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・スキル/アイテム/召喚獣カード製作まとめ・

 まとめというか何というか、自分の知ってることを全部書いてみただけです。
 見ながら順番に設定項目を埋めていけば、技能カードが作れてしまうかもしれません。
 初心者の方はコレの他に、『交易都市リューン』をエディタで開いて眺めながら作れば完璧です。

 シナリオ製作初心者で、店シナリオ作ってみたいという方などは、一度目を通していただけると嬉しいです。CardWirthではバランスなどに厳しい人が多いので(自分もその一人ですが)、無用なトラブルを避けるためにも。
 主観も結構多く入ってると思いますが、そんなにヒドイことは書いてないと思います。たぶん。初心者の方にはこっちのほうがわかりやすいんじゃないかと思ってこんな感じになりました。上級者の方は、こんな押し付けがましい文章に用は無いと思いますので、意見交換のできる他の掲示板にでも。UNとか。ダメか。

 初心者の方がつまづきそうなポイントは大体押さえたつもりですが、それでも穴ボコだらけだと思うんで、何か足りない部分や間違いなどあれば掲示板へお願いします。
 ちなみに、ここに書いてあることは敵のカードには関係ないことも多いのでご注意を。
 ある程度の知識をお持ちの方は、こんなところよりも古山シウさんの『戯作山昧べくとる庵』へ行ったほうがいいです。ここより数段面白くて解りやすいのでオススメ。


==『カード』タブ==

*名前

 半角12文字、全角6文字が最大だが、文字によってははみ出してカッコ悪い。
 解説と併せて同一カードの判定に使われる。

*イメージ(BMP)

 74×94のBMPファイルで、左上の1ピクセルの色が透過色として使われる。
 カードデータに内蔵されるので、メニューやメッセージで使わないのであれば、フォルダ内からbmpファイルを消しても大丈夫。
 背景を塗りつぶしてある場合は文字が被るので、上部数ピクセルを余白にするといいらしい。
 フルカラーBMPはサイズが大きい(21kb程度になる)ので避けること。

*発声による発動

 魔術士の呪文など、沈黙状態で使えないスキルを示す。
 これらの技能は通常技能よりやや強めに設定されることが多い。
 沈黙時に使える回復技能は希少なだけに強力。配布注意。
※沈黙ペナルティはいまひとつ影が薄いようなので、シナリオ内でうまく使ってあげてください(^^;)

*抵抗属性

 攻撃を受けたときに、どうやってそれに耐えるかの違い。
 突進する、物を投射するなどの避けられる攻撃なら回避属性、魔法の力や、炎や冷気のブレス攻撃など、耐えるタイプの攻撃なら抵抗属性になる。
 魔法であっても、実体弾(ナイフ、小さな火の玉など)を飛ばす場合などは回避属性になることも。
 回避タイプの代表は『居合い切り』『双狼牙』あたり。
 抵抗タイプなら『魔法の矢』『眠りの雲』など。
 抵抗属性の攻撃の場合、抵抗に成功しても多少のダメージがある。


==『カード』 - 効果属性==

*物理属性

 通常の攻撃。
 魔法的な物ではない全ての攻撃、効果がここに入る。
 レーザーだろうがミサイルの爆風だろうが物理攻撃に変わりはない。
 格闘家のパンチ、通常の武器による攻撃、物理的な効果の薬品など。
 例:『穿鋼の突き』『盗賊の眼』『ノーム』『葡萄酒』

*魔法属性

 魔法の力を使う攻撃。
 純粋な魔法による効果ならばこれになる。
 ほぼ全ての魔法と、多くのマジックアイテムが該当する属性。
 例:『魔法の矢』『炎の玉』『癒身の法』『土精召喚』『火晶石』

*魔法的物理属性

 一部の物理攻撃が該当する属性。
 魔法の力などで、実体のない相手にも効果がある場合はこれ。
 物理的な特性も併せ持つため、両方の耐性がないと無効化できない。
 魔法武器や魔法剣技、気功による攻撃、魔法的な薬品など。
 例:『居合い切り』『掌破』『傷薬』『魔法薬』

*物理的魔法属性

 一部の魔法攻撃が該当する属性。
 効果を発動させるのは魔法でも、実際に命中するのは物理的な効果の場合。
 魔法で岩を飛ばす、魔法で粘着性のアミを作って飛ばす、魔法でナイフを操る……など。
 4つの属性の中では一番珍しいタイプ。
 例:『蜘蛛の糸』


==『解説』タブ==

*解説

 カードの解説文を記入する。
 また、カードタイプによって文字数に制限がかかる。
 主に、カードの種類、技能レベル、効果、必要な特性などを入れることになるだろう。
 名前と併せて同一カードの判定に使われる。
 店シナリオの場合は特に注意して設定すること。バランスが取れているのは当たり前で、後は画像と解説文によってカードの魅力が決まると言っていい。


==『要素』タブ==

*身体的要素

 どんなキャラクターに向いた技能、道具なのかを設定する。
 打撃ならば筋力か敏捷度、魔術士の魔法ならば知力、気功法や僧侶魔法、召喚魔法なら精神力、手先を使う行動なら器用度が基本。
 これらと違う適正を持たせるのであれば、効果を落とす、入手を困難にするなどの調整が必要かも。知力適正の『癒身の法』があればみんな使うだろうし。
(注:一般的に、魔術士系のキャラクターは攻撃と妨害、補助の魔法を得意とし、僧侶系のキャラクターは補助、退魔、回復の魔法が得意とされる。また、盗賊系のキャラクターは直接戦闘で戦士に劣る場合が多い)
 また、知力は高いことのメリットよりもデメリットが大きい(混乱しやすい)ため、この適正の技能はやや強めになる傾向がある。バランス調整の際は注意。

*精神的要素

 『身体的要素』とセットの項目。
 あまり深く考えず、イメージ優先で付けた方が良いかもしれない。
 ただし、一般的でない組み合わせ(好戦適正の回復技能、温厚適正の攻撃技能など)の場合はやはり取扱注意に。
 また、今のところ臆病性や内向性が適正になる技能はかなり稀。店シナリオを作るなら狙い目かも。


==『使用回数/技能レベル』タブ==

*使用回数

 アイテムカード、召喚獣カードにのみ存在。
 アイテムカードの場合、これを0にすると無限アイテムになる。
 付帯能力カード、使用回数無限のアイテムカードは特に注意して設定する必要がある。バランスを多少誤るだけで技能カードすら不要になることも。店で売るなら『効果があるのかも微妙』なくらいで丁度いい。
 召喚獣カードの場合、適性によって回数が変化することもある。また、これが0でも最低1回は使えるようになっている。防御、回避ボーナスがある場合に、攻撃を受けると使用回数が減るのも召喚獣カードだけの特徴。これを逆手にとって、攻撃されなかった場合にのみ発動する召喚獣カードも実現できる。ただし、回数の増減には注意。
 アイテムの場合は『売って買い戻す』方法で使用回数を回復できるが……値段設定さえしっかりしておけば、結構な金がかかるので割に合わない方法になる。
 無限アイテム、付帯能力の場合、できるだけ回復系の効果は持たせないようにする。キャンプでメンバーを順番に完全回復とかできたりするので。戦闘中のみの発動にして調整することも一応可能。
 あと、賢者の杖とか何気に強力なので、店で売ったりは絶対にしないように。

*技能レベル

 技能カードにのみ存在。
 このレベルを満たしていない場合、使用回数と配布率、成功率が極端に低下する。
 また、レベルがそれを上回ると使用回数が少しずつ増えていく。最大9回。
 当然、強い技能ほどレベルは高くなる。
※調整が難しい部分ですが、いくつか計算ツールが出ているので活用しましょう。今のところ、SKILLさんのSKILL Checker、書類の谷さんのcultivateが有力です。配布場所へはCWLNかGoogleでも辿ってください。厳密に従う必要はありませんが、とんでもない数値が出たら要注意ってコトです。

*使用時 能力値修正

 使ったターンのみのステータス修正。
 単体ではいまひとつ効果が薄いように見えるが、相手が暴露状態なら話は別。敵の攻撃を先読みして回避したり、ペナルティのある技能を相手の攻撃が届かないターンに使ったりと戦術が広がる。特に、ボスクラスの敵の必殺技に耐える時などは便利。
 ボーナスが高ければそれだけで価値があるが、初心者や普通のプレイヤーはほとんど使わない。
 召喚獣の場合はやや特殊で、修正の効果が発動するたびに使用回数が1減少する。発動のタイミングは術者が攻撃を受けた時だが、修正のタイプによりやや動作が異なる。回避、抵抗修正を持つ召喚獣の場合、それぞれ回避、抵抗タイプの攻撃を受けるたびに、成否に関係無く発動し、回数が1回減少するが、防御修正型の召喚獣の場合は、敵の攻撃の命中時にダメージモーションの数だけ回数が減少する。モーションについては「『効果』タブ」で。例外として、回避、抵抗修正型の召喚獣では『絶対成功』の攻撃を受けても回数は削られない。もちろん、防御修正も持っていた場合は別。また、複数の召喚獣が存在した場合はその両方の修正を受ける。例えば『練硬気』が2つ存在すると、防御力修正は通常の2倍となるが、攻撃を受けた場合は両方の回数が減少する。攻撃系の召喚獣にこれを設定すると、攻撃する前にダメージで消えてしまうことも。
 また、これは全ての防御ボーナスに言える事だが、単体で+10の修正を持たない限りダメージ値が0にはならない。『魔法の鎧』の上に『練硬気』を複数重ねてもダメージは最低1保障される。


==『アイテム』タブ==

*所有時 能力値修正

 アイテムカードにのみ存在。というより、他のカードにはこのタブ自体が存在しない。
 持っているだけで能力に修正が加わる。
 重複効果もあるため、単体では効果の感じにくい(実際はそれなりに効果があるが)防御+2修正のアイテムでも、5個持てば攻撃のダメージがほとんど無くなるといった事態も発生する。5個も持てば行動が阻害されるだろうが、修正が高いとこの問題すらも無くなる。高修正の場合は配布注意。
 所有ペナルティは地味に強いが、あまり使われていない様子。これも狙いどころか?

*価格

 アイテムカードにのみ存在。
 技能カードの場合は【技能レベル×200+400sp】、付帯召喚獣なら500spで統一される。
 アイテムなら売却時の価格は【価格/2×残り使用回数/元の使用回数】となる。技能や付帯召喚獣は基本価格の半分。
 1回の冒険収入が1000sp前後だと考えて設定すると良いかもしれない。
 1sp=100〜200円前後だと思われるが、イメージより効果と相談して決定するべき。特に、値段が安くなりがちな食品系は注意かも。


==『効果』タブ==

*基本

 この『効果』タブでは直接の効果を設定する。効果の最小単位をモーションといい、これを組み合わせて効果を作っていく。
 例えば、ダメージを与えつつ毒も与える技能なら、ダメージモーションと毒モーションの2つを用意することで成立する。
 ダメージモーションは設定した数だけヒットしたことになり、防御系召喚獣などはダメージモーションの数だけ回数が減少することになる。後述する属性で無効化されたモーションは含めない。

*属性

 攻撃の種類を表す。ここの設定と、『カード』タブの『効果属性』の設定により、どのような相手に効くかが変わってくる。
 モーションごとに設定することが可能で、それにより複雑な表現が可能になる。例えば、全属性と精神属性のモーションが入っていた場合、精神を持つ相手には両方の効果が、精神を持たない相手には全属性のモーションのみの効果が現れるといった具合。もちろん、武器や魔法そのものが効かない場合は両方が無効化される。
 この方法は、炎を纏った剣などを表現する時などに有効。炎(炎属性)が効かなくても、剣(全属性)のダメージだけを与えたい時などに効果を発揮する。他にも、神聖属性を加えてゾンビなどを切りやすい技を作ったり、工夫次第で様々な技能を生み出すことができる。
 基本は全属性で、通常の攻撃などはすべてこれに属する。
 間違いやすいのが肉体属性。肉体というより生体属性と言ったほうが正しいような気がする。ゾンビやゴーレムなど、生命を持たない相手には通用しない。剣などにこれを設定すると、豆腐も切れなくなる。生物の急所への攻撃などに設定。
 精神属性は文字通り精神を持つ相手にのみ効果がある属性。冒険者の戦う相手は非生物が多いが、それでも半分くらいの奴には効くんじゃなかろうか。ちなみに、怨念とかそういうのには効かない。精神体みたいな奴でも、怒ったり怖がったりしないような奴は含めないらしい。相手を恐怖させる魔法などに設定。
 神聖属性はアンデッド専用。『亡者退散』が強力なので少々軽視されやすい属性。絶対成功の退魔は濫用してほしくないかなと。抵抗力上げてバランス取ってるボスとかもいるんで。間違えて回復魔法に設定しないように。ゾンビしか回復できません。神様の力を借りた攻撃などに設定。
 魔法属性も間違いやすい。魔法生物にしか効果が無いので注意。アンデッド退散の魔法は公式で存在するが、魔法生物の退散なんてのは止めたほうがいいと思う。威力も上げすぎないように。魔法エネルギーをぶつける攻撃などに設定。
 炎、冷気属性は直感的にわかると思う。通常の相手にはそのままダメージ、耐性があればダメージ0、弱点ならダメージ増加となる。リューンに冷気攻撃は存在しない。シナリオ内で仕掛けを組んでいる場合は注意。

*『生命力』タブ

 ダメージ値に直接影響する部分。
 まずは3つのモーションに共通する設定項目から。
 レベル比ダメージはキャラクターのレベルにより威力が上昇し、値の直接入力はダメージを直接設定する。最大値処理は問答無用の即死攻撃。敵かイベント用。
 レベル比ダメージが合計5もあれば、自分と同格の相手に致命傷を与えられる。CardWirthはそこらのRPGと違い、必殺技を何発も撃ち合う仕様にはなっていないのだ。
 ちなみに、通常アクションカードの威力は攻撃がレベル比2、会心の一撃でレベル比3、渾身の一撃でレベル比4となっている。
 直接入力ダメージの例は、炎の玉の30ポイント。これはレベル7キャラクターの必殺技クラスに相当し、大半の敵を一撃で倒せる破壊力。直接入力で15ポイントもあれば大半の敵に大きな被害を出せるが、高レベルになると、この程度は普通の攻撃でも出せる威力になる。低レベルではかなり強力な攻撃なのだが、自分が強くなってくると利用価値が半減してしまう。火晶石は威力が直接入力20となっている。これでも低レベルでは十分切り札になるほど強力なので、あまり配りすぎないように。定価で売るのも止めたほうがいい。
 レベル比ダメージはレベルに応じて威力が上昇するが、単純にレベル×数値のダメージになっているわけではない。そのあたりは、古山シウさんの『ダメージ計算機』を使ってみるべし。
 また、レベル比ダメージは『能力・性格適正』『行動力修正(スキルの場合のみ)』の影響を受ける。レベル7キャラクターの『炎の玉』と『魔法の矢』ではやや『炎の玉』の威力が高いが、『祝福』を使うと『魔法の矢』の威力は『炎の玉』を少しだけ超える。また、能力適正と性格適正が優れている場合にも威力が逆転することがある。能力修正と性格修正の両方が高い場合、レベル7キャラクターの『魔法の矢』は、レベル10キャラクターのそれにも匹敵する威力となる。
 回復魔法の場合、全体の体力回復はなるべく使わないようにしたほうがいい。簡単にバランスを崩してくれる。数値が直接入力1でも、『全員の意識不明を回復』する効果は馬鹿にできない。また、ダメージと違って抵抗成功時に完全無効化することに注意。
 吸収は地味に強い。数値を低めにするか、通常ダメージと併用すること。

*『肉体』タブ

 毒と麻痺は地味ながら、実は最も強力な効果を発揮し得るモーション。
 基本的にこの項目は肉体属性となる。
 毒は連続して使うことで数値が加算され、さらに一定値以上になるとほとんど自己治癒しなくなる。
 抵抗に成功した場合、ダメージとは違い完全に無効化される。これは麻痺も同様。ただし、一旦毒を受けてしまえば、回復しない限りそのダメージを軽減、無効化する手段は存在しない。防御修正も全て無効。
 毎ターンのダメージは毒の数値に影響されるため、数値が高くなるほど極悪な威力を発揮する。数ポイントの毒でさえ、消えるまでにはキャラクターの体力の大半を奪うことになるだろう。連続で使えばさらに効果は増す。この戦法は長期戦覚悟のボス戦で有効になる。成功率が高いと、この毒による連続攻撃が成功しやすくなるので注意したほうがいい。逆に言えば、成功率が普通ならそんなに酷いことにはならないはず。敢えて成功率を高めにし、ボス戦向けのカードにしてしまう手もあるが……バランスの取り方が難しいので玄人向けか。アイテムの使用回数制限や、入手個数を少なくしてしまうのも一つの手。
 レベル比の毒なんか設定するとえらいことになるので、特殊な事情が無い限りは止めておくこと。
 麻痺は毒なんかと比べ物にならないくらい強力な効果。
 麻痺したキャラクターは行動不能となり、全員が麻痺すると全滅となる。また、ある程度の数値になると石化として扱われ、こうなると自然回復はしない。
 ボスクラスの敵で麻痺を無効化していなかった場合、直接入力1の麻痺で倒される可能性がある。数値は低くとも、麻痺攻撃の成功率は低めに設定しておかないと危険。数値も直接入力にしておき、レベル比の麻痺はできるだけ避けたい。
 麻痺、毒回復モーションは数値の設定し忘れが目立つような気がする。数値を設定しないとほとんど意味が無いので注意。

*『技能』タブ

 原則として味方スキルには設定しない、とてつもなく強力な効果を持つモーション。技能の使用回数を回復したり、0にしたりする。
 アイテムでは技能-回復モーションが魔法薬に設定されているが、シナリオ側ではレア・アイテム扱いとなっている。間違ってもセットで安く販売したりしてはいけない。というか、定価で売るのすらヤバイくらい。使用回数無限のアイテムに設定すると、ほとんど不死身の冒険者が出来上がる。
 技能-不能モーションのヤバさは言わずもがな、ワイトの『亡者の手』を食らったことがる人ならばそれがわかると思う。
 どちらも、扱う場合は細心の注意を。

*『精神』タブ

 軽視されがちだが、地味に強力なモーション。
 睡眠状態になった相手は抵抗も回避もできない。この状態で呪縛をかければ確実に動きを封じることができる。麻痺ならもちろん即死扱い。成功率が高い場合は注意。
 混乱状態になると、知力や正直性が高いキャラクターはほとんど無力化してしまう。混乱中に呪縛や麻痺を狙うのは基本なので、これも成功率に注意。
 激昂状態になると渾身の一撃ばかりが配布されるので、相手は技能カードを使ってこなくなる。強力な敵ほど技能を多く持っているので、これもかなり有効な状態異常。が、渾身の一撃を普通に当ててくるような敵だと逆に迷惑かも。
 勇敢状態の場合は技能カードも配布されるので、味方に使う場合は力押しがしやすくなる。敵の場合はこちらの集中攻撃も当てやすくなるので(見切りや防御を使わない)、パワーアップになるかは微妙。 
 恐慌状態は一切の攻撃を行わなくなるので、一方的に攻撃が可能になる。打たれ強くなるのでプレイヤーとしては面倒かも。
 精神-正常状態は『静心の法』が今ひとつ利用価値がなさそうに見えるので(実際は変なところで役立ったりするのだが)、つい技能なんかにオマケの効果として付けてしまいそうになるが、敵の精神攻撃の価値が半減してしまうので控えるべし。
 これらの効果は重複せず、他の精神異常で上書きされてしまう。

*『魔法』タブ

 魔法の力などによる特殊状態を表すモーション。
 束縛状態は行動を封じるモーション。束縛されても抵抗は一応できるらしい。この状態にした敵を『渾身の一撃』でタコ殴りにするのも基本的な戦法。『怪力無双』持ちの敵が多いのと、ボスがしょっちゅう無効化してくることで使い勝手は普通に。成功率には注意。束縛モーションの後に束縛解除モーションを入れると、そのターンの行動を封じるスタン効果が実現できる。ただし、この場合は相手より先に動かなければ効果が無い。
 沈黙状態は呪文を封じるモーション。成功率を上げすぎると、魔法使いタイプのボスが無力化してしまうかも。
 暴露状態は地味に便利。『賢者の瞳』は全体+絶対成功なので、これは別に成功率高くても問題なさそう。無限アイテムカードなんかで良くみかけるが、そんな事されては『賢者の瞳』の存在価値が無くなってしまう。間違っても通常アイテムとして出さないように。
 魔法無効化状態は少々特殊で、敵からの魔法も、こちらの魔法も両方無力化するため、状況次第で有利にも不利にもなる。こちらが力押しに特化した編成なら、呪文系の敵を駆逐するのに役立つが、味方が魔法使いばかりの場合は致命的になる。
 これらの効果は単体で呪文になるほど強烈なものが多いので、追加効果としては使いにくいかもしれない。オリジナル技能を作る時は注意。

*『能力』タブ

 能力に変化を起こすモーション。
 4つの能力の中で、行動力と防御力は特に影響が大きい。その分、『祝福』『魔法の鎧』のレベルは高めになっている。
 行動力はレベル比ダメージと判定成功率に影響を与える。特に、後者の効果を見落としやすい。判定に成功しやすくなると、シナリオ内のトラップや鍵開けなどを簡単に突破するようになるので、あまり高いボーナスは好ましくない。
 防御力、回避力は+10になるとほぼ無敵化する。回避力+10の場合は魔法や絶対成功の技能などで攻撃できるが、防御力+10の間は、補助魔法で能力を下げるか、時間が切れるかするまで完全にノーダメージとなる。
 どれも数値設定が極端になるほど強烈な効果を発揮するので、効果はほどほどに。
 リューンには能力ペナルティを与える技能が存在しないが、作る場合はやはり極端にならないように。ボスクラスの敵は抵抗力や回避力を下げられるとあっさりやられてしまうことが多いのだ。成功率を下げるのも一つの手。

*『消滅』タブ

 消滅系全般を扱ったタブ。
 対象消去は即死攻撃扱い。ヤバイので使わないように。例外として神聖属性だけは使える。
 カード消去はカード交換と同等の効果。カード配布などと併用することで、次ターンの手札を調整できる。
 召喚獣消去は文字通り。1体ではなく全部が消える。付帯能力は消えない。

*『カード』タブ

 様々なカードを手札に配るモーション。
 通常、手札を『消滅』タブの『カード消去』で消してからまとめて配るが、消さなければ1ターンに1枚ずつ配られる。ただし、カードを手動で交換すれば残りがまとめて配られる。
 スキル配布と混乱配布はかなり強力。濫用禁止。
 特に混乱は、手札カードに累積していくのでたちが悪い。集団でのフェイント連発が強力なのもこのため。配りすぎ注意。
 スキル配布が強力な理由は、説明しなくても賢者の杖を使ってる人ならわかると思う。自分対象の技能で使う場合は、そのカード自体が何枚も配布されたりして結構間抜け。

*『召喚』タブ

 召喚モーション一個だけが該当。召喚獣消去は『消滅』タブ。
 召喚獣を扱う技能は総じてレベル高め。調整もちょっと難しい。敵に対して付与することもできる。  また、召喚獣データは技能カードに内蔵されるため、モーションの数だけ容量を食う点にも注意。
 召喚対象のデータは、カード作成後に消してしまっても構わないが、データを見てバランス確認をするユーザーの存在と、後で自分が修正する事を考えて残しておくのも手。


==『属性』タブ==

*効果目標

 設定し忘れて意味なし技能、アイテムになったりすることが多い。注意。
 双方にしておくと、それを持ったキャラクターが見境なしに暴れまくります。ホールド必須。

*効果範囲

 説明するまでも無く、全体攻撃は強力。ここはレベル計算ソフトに頼ったほうがいいかもしれない。
 範囲が味方or双方全体の場合、移動中のメニューカードに対して使えなくなる。エリアにキーコード反応させることで対処は可能。

*視覚効果

 成功時のエフェクト。お好みでどうぞ。

*カードの価値

 通常の品物は日用品、ダンジョンの奥で見つけた珍しいお宝などは希少品、シナリオ進行に必須の、捨てられては困るアイテムが貴重品となる。
 貴重品はシナリオ内の不要になった時点で破棄するか、同名の希少品に入れ替えておくこと。そうしないと、どんどん貴重品が溜まっていき、荷物袋と宿の在庫を圧迫する。
 プレイヤーの設定次第では日用品も在庫に残るため、日用品にすることは『売って残数回復』対策にはならない。

*成功率修正値

 カード製作の重要なポイント。
 絶対成功であればどんな達人相手でも決まり、絶対失敗ならゴブリンにも効かない。
 特に特殊効果系カードの場合は重要で、成功率が高いと極悪な強さを発揮する。
 アクションカードの成功率はフェイントと会心の一撃で+2、渾身の一撃で−2となっている。


==『効果音/キーコード』タブ==

*効果音

 使用時に鳴らす音を設定する。
 オリジナルの効果音は使えない。
 初期効果は発動時に、二次効果は成功時に発生。失敗すると二次効果は鳴らない。(失敗時は『システム・回避.wav』(回避属性)もしくは『システム・無効.wav』(抵抗属性)が鳴る)
 全体攻撃の場合、敵の数だけ初期効果が鳴り、その後順番に二次効果か失敗音が鳴る。

*キーコード

 カード製作最大?の重要ポイント。
 カード使用時に、シナリオ側がそのカードの種類を判定するのに使う。
 これを設定し忘れると、攻撃できない敵に攻撃できてしまうなどのバグが発生し、最悪の場合、他人のシナリオを止めてしまう恐れもある。
 また、これはイベント作成時の重要なポイントでもあり、扉や宝箱の鍵を開ける『盗賊の手』には『開錠』のキーコードが、物体の調査を行う『盗賊の眼』には『鑑定』のキーコードが設定されている。これらのカードは効果が何も設定されていないが、シナリオ内ではこのキーコードにより重要な役割を持っている。
 また、キーコードは2つ以上同時に発動しないので、『鑑定』と『開錠』を同時に持ったカードなどはバグの原因になる可能性もある。『回復』と『攻撃』なんかを同時に持っていると、回復しようとした相手に攻撃してしまうなどの悲惨な結果になることも。
 デフォルトでキーコードは多数用意されているが、これ以外に自分で設定することも可能。特定の扉を開ける専用の鍵に、『扉Aの鍵』というキーコードを設定する、など。また、キーコード欄の空きにカード名とかを入れるのもいい。他人のシナリオとのキーコード重複バグを防ぐには、『(シナリオ名)_扉の鍵』などとしておくのも手。
 デフォルト以外でも統一の進んでいるキーコードが多数存在する。気になる方は、古山シウさんのサイトにある『キーコード大全』を参照すべし。
 デフォルトキーコードには紛らわしいものがいくつか存在する。『魔法による攻撃』は『魔法の矢』など、直接魔法エネルギーによって攻撃するカードに設定。『炎の玉』には設定しない。『魔法属性』とも関係が無い。『居合斬り』は魔法剣技扱いなのでこれが設定されている(実際の追加効果は神聖属性。『神聖な攻撃』キーコードは設定されていない)。気功による攻撃も、多くはこれが設定される。『神聖な攻撃』は神聖な力による攻撃。これも『神聖属性』とは関係が無い。主に『亡者退散』などの退魔系カードに設定されるが、『神聖属性』が入っているだけの『居合斬り』や『掌破』には設定しない。『召喚』は召喚を行うスキルやアイテムに、『召喚獣』は召喚獣そのものに設定する。『練気弾』で発生する『気弾』は『召喚獣カード』だが、『召喚獣』ではなく術者からの直接攻撃の一種なのでこのキーコードは設定されない。『暗殺』は直接相手を殺してしまうかどうかは問題ではなく、『忍び寄って攻撃』などの暗殺に向いたカードに設定される。奇襲攻撃と言ってしまってもいいかもしれない。必殺攻撃と誤解されることが多く、無効化されてしまうことが頻繁にあるため、非公式に『奇襲』などの代用キーコードも存在する。今のところ、シナリオ側での対応はそこそこでしかないので、使用の判断は各自で。
 キーコードに『ペナルティ』を設定した場合、混乱カードと同様に、自動選択でそのカードを選んだ場合に手札を修正不能となる。この仕様はヘルプには記載されていない。使用注意……かも。


==その他の設定箇所==

*使用時イベント

 カードの使用時に発生するイベント。
 自分のシナリオ内でしか使わないカードであれば何をしても問題はないのだが、他のシナリオに持ち出せるカードの場合、原則としてシナリオ内のフラグ、カードなどは使えず、所持分岐も使えない。画像や音楽はデフォルトのもののみとなる。他シナリオ内で自シナリオのものを使おうとすると、重大な誤動作が起きる可能性がある。他のシナリオ内の場合、使ったカードのグラフィックだけはメッセージ内で呼び出すことができる。冒険者が対象であれば、クーポンの取得、削除、分岐も問題なく行える。宿クーポンはどの場合でも使用可能。
 『効果コンテント』の使用によりダメージや回復などの効果を発生させることもできる。
 自シナリオ内に限っては、敵キャストを選択状態にすることでアイテムや召喚獣の剥奪、付与なども行える。実例は『家宝の鎧』などを参照。
 このイベント内で『効果中断コンテント』を使うと、カードの効果がキャンセルされ、キーコードも発動しない。これとクーポンを併用し、特定の称号を持つキャラクターにのみ使える技能や、弾数式の銃などを実現することができる。
 ほとんど裏技に近いが、敵に付与するタイプの召喚獣に設定し、メッセージで選択中キャラに喋らせると、その敵キャラクターを無理矢理喋らせることができる。アホな使い道が色々とありそうだが、シナリオ作者には嫌がられるかもしれない。
 使用前に必殺技っぽい台詞を喋らせたりできるが、毎回だとややウザいので対策を考えておくといいかも。

*使用時イベント-効果コンテントメモ

 ダメージや回復などの効果を発生させられるが、これらはキーコードの発動前に発生してしまうので、シナリオ側からは無効化できない。これは召喚モーションを利用し、召喚獣に効果を任せることで解決できる(1ターン時間がかかることを抜きにすれば)が、そうなると容量が問題になってくる。カードにはイベント内の召喚モーション数の召喚獣データが内臓されるので、一気に容量が増大することになる。同一召喚獣の場合、スタートやリンクの利用で効果コンテントを一つにまとめることで対応できるが、ランダム召喚などを行う場合は特に注意。
 『対象レベル』という項目が存在するが、これは何レベルのキャラクターが使用した時と同等の効果を与えるか設定する箇所で、成功率の他、レベル比ダメージなどを使用する場合に影響する。
 また、敵陣営のカードの使用時イベントで、パーティー全員を効果範囲に指定しても、敵ではなく味方に効果が発生する。


==メモ==

*メモ-全般

・単純に強いだけの技能やアイテムは、戦闘から緊張感を奪い去ってしまうために敬遠される。自分の店シナリオの品物はつい強く作ってしまいがちだが、『迷ったら弱い方』にしていけば、大体はバランスが取れると思う。
・最近の店シナリオはイベント重視が主流らしく、単体でシナリオとして遊べるタイプのものもいくつかある。
・新しく店を出そうと考えている人なら、ダワサさん主催の『発展都市ラスーク』に参加するのも手。みんなで店を出し合い、一つの街を作ろうという素敵な企画。店舗間のクロスオーバー企画も豊富で、単体の店シナリオにはない魅力が。一つの壁はバランスだが、テストプレイを参加者間で行っているため、出してから改善することもできる。画像は……描けなければ人に頼むか素材を使うべし。
・優れた店シナリオをいくつか紹介。『城塞都市キーレ』『砂雲流剣術指南』『弓術道場』などは誰でも安心して使える優良店シナリオ。使用時イベントの複雑なものとしては『呪符屋スラッシュ』など。準公式を目指して作られたという『隠者の庵』も要チェック。他にオススメとかあれば紹介していただけると助かります。

*メモ-技能・アイテム

・技能カードは無くなることがないため、バランスを特に重要視される部分。レベル計算ツールはもはや必携かもしれない。
・強すぎる無限アイテムは敬遠されがちだが、使い方次第ではありだと思う。これは個人の感覚なので強くは言えないが、長く困難な冒険の末に手に入れたものであれば、多少強力なアイテムを出しても許されるのではないかと。『無限に使える解毒の杖』とか『何度でも敵の情報を調べられる魔法の瞳』とか。もちろんシナリオ作成初心者が使うとただのバランス崩壊カードになってしまう可能性が高いし、技能カードの立場が無くなる、という反論もあるかもしれないが、この手のアイテムはファンタジーなんかで定番だし、敵のボスクラスだと結構持っていたりする。何より、敵ばかりが伝承に残るような魔法の品を持っているのはズルイ(笑)。初級冒険者に使わせたくないのなら、レベル分岐で体力などにペナルティを負わせればいい。宿の亭主が言う『この店が潰れるまでに一枚でも出てきたら運がいい』くらいのレアカードとして出してみるのはどうだろうか。


*7/25最終更新
あ〜あ、全然初心者向けじゃなくなってますね(笑) かといって上級者向けには全然なってないし……
オマケに主観入りまくりどころではありません。特に後半部分とか。
こんなので、ちょっとでもカード作成の参考になったら嬉しいです。
……というか、ここに置いても誰も読まないような気はしますけど(^^;)





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