◆あとがきもどき◆

文字通り後書きもどき…「逢魔が刻」シリーズだけ。
「共寝」の方は雰囲気とイメージ重視で特記することも無し、…です。

 

【妖雨】
白霊山の麓に犬一行が立ったとき、珊瑚やかごめはなんともないのに、弥勒だけが居心地悪さを感じたところを読んで、「いけ好かない結界や」と思ったのがきっかけ。
正直、弥勒よりも珊瑚達の方が清らかだとは思えないのです。とくに珊瑚だって奈落を憎み恨むという負の感情を持っているわけだし。憎しみを知っている以上、清らかとは言い難い。梺の人達だって自己保身のために、都合悪い人を追い出す、とかいったあくどい行為を平気で行ってるわけだし(睡骨に逆襲されてましたが)。なんかもうこれは、自分の中の負の部分を自覚してるかどうかの差かなとか。どっちにしても問答無用で妖怪を浄化しようとしたり、ひどく不自然で傲慢な印象を受けたのでした。




【お狐様騒動顛末記】
陰気くさい話が続いたので、少し軽めのネタを……という話。本当は奔走する邪見とりんを尻目に、肝心の殺生丸達はのんびりデート、の予定だったのですが事件を起こしたくなるのは習性です。とにかく、これで「恋人同士」の認識は2人ともできましたので、ベタベタネタも解禁……カナ?(笑)あまり期待はしないで下さいませ…(^^;;

【化生】
資料を探していたらたまたま見つけた言葉。「御陣女郎」「首化粧」からの連想。戦争にくっついていって商売をする女郎さん達がいて、武将が首をあらためるために、とった敵兵の首を綺麗にする化粧もやっていた、という内容だったのですが、他の資料見たら普通に侍の妻や娘達も首化粧はしていたそうな。御陣女郎は卑しい役目を押しつけられていた女性達…な気がしていたのですが、別に特殊な役目でもなんでもなかったのですね。死体が近くにあって当たり前の時代というか…今の感覚なら怖い時代です。(^^;;
報奨金を得るためにお歯黒など施し、身分の高い人の首に見せかけたりもしていたそうです。

【行きつ戻りつ】
怪談話としては多分ポピュラーな産女、子育て幽霊。池の主さんは朝日ソノラマ刊「闇の検証」3巻に登場の遊女明里さん(新撰組、山南敬助の恋人といわれた女性です)のイメージを参考にいたしました。
たまには兄上も悩ませてみようか?というけっこう安直なきっかけで出来た話です。でも一番悩んだのはタイトル付けでした。決まらなくて困ったー!

【交差】
りんを書いてみたかった。でも気が付いたら、事件も妖怪もなんにも無し、「怪異あり」の看板に偽りありのほのぼのになってた。(^^;;


【逆光】
殺生丸ファンになって最初に思い浮かんだのが、自分がとどめを刺した敵に口付けするシーン。「死の接吻」とか「死の天使」のイメージがあったらしい。作品としてまとまったのは、弥殺にはまってから。

【霧】
原作で殆ど接点がない弥勒と殺生丸が顔見知り以上になるきっかけとして考えたもの。どんな状況なら殺生丸が弥勒と行動を共にしてくれるかと悩みまくった。

【弥勒寺】
原作でりんが琥珀相手に家族のことを話す回のあと、たまたま銀行で目にした地元のミニコミ誌に紹介されていた実在の弥勒寺の記事がきっかけ。時期はお盆前。弥勒と同じ名前で興味深い言い伝えがあるお寺の記事を読んで、これはもう「ネタにしなさい」という(腐女子の神の)お導きだろうと勝手に判断。(笑)

【ススキが原】
元ネタは安達ヶ原の鬼婆。ススキの原で向かい合う弥勒と殺生丸のイメージを形にしたかった。弥勒様が法師でよかった…と思った。

【紅鏡】
弥勒が殺生丸に紅をひくシーンを書きたかった。ただその一念。化粧させるシーンは文よりも絶対絵の方が色っぽい!絵が描ければな〜〜〜としみじみ思う。それから直接触れることで性的な物を弥勒様に意識させようという、意図ありありな作品。

【雲関】
(うんかん)古語辞典で見つけて惹かれた言葉。昔は迷信やその他の万物全てが、現代よりも人と近しい所にあったのだなと思った…。

【幻華】
妖怪物お馴染み(?)淫魔とか夢魔の類を書いてみたかった…その割に色気が足りなかったのですが。(^^;;ねっとり粘着タイプの女妖が書いてて楽しかった。(笑)

【暁月夜】
これも古語辞典で見かけて惹かれた言葉。明け方のしんとした空気を表現してみたかったのが、何故にあのような展開になったのかは不明。(^^;;弥勒様、災難続き。
それから「雲関」で物別れしてたので、どさくさ紛れにうやむやにしてしまおうという魂胆あり(笑)。

【夢喰い】
ようやくここまで来たか〜〜〜としみじみ感無量。暗い過去もなければ、幸せな過去もない虚無感というか、虚脱感というか、孤独も殺生丸には似合いそう。逆に弥勒は辛い過去も沢山あるけど、幸せな思い出も沢山あるのじゃないかと、そんな気が…。

【かくれんぼ】
形代について何かの特集の中で紹介されていたのが多分きっかけ…。よく覚えてない。(--;)弥勒と殺生丸の関係が変わって最初の邂逅は、実に素っ気なかった…。

 
妄想置き場に戻る