奴は・・・・・・・・・炎の中で生まれた。そして炎の中ですくすくと育った。
消火しろよ!!!
俺達の食べまくりはあの日に始まった。俺達の原点は、あの香港人シェフだったッ!!
最初はちょっとした気まぐれだった。「今日は、何喰おうか?」「なんか・・・ウマイものが喰いたいな」「じゃあ、探すか。歩いて」「それで、2,3皿だけ頼んで、それがマズかったらすぐ出て別の店を探そうぜ」「おッ!グッドアイディア」
新宿には店が多い。「あ、居酒屋」「おいおい、チェーンの店なんていつでも入れるだろ」「おっ!中華料理」「なんか、ラーメン屋に毛が生えただけってカンジが・・・」「ここは・・・」「サンプルがマズソー」「ここなら・・・」「悪くはないんだが・・・その、語感が、な」
なかなか3人の意見が合わない。その時・・・
「ここだ・・・」「ここだよ」「ここだな」
その名もアジア食堂!!
そのものズバリの店名ッ! 飾り気の無いチープな外装ッッ! 開けっぴろげなガラス張りの店内ッッッ!
引き込まれるように入店する我々を襲う、更なる衝撃。「わ、割り箸が、ねェ〜〜〜」
箸立てにはちょい長めのニセ象牙、プラスティックの箸。「ちゅ、中国っぽ〜い」
さて、中華を基本に東南アジア料理も配置されたメニュー。
「お薦め料理は何かある?」「いえ、特には・・・全部がお薦めできるメニューですから」「アナタの好きな料理でいいからさ」「でも・・・」「いや、もう、信用してるから!」「じゃあ、ニンニクの芽の炒め物が私は好きですけど」「じゃあ、それを一つ〜!」
早速ウェイトレスのお姉さんに馴れ馴れしいのはブルース。みなさん、憶えておこう。ブルースはこういう奴なのだと。
揚げ、炒め、焼きなどから数点ピックアップ。しての注文は当たりであった。
「あああ、中華醤油独特のコクがたまらんなぁ」「香菜の香り!香り!」「豆鼓のタレが・・・」
2,3皿で出るなどという約束は忘れ、暫しの幽境に遊ぶ3人。このまま帰れば、「ちょっといい中華屋見っけ!」で帰ったろう。しかし・・・
「気になるね、アレ」「アレだろ、アレ」「うん、俺も」
香港から招いた本場点心職人による飲茶
だと〜?
「ハッタリくせ〜〜」
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ごめんなさい。間違っておりました。20分後、我々は点心に対する全ての認識を改めていたのです。
サイコーです。汁たっぷりの小龍包。プリプリの海老蒸し餃子。ツルンプルンのスープ餃子。
その驚きと感動を求めて、我々は常に新しい味を求めて彷徨っているのです。
未だにあれを超える海老蒸し餃子には出会えていないからな〜。というか、食感において、あれは唯一無二。オリジナルの料理なのだが。
その後、タキオン@が点心に嵌るのだが、その話はまた後日・・・