査意見に関するお知らせ」にて参照願います。)
 これを受けて平成16年8月3日に株式会社東京証券取引所から株券上場廃止基準第2条第1項第16号に該当するため、丸石ホールディングス株式会社は平成16年8月4日から平成16年9月3日までの整理ポスト割当期間を以って、平成16年9月4日に上場廃止との通達(但し、速やかに上場廃止すべき事情が発生した場合は、整理ポスト割当期間及び上場廃止日を変更されることがある)がありました。
 関係者の皆様には多大なるご心配をお掛けしておりますことを深くお詫び申し上げます。
 弊社はこの事実を厳粛かつ重大に受け止めるとともに、今後はお客様第一、品質第一の基本に立ち返り、企業風土を改め、コンプライアンスの徹底を推進していくことにより、皆様から信頼される企業として生まれ変わるために全力を尽くして参ります。
 なお丸石ホールディングス株式会社の臨時株主総会は平成16年8月10日に予定通り開催いたします。
                                       平成16年8月4日
                                        丸石ホールディングス株式会社
                                          代表取締役社長永堀 隆司


◆弊社子会社丸石自転車鰍ノおける財務諸表への「意見差控え」の監査意見に関するお知らせ

 弊社子会社の丸石自転車株式会社は、平成16 年11 月期の中間会計期間(平成15 年12月1日から平成16 年5月31 日まで)に係る財務諸表に対する証券取引法第193条の2第1項に基づく監査証明において、丸石自転車株式会社の会計監査人から半期報告書の「経理の状況」の作成以前にもかかわらず、一方的に「意見差控え」の総合意見を平成16 年8月2日に提出がなされましたので、下記のとおりお知らせいたします。

1.対象となる法定開示書類
@ 連結中間財務諸表
・ 中間連結貸借対照表、中間連結損益計算書、中間連結剰余金計算書、中間連結キャッシュ・フロー計算書
A 個別中間財務諸表
・ 中間貸借対照表、中間損益計算書
2.今後の見通し
 当社としましては、子会社の丸石自転車株式会社における中間決算短信を平成16 年7月31 日に発表いたしました。当該数値の取り纏めに長時間を要したため、本中間決算短信は未監査である旨を注記し、発表しております。
 本中間期に係る半期報告書につきましては、会計監査人と十分な話し合いをし、その提出期限となる平成16 年8月31 日までに監査報告書を提出して頂き、半期報告書を提出する予定でありましたが、昨日会計監査人より、意見の表明を差控える旨の「独立監査人の中間監査報告書」が提出されました。
 当社としましては、適正意見を表明して頂くべく会計監査人と協議を重ねておりましたが、昨日会計監査人より、上述の報告書が一方的に突然なされたものであります。
 なお、会計監査人の「意見差控え」の理由につきましては、以下の5項目となっております。
@ 会社では平成15年12 月以降、多額の手形、小切手が取締役会の承認なしに振り出されており、これらのうち、取引内容の不明なものの金額は中間連結財務諸表に重要な影響を与えている。
A 平成16 年6 月22 日に前社長、経理部長他計4 名が電磁的公正証書原本不実記録・同供用の罪で起訴されているため、手形、小切手の支払内容の全面解明のために必要な前社長、経理部長からの情報収集には重大な制約がある。
B 発行された多額の手形、小切手のうち、未決済分の負債計上の網羅性について、前社長、経理部長が拘留中のため、十分な確証が持てなかった。
C 会社の重要な証憑類の資料が警察に提出されていることや重要な契約書等の原本の一部が紛失している事実等があり、十分な監査証拠を入手することができなかった。
D 前社長が行った重要貸付先との間の金銭債権等について、現在会社は係争中であり、その結果によっては中間連結財務諸表の修正の可能性がある。
(注)なお上述の@〜Dについては会計監査人より提出された「独立監査人の中間監査報告書」から引用しております。
 これらに関しましては、丸石自転車株式会社として最大限保守的な決算を行うべく、会計監査人と話し合いを続け、最大限の協力をしておりました。それにもかかわらず、昨日の「意見差控え」の表明は、事前の連絡無しによるもので、丸石自転車株式会社の清澤取締役社長並びに佐野常勤監査役は、平成16 年8 月2日提出時点において、その旨の説明を受けておりませんでした。監査対象となる本中間期の半期報告書における「経理の状況」の作成以前に「意見差控え」の表明は、会計監査人として最大限の監査を行う必要があるにもかかわらず、責任逃れの職務放棄と言わざるを得ません。
 よって会計監査人を解任し、法的措置を行使致します。今後に関しましては、関係各位と相談の上、平成16 年8月31 日までに本中間期における半期報告書の作成に鋭意取組んで参ります。

◆手数料47億円は「貸付金」、丸石自転車が不正経理(2004.5.31)

 架空増資疑惑が浮上している「丸石自転車」(本社・東京)で、同社が、福祉関係業者らに払った債務の返済やコンサルタント業者への手数料など総額47億円余の支出を、別の企業への「貸付金」として虚偽計上する不正経理を行っていたことが分かった。
 今月25日に解任された八木芳雄・前社長(52)が、不正経理の事実を認める「確約書」を作成していたことも判明。同社は30日、この不正経理とは別に、八木前社長が不正融資を行っていた疑いがあるとして、商法の特別背任容疑で警視庁に告訴する方針を明らかにした。
 八木前社長の説明や関係者の証言によると、同社は2002年末ごろから、東京都内の福祉関係業者らと業務提携するなどして、介護支援事業を始めた。しかし、半年後の2003年春ごろには、新規事業の見通しが立たなくなり、業務提携は解消された。その結果、丸石自転車は福祉関係業者に対し、数億円規模の債務を抱えることになったという。また、同社は新規事業のため多額の手形を発行していたが、事業が頓挫したことで、手形決済に必要な現金を確保するために新たに手形を発行する悪循環に陥り、関西地方の医療コンサルタント業者らに、手形の割引先を探してもらうようになったという。
 これらの債務の返済や、返済遅延に伴う金利払い、医療コンサルタント業者への手数料などで社外に流れた資金は、昨年11月期決算時点で計47億2400万円に上っていた。
 しかし、丸石自転車はこれらの社外流出分を、鹿児島県のリゾート開発会社に融資したことにし、将来回収できる可能性のある「貸付金」として決算に計上して、虚偽の「債権債務残高確認書」まで作成。その上で八木前社長が、「この確認書は、当社が監査法人に提出するためのものであり、何ら実体がない」などと記した今年1月22日付の「確約書」を、リゾート開発会社側に渡していた。
 八木前社長は、読売新聞の取材に対し、確約書を自ら作成したことを認めた上で「自転車事業ではやっていけなくなり、介護事業に手を広げた。だが、それもうまくいかず、第三者に手形を託すようになった」などと説明。「損金として計上すべきだったが、(そうすると信用を失い)会社が終わってしまうと思い、表に出せなかった」などと、不正経理を行った背景事情を語った。
 丸石自転車は2002年末以降、新規事業の資金調達を理由に増資を繰り返しており、2001年7月時点で9億1000万円だった資本金は、今年3月時点で7倍以上の68億2000万円まで拡大した。しかし、増資金の多くは、不透明な形で社外に流出したものと見られている。

◆平成15年11月期有価証券報告書

1 【主要な経営指標等の推移】

(1) 連結経営指標等

回次

第82期

第83期

第84期

第85期

第86期

決算年月

平成11年11月

平成12年11月

平成13年11月

平成14年11月

平成15年11月

売上高

(千円)

7,540,163

6,679,443

6,140,490

5,375,420

4,630,051

経常利益又は

経常損失(△)

(千円)

7,362

△300,650

△495,870

△460,251

△670,065

当期純利益又は

当期純損失(△)

(千円)

318,800

△347,021

△692,200

△567,853

△5,596,455

純資産額

(千円)

1,729,550

1,392,501

1,063,111

591,474

611,332

総資産額

(千円)

4,751,797

4,134,476

3,807,043

2,676,546

3,379,477

営業活動による

キャッシュ・フロー

(千円)

△394,339

△685,830

△449,368

△921,616

投資活動による

キャッシュ・フロー

(千円)

△76,182

22,418

428,584

△5,433,410

財務活動による

キャッシュ・フロー

(千円)

101,137

508,220

△116,688

6,477,776

現金及び現金同等物

の期末残高

(千円)

377,035

221,843

84,371

207,121


(継続企業の前提に重要な疑義を抱かせる事象又は状況)
 当社グループは、平成15年7月28日策定の新経営再建計画に基づき、自転車の拡販と介護及び新規事業開拓を進め、その為の資金調達として、同年8月に第三者割当新株予約権方式による60億円の増資を決定し、新規事業のための投資を行ってまいりました。この結果、当社グループは、連結会計期間末現在、約14億円の営業外支払手形の残高があり、それを含めた短期貸付金の残高が、約52億円となりました。当該貸付金については、現時点では、その回収可能性、資産の取得可能性を裏付けるような保全措置をとることができていないため、特別損失として約46億円の貸倒引当金繰入額を計上し、連結当期純損失は約56億円となりました。これにより、当社グループには継続企業の前提に関する重要な疑義が存在しています。
 当該手形及び短期貸付金は、新規事業開拓のための介護関係の物件取得及び電子地図作成特許取得(GIS特許)並びに資金調達として業務提携先企業1社に対し発行又は貸付たものであります。
しかし、平成15年8月の第三者割当新株予約権方式による60億円の増資予定が、予約権の行使状況が当初見込みに対して時間的に遅れたことにより充分な資金を得ることが出来ず、連結会計期間末には取得予定であった物件及び特許を期中には取得するための処置をとることができませんでした。
さらに不足資金を補う形で追加発行した手形や小切手により、短期貸付金の残高は、平成16年2月26日現在では、少なくとも概算で約101億円となっていますが、この貸付金については、平成16年2月26日現在、明確な担保、保全措置がとれておりません。
 また、提携先企業への資金調達の目的で発行した手形及び小切手の残高は、平成16年2月26日現在では、概算で約84億円あり、今後の収益計画や資金調達の実施いかんによっては、決済ができなくなる危険性があります。
 この状況を解消すべく当社グループとしては、以下の処置を迅速に取ってまいります。
@短期貸付金の主たる内容である介護関係の物件取得については、早急に保全の措置を取ったのちに、自社にて取得運営するものと、他に転売し譲渡益を得るもの、さらには担保として資金調達を図るものに分類し、それぞれの迅速な対応を行ってまいります。
A新たに新株予約権を150,000個発行し、資金調達を行い、手形・小切手の発行残高を極力減らしてまいります。
B新規事業等の経営責任の明確化と意思決定の迅速化を図っていくために、株式移転による完全親会社設立を図り、経営の効率化・体質強化を図ってまいります。
C本業の完成自転車の製造販売事業については、より一層のコスト削減と大幅な拡販を行い、来期の黒字化を目指します。
 連結財務諸表は継続企業を前提として作成されており、このような重要な疑義の影響を連結財務諸表には反映していません。