古代文字の中で、エジプトの神聖文字ヒエログリフの解読が一番早く進み、それゆえ近代考古学の発展に先駆けて、エジプトの歴史の解明が最も早かった。
古代文明でエジプトの知名度が一般に最も高いことはみなさんご存知だと思う。
エジプトがポピュラーになりえた最初の原因は、ロゼッタストーンの発見であった。

西暦1799年,エジプト遠征中のナポレオンがナイル川河口のロゼッタ村で発掘した石碑には、古代エジプト神聖文字、民衆文字、ギリシャ文字で同じ文章が彫り付けられており、エジプト古代文字の解釈に大いに役立ったのだ。

そう、賢明なる読者のみなさんは既にお気づきだろう。
上の店構えの写真。その入り口左端にあるローメンストーンに!
拡大してみよう。

読んでみよう。


そう、こここそがローメン発祥の店。
俺よ、わくわくしながら入るがいい。店の名は萬里。万里の波濤を越えてきたわけではないがしかし、そう思わせる重厚な店・・・ではなかった。
こぎれいな店内。カウンターに案内されたが、広いカウンター席には家族連れ、老夫婦などが和気藹々と団欒している。
これが、これが常食ってやつなんだな。
メニューも豊富。ローメン以外に中華料理、韓国料理、馬刺しなど。メニューに「頭舌」とあり、お父さんが「アタマ」と頼むと肉がやってきた。つまみ用の豚の頭の肉だという。へええ。
ローメンはいろいろバリエーションがあったが、俺はベイシックなマトンのローメン。ブルースはニュージーランド産ラム肉を使ったローメンを頼む。
注文に迷っている間も、隣の席のじいさんが、自分の頼んだローメンを見せて判断の手伝いをしてくれている。
あ、暖かい。なんとアットホームな店。
地方の老人は排他的とよく言われるが、伊那に限って断じて否!



そして、これがローメンだ!
羊肉の風味のシッカリ溶け込んだスープの中に、蒸し麺と具。
森田信吾のマンガに出てきたそのままの料理だ。
おそらく、店構えや親父の風貌はそれらしい新潟屋をモデルに、料理はよりローメンらしい萬里やそれと同系列の店のものをモデルにマンガにしたのだろう。


ソース、酢、醤油、ニンニクなどの数々の調味料が常備。
まずは何もかけずにすすらせていただく。
うん、ほとんど味がない。しかし、濃厚な肉のコクのわりにあっさりした風味。蒸し麺のシッカリした歯応えが素晴らしい。
やはり、自由に味付けして食べる料理だった。
まずは、店の常連さんたちに習ってソースで味をつけ。酢で引き締める。
うん、うまい。少しづつ味付けを調節しながら食べると飽きが来ないし、面白い。途中からニンニクなども試し、最後までおいしくすっきりいただけた。
羊とソース。しつこくなりそうな材料を使って、これほど後味さわやかに満腹できるとは。
まさに、伊那の人の情に同じ。
これは、この地で育まれたお国柄そのものの味への発露だと思った。これが、常食というヤツだな。
すっかり森田信吾に洗脳される俺であった。

ちなみに、帰りがけに裏手に廻ると、なんかまた素敵なロケイション。

と、その右側にこんな建物が。

日中友好?
萬里グループ??
手広くやっているんですなぁ。この建物のセンスまで、なんか、伊那的。町に溶け込んでいる。今回は食べ物だけでなく、町にまでやられた気分でした。


おまけで、せっかく長野に来たので信州そばを。
当たり前のようにおいしいそば。
おろしの辛味がまた鮮烈で、甘いけどすっきりしたツユとよく合う。
気持ちよく、伊那を後にした俺たちであった。


戻る