恐怖の大王って、アッティラのことらしいよ



と言うことで行ってきました。北浦和の「カロチャ」。
ハンガリー料理を出しているカフェです。

ハンガリーはもともと、かつて全ヨーロッパを恐怖のどん底に叩き落したアッティラ大王率いるフン族の末裔と名乗っていた。
たしかに、フン族は今のハンガリー地方に居を構えていたこともあったので「フンがいる」→「ハンガリー」と呼ばれるようになったわけだが、現在ハンガリーの構成民族マジャール人には、フン族との直接のつながりは希薄なようで。
しかし、マジャール人自体中央アジアの遊牧民族起源であり、ヨーロッパに侵入した遊牧民族の末裔が住み着いた肥沃な平原を有するハンガリーの食べ物には、大いなる期待を禁じえなかったり。


その中で、特にハンガリーを代表する料理と言えば、
ロールキャベツ
元祖のローキャベはコンソメとかのスープじゃなくて、ザワークラウトやパプリカなどの濃い野菜ごと煮詰めて作るのだとか…なんとも食欲をそそる話。
それにしても、ザワークラウトといえばキャベツの漬物。
ドイツ=オーストリア文化圏に根強いこの食材、かつてハプスブルグ帝国の一角であったハンガリーの代表料理の食材であっても不思議はないのだが、しかし、それにしてもキャベツでキャベツ煮るって、少しクド過ぎやしねえか?

しかし、このカロチャ。メニューは2種類週変わり。今週はロールキャベツの出番はないという。うーん、残念。

今回はソーセージの煮込みセット、ブルースは豚のクリームソースを頼んだので、それを紹介して取り敢えず一区切り。
ロールキャベツの真髄を味わったら続きを書いて完結とします。
では、まずはパンから。


フランスパンみたいなパンをトーストしてバター塗っているところまでは普通。
が、上の赤いアクセントがワンポイント。
パプリカのペーストですね。これは。
ハンガリー料理、パプリカはどんどん使うそう。それも、辛いのや辛くないのや赤いのや黄色いのや、種類も豊富。
パプリカの違いで風味の違いを決定付ける。これがハンガリー流。


サラダ。まあ、平凡ですな。
でも、豆のボリュームと野菜のシャキシャキ感が大事。

真っ赤。でも、トマトじゃなくてパプリカ。やっぱりここでパプリカ。
ジャガイモがごろん。ソーセージがそのまま一本。
パプリカのスープは後からじんわり来る辛さで体を温めてくれる。
ソーセージから染み出たコクは、心を暖めてくれます。

こちらはポークソテー。
奇を衒わずしっかりと焼いた肉に、滑らかなクリームソース。
イモとインゲンと米の付け合せもよそ行きじゃない、心落ち着く取り合わせ。
特に脂の歯応えがしっかりしているわりにしつこくない味わいだったとか。

事前の印象では、スパイシーで刺激的な料理を期待していたのだけれど、店に入って時から、店内の半分が輸入、手作り雑貨店で採光もよく、午後の柔らかな日差しで温かくのんびりしたムードで迎えられた印象のままの、牧歌的な家庭料理。
のどかなハンガリーの平原を思ってしまいます。

デザートはやっぱりチョコレートケーキ。
奇襲なし。全くの王道だったハンガリー料理。
ハンガリーは作物がおいしいので、技巧を凝らす必要がないのだと、教えてもらいました。

その先にあるロールキャベツとは如何なる味か。
期待をますます膨らませたまま、以下、次号。

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