今だ、だめ太くん!!その憎しみを肉しみに変えるんだ!!

 

ブルースに呼出された肉弾頭はJR新大久保駅に降り立った。
・・・ここは、日本なのか?
実際、日本でも最も危険と言われる地帯の一角であるが、2人の心には食欲しかなかった。

まずは昼飯、屋台村である。
インドネシア、シンガポール、香港、四川などの各国屋台が狭い屋内に押し込められ、一種異様なムードである。
このムードを一口に言えば、こうであろう。『うまそう』
まだ営業していない店が多いので、大体インドネシア料理を喰ったのだが、これが濃い。
味が濃いのではなくて、旨みが濃いのだ。淡い味わいになれた方には下品な味に感じられるかもしれないが、ブルースと肉弾頭には超ど真ん中のストライクであった。
「俺は・・・こういう濃さを求めてメシを喰い続けているのだったよ・・・」
どちらともなく発された言葉であるが、反論の出ようはずも無かった。
サーチャ・・・カレー味のタレのヤキトリと、ミーゴレン・・・ヤキソバがうまい。
とにかく、油の旨みがこんなに濃いんだから、うまいのは当り前だ!日本人向けの店ではこれほど濃くはしないんじゃないのかな?

腹ごなしに歩いているときに、急に難問が持ち上がった!!
「ジョニー・エースの兄貴って誰だっけ?」
全日本プロレスのリングにたまに上がるジョニー・エースの兄もやはり有名なレスラーなのだとブルースは言う。
「ええと、あれだよあれ、ハンセンと組んで最強タッグに出てた、頭天然パーマの・・・」
「って、ブロディ?」
「違うよ、金髪のアレ・・・」
2人は悩みながら歩いた。ムッチャ気になる。しかし、歩けど歩けど、この通りは食い物やだらけである。韓国を中心に、東南アジア各国の店が軒を連ね、全然考えに集中できねぇぇ〜。
夜、どのメシ喰おうかついつい考えちゃうんだよな。
「あ、本屋だ!プロレスラー名鑑があるかもしれんぞ」
ジョニー・エースはアニマル・ウォリアー、ターミネーターの兄弟である。
「そーだ、アニマルだよ。肉の言っていたハンセンの相棒説は根拠ねえな」
エース・スパイビーは、テリー・ゴディの弟である。
「ありゃ、エース違いか」

吟味の末決定された夕飯のターゲットはマレー料理である。看板には「マレー・香港料理」
階段おりて、地下の店へ、ゴー!!
・・・・・・しまった。日本人が一人もいねえ・・・
メニューの値段は普通なのだが、お通しのピーナッツをかじりながら、
「実はこのピーナッツが一皿1万円だったりして」というジョークがジョークに感じられないのだ。
しかし、ボリューム満点!味はサイコー!
「俺たちは虎だッッ!!今俺たちはマレーの虎だよ」
ワケの判らないことを呟きながら、食べまくるしかない。
最後のカレーがまた鍋いっぱいで、こぼれるかと思ったよ。いや、お腹から。
ココナッツミルクがやたら効いた、辛いけど甘いカレー。ウマイよあのカレー。また喰いに行くか。

そして緊張のお勘定。
三千円ちょっと。安いよ!予想より安いよ!疑ってごめんなさい。
教訓、日本人のいない店はウマイ。

そして、帰ろうかという矢先、ブルースが横道にソレを発見した!!
「イ、イイイイイイ、イサーン?」
「なに〜〜〜!イサーン?」
2人をそれほど震撼させるイサーンとは?そしてその破壊力は?全ての謎は次回明かされる。
後編を割目して待て!

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