我が家の近所には小さな公園があります。
公園といっても、「ぶらんこ」と「すべりだい」と「てつぼう」以外には何もない小さな公園なのですが、
休日の午前中には、時々子供を連れて遊びに行って行ったりしています。
その日も、虹のママが家の中を掃除している間、私と虹の子姉妹ふたりの三人で、
てくてくと散歩を兼ねてその公園まで歩いていきました。
春のあたたかい日差しの中を歩いていると、道端には黄色い花を咲かせたものや
白い綿帽子をかぶったタンポポがたくさん咲いています。
虹の子2は綿帽子のタンポポを見つけてはひきちぎり、ふりまわして種を飛ばすのが大好きです。
虹の子1は車が走ってくるたびに、私と虹の子2に対して、
「ストップ!はい、危ないから道路のふちの方によってじっとしててね。」
と、お姉さん振りを発揮しています。(保育園の先生の真似をしているのかな?)
普通に歩けば5分ぐらいの道のりを、タップリと15分ぐらいかけて公園まで歩きました。


 公園の遊具の中で、虹の子達の一番のお気に入りは「ぶらんこ」です。
いつも公園に到着すると、まず最初に「ぶらんこ」に乗って、
「やって〜!」
と、揺らすように要求してきます。
私にはその声に答えて、ひたすら「ぶらんこ」を揺らし続けるという運命が待っているのです。
しかし、ただ揺らしていればいいというものではありません。注文が多いのです。
虹の子1は
「もっといっぱい!」
と、もっと強く揺らすことを求めるくせに、ちょっと思い切って揺らすと、怖がってしまって、
「もういい!もういい!これぐらい!」
と、泣きが入ります。
そして、私が疲れてちょっとでも手を休めようものなら、
「もっとやってよ!もっと強く!」
と休ませてもくれません。
 虹の子2は、お姉ちゃんのいった言葉をそのまま繰り返します。
揺らしていようがいまいが、
「もっといっぱい!」
「もういい!もういい!これぐらい!」
「もっとやってよ!もっと強く!」
 こうして私は二人の召使いとなり、ひたすら「ぶらんこ」の漕ぎ手を務めるのです。


 いつもは、「ぶらんこ」の次に「すべりだい」へと行くのですが、
その日はどういうわけか「てつぼう」にいったのでした。
虹の子2には「てつぼう」はまだ無理なのですが、とりあえずぶら下がるだけで喜んでいます。
そして、虹の子1は一生懸命に逆上がりをしようとしています。
じつは、虹の子1の逆上がりチャレンジは今回が初めてではありません。
前回来たときも少し教えてあげたのですが、まだ腕の力が足りないようで、「てつぼう」を
自分のおなかのところまで持ってくることができず、くるりと回る事は出来ませんでした。
今回も、
(まだちょっと無理だろうな〜)
なんて思いながら見ていると、なんと一回目のチャレンジでくるりと逆上がりを
完成させてしまったではありませんか。
(ありゃ?保育園で練習したのかな?)
と思った瞬間、虹の子1は大喜びしながら言いました。
「やった〜!初めて逆上がりできた〜!」
どうやらこれが生まれてはじめての逆上がりだったようです。
(ついに我が子は逆上がりまでできるようになったか。)
なんて思うと、しみじみと子供の成長を感じてしまいました。
その後も、3回に1回ぐらいの割合で逆上がりを成功させていました。
そしてその横で、虹の子2はひたすらぶら下がっていました・・・


虹の子1、5月5日、6歳の誕生日の出来事でした。