いよいよやってきた最初のボス戦。
いつもいつも、のんびり脱力漫才ばかりしてるわけじゃないぞ、の、初心者勇者!
 
パーティーメンバー
戦士=オスカー 赤魔術士=オリヴィエ 白魔術士=リュミエール 黒魔術士=クラヴィス
その他
コーネリア王女・セーラ=ロザリア 敵ボス・ガーランド=レヴィアス
 
ガイア神殿
 
 
戦「…みんな、油断するな…この扉の向こうから、ただならぬ気配がする…」
 
赤「おお、何かヒーローっぽいセリフ!」
 
白「あの…一応、わたくし達は、ここではヒーロー役になると思うのですが…?」
 
黒「…この面子に、緊張感という言葉はないようだな…言わずもがなの事であったが…」
 
戦「他人事のように仰ってますが、そういうクラヴィス様は緊張していますか?」
 
黒「…ふっ」
 
戦「どう見ても、緊張していませんね」
 
黒「そう見えるのなら、そうなのであろう…(ふっ)」
 
白「さすがはクラヴィス様…どの様な局面においても、冷静でおられます」
 
戦「(むか!)開けるぞ!」(ドアをバーン!と)
 
騎「来たか(嘲笑)、だが、貴様等に邪魔はさせん」
 
赤「人を見るなり敵扱いするって事は、あんた、友達いないでしょ」
 
白「そういう問題ですか?」
 
戦「騎士レヴィアスよ、ロザリア姫は返してもらおう!」
 
騎「断る。俺はロザリア姫を手に入れ、そしてコーネリアも手に入れるのだ」
 
戦「問答無用だな」
 
赤「何か、重量級同士の緊迫感ある遣り取りって感じかな。つーか、ファンタジーな雰囲気」
 
白「…はっ!オスカー、気をつけてください!」
 
戦「どうした、リュミエール!こいつが何か罠でも?」
 
白「いいえ、あの、騎士レヴィアスの防具はわたくしたちの物よりも、はるかに
頑丈で高価そうに見えるだけです!」
 
戦「…ばた」
 
赤「リュミちゃん〜〜だから、思いつきで、変なこと、いわないでってば〜〜」
 
黒「…頑丈そうであるのは、認めるが…」
 
白「すみません…なんだか、上から下まで、びっしり固められているようですので、つい、
咄嗟に高価なのだろうなと…」
 
赤「金欠病が、身に染みついちゃったみたいだね。よしよし、いつかリュミちゃんにも
最高級品の防具を買ってあげるよ…」
 
戦「…もう、いい…。気を取り直して、行くぞ!覚悟、レヴィアス!」
 
騎「笑止!貴様等のような駆け出しが、この俺を倒せるとでも思っているのか?」
(マントを翻す)
 
赤「あ、何か、あれ、格好いい!オスカー、ほら、あんたも負けずにマントを翻すんだよ!」
 
戦「そうしたいのは山々なのだが、戦士の俺には、まだマントは装備されてないんだ」
 
赤「ちぇ、見た目は、完全にあっちの方が恰好良いね」
 
白「そんな事はありません。オスカーの方が、よほど堂々としております」
 
戦「リュミエール…他の誰がなんと言おうとも、お前さえ、そう言ってくれるのならば…」
 
赤「あんた等〜〜〜」
 
騎「貴様等、ここになにをしに来たのだ…?(額に青筋)」
 
赤「ほら、敵にまで、呆れられてるじゃないか」
 
黒「…ふ…」
 
戦「クラヴィス様?あなたの含み笑いの方が、レヴィアスよりもよほど、気になるのですが?」
 
黒「深い意味はない…気にするな」
 
騎「(プチ!)いい加減にするがいい、我の邪魔をするというのならば、ここで切り倒してくれるわ!」
 
戦「いかん、来るぞ、みんな!気をつけろ!」
 
赤「気をつけろって…あんたが、気を逸らさせてたんじゃないか」
 
戦「その事は後回しだ!オリヴィエ、行くぞ!クラヴィス様も、可能なだけ魔法攻撃を!」
 
黒「…心得た」
 
戦「リュミエール!」
 
白「はい!」
 
戦「お前は物陰に隠れてるんだ…いて!(ぼか)」
 
赤「だーかーら!こんな時に手を握って何やってんの、あんたは!リュミちゃん、無理しないで、
できるだけケアルとアイテム係よろしく!」
 
白「はい、承知いたしました。皆様、お気をつけて!」
 
戦「お前に殴られたせいで、もうHPが減ったような気がするぞ、オリヴィエ。この落とし前は、
レヴィアスを倒したときに、つけさせてもらう!どりゃ!」
 
赤「ああ、判ってるって!てや!」
 
黒「万物の根元たるマナよ…我が敵対する物を焼き尽くせ…ファイア」
 
騎「…く…この私が、まさか、貴様等ごときに…ぐおおおお(がくっと膝をつく)」
 
戦「弱っているぞ、行くぞ、とどめだ!」
 
騎「ぐああああ…だが、まだ私は…おおおおおお」
 
白「…ああ!レヴィアスが消えてゆきます!」
 
赤「やった!倒したよ、でかした、オスカー!」
 
戦「ふ…たとえ騎士であろうと、このオスカーの敵ではない…ふははははは」
 
白「オスカー、やりましたね…」
 
戦「リュミエール…」
 
赤「見つめ合うのは、まだ後!ロザリア姫の様子を確認しなきゃ!」
 
戦「おお、そうだった…ロザリア姫…ああああ?」
 
姫「…わたくしを助けてくださったのは…あなた様ですの…?どうぞ、お名前を仰って…」
 
黒「…クラヴィスともうすもの…姫…お怪我は…?」
 
姫「ありませんわ…心より感謝いたします…黒魔術士クラヴィス…」
 
戦「ああああ?いつのまに、クラヴィス様が?ロザリア姫と熱く見つめ合ってるんだ?」
 
白「…どうして、あなたが、それにショックを受けているんですか?まさか…」
 
戦「あ、いや…リュミエール、違うんだ!だが、こういう場合、姫を抱き起こすのは、
戦士の役割ではなかったかと…ああああ、泣くな、リュミエール!」
 
姫「クラヴィス様…どうか、わたくしと共に、コーネリアの城にいらして下さいませ…」
 
黒「望みのままに…」
 
赤「…とことん、緊張感がないね、…この面子ってさ…って言うか、いきなり、
みんな、おつむが花盛りってなんなのよ。
 
…ひょっとして、レヴィアスについた方が、シリアス街道まっしぐらで良かったかも…
ああああ、失敗したーーー!」
 
戦「お前の叫びが、一番、花盛りだな…」
 
 
なんとか最初のボス戦勝利を飾った四人組。
次は再びコーネリア城へ。