最初の戦いに備え金稼ぎレベルアップに励む4人組。
だが、現実の壁は厚い!
 
パーティーメンバー
戦士=オスカー 赤魔術士=オリヴィエ 白魔術士=リュミエール 黒魔術士=クラヴィス
 
初戦
 
 
戦「いよいよ、俺の実力を見せつける時がきたな」
 
白「頑張って下さい、オスカー…頼りにしております…」
 
戦「ふ…任せておけ…お前は後ろで見ているだけでいい…」
 
赤「あのさぁ…いちゃいちゃは状況を見て言おうね。ほら、目の前にゴブリンちゃん達が登場してるんだけど」
 
戦「おっと、そうだった…よし、いくぞ!」(すか!)
 
赤「なにやってんのー!カッコつけて、いきなり空振り?」(こっちもすか!)
 
白「どうなさったのですか?お二人とも…調子でも悪いのですか?」(ごん!)
 
戦「リュミエール、なにをしている!お前が戦いに参加する必要はないんだぞ!」
 
白「いえ、わたくしも争いたくはないのですが…どうやら、防御が出来ないらしいのです〜」
 
戦「ぬわに〜?」
 
赤「オスカー、前みなって!ほら、敵の攻撃がくるよ!」
 
戦(すか!)「おお…敵も空振りか…」
 
赤「感心してるんじゃないよ、あんたって、実は見かけ倒しなんじゃないの?」
 
黒「…ファイア…」
 
白「ああ、クラヴィス様!敵を一体、倒しました!」
 
赤「このへっぽこ戦士より、頼りになりそうだね!もっとじゃんじゃんいっちゃって!クラヴィス!」
 
戦「誰がへっぽこだ!」(すか!)
 
赤「スカスカ空振りばっかりしてる、どっかの自称剣士様だよ!」
 
黒「…残念ながら、魔法はこれで打ち止めだが…」
 
赤「へ?」
 
黒「レベル1につき…魔法は一回で終わりだ…」
 
赤「終わりって、なにを落ち着いてるのさー!ゴブちゃん達は、ひい、ふう…あと5体もいるじゃないか!」
 
白「落ち着いてください、オリヴィエ!わたくしも頑張りますから…えい!」(ぽか!)
 
戦「嘆いている暇はない、オリヴィエ!とりゃ!良し、あたった!」(ごき!)
 
白「オスカー、一撃です。すばらしいです!」
 
戦「ふ…お前のがんばりを無駄にしないためにも…な…」
 
赤「だーかーら、いちゃいちゃは後でやりなって!たあ!私も一体!」(ぼか!)
 
戦「当たれば一撃なんだがな」
 
赤「命中率が悪すぎ!まあ、相手も似たようなもんだけどね」
 
黒「…この苦戦の具合が、今現在の我々の実力だという事だな…」
 
白「クラヴィス様の仰るとおりです。今は頑張って力を付けなければ…えい!」(すか!)
 
赤「クラヴィスもぼーっとしてないで、リュミちゃんと同じヤツ殴ってて!」
 
黒「…大儀な…」(ぽか!)
 
戦「どりゃ!これでどうだ!」(ぼか!)
 
赤「当たった!よし、初勝利〜〜〜!」(どか!)
 
白「…疲れました…」
 
戦「ああ、大丈夫か?リュミエール…モンスターの落とした金はいくらだ?宿に泊まれるか?」
 
赤「ちょっとお待ち…ひい、ふう…18ギルか…手持ちと合わせれば泊まれるね、宿屋…」
 
白「あれだけ苦労しても…これだけなのですね…」(ちょっと、じわ…)
 
黒「仕方あるまい…まずは実戦を重ね、実力を付けることが先であろうな…」
 
戦「クラヴィス様も、魔法が一度で打ち止めでは、実力を発揮するどころではありませんからな」
 
黒「…ふ…確かに、剣をふっても敵と離れた地面を穿つだけでは、剣も泣こうという物。
…戦士としての実力を発揮できたとは、言い難いだろう…」
 
戦「…俺の剣の腕前を疑っているのですか?」
 
黒「私は、目にした事実を言っているまでだが…?」
 
赤「はいはい、剣呑な睨み合いはここまでー!確かに私ら、いまだ英雄志願者に過ぎないからね。
苦戦だろうが、手にした報酬がしょぼかろうが、今は地道にやるしかないって事さ。さ、とりあえず、帰って寝よう」
 
戦「お前にしては、ずいぶんと、堅実な意見だな」
 
赤「当たり前だよ、私は現実派。自分のしょぼさ加減を自覚しなきゃ、上達も見込めないからね」
 
白「オリヴィエの仰るとおりです。愚痴などこぼして恥ずかしい…頑張ります!」
 
赤「その調子さ!…しかし…私らの実力も確かにしょぼいけどさ…手に入る金も本当にしょぼいね…」
 
戦「一戦ごとに宿屋に泊まっていたら、金なんてたまるのか?」
 
赤「私らがレベルアップすれば、一戦事に休む必要もなくなるだろうね…とりあえず、…休もう…」
 
白「そうですね、休みましょう…いつの日か、この手に余るほどのポーションを買える日が来ることを願って…」
 
戦「…いかん…なんだかわびしくなってきた…」
 
 
辛くも初戦勝利を飾った4人。
まだまだへっぽこ初心者勇者!真の勇者となる日を目指し、ファイトだ!