FULL METAL極道


 

「おんどりゃぁぁぁ〜〜〜〜」
フルメタルな堅介のボディには、ヤッパでは傷一つつかない!!
「あおっ!あおっ!あおおおおおっっっ!!」
チャカのタマだって弾き返す。
フルメタル極道こと鋼堅介の最初の指令は岐阜最強の武闘派ヤクザ美濃蝮組の壊滅であった。
たった一人敵地に乗り込んだ堅介は一方的な殺戮の末に、組長齋藤マサヒロを追い詰めたのであった。
『フフフ、東西の交通の要地、美濃を制するものは日本を制する』
『オ、オヤジ、それは戦国時代の話じゃあないでしょうか?交通の発達した現代では・・・』
『なんじゃい、ワレ!!オヤジにご意見たァ、えらくなったもんじゃのゥ?ああぁン?ちょっとばかしフルメタルになったくらいでもう天狗か・・・・・・誰が死にかけたオドレに最強のボディを与えたんじゃい!?しょせんキサマなんぞ鉄砲玉にすぎんわい!ホローポイントじゃない分ありがたがれや』
そして・・・
「岐阜のシマは関東猿渡組がいただく」
齋藤組長に止めを刺さんとする堅介の頭上から三下が降ってきた!!
「ぐへへへへ、どんなにボヂーがフルメタルでも、首ィ締められりゃア生きちゃいられまい」
「いいぞ、丑吉!そのままそいつを締め落せ!次の若頭はおめぇだぜェ!」
何の働きもせずに肉片と化した元若頭の残骸を蹴ったぐって、齋藤組長は吠えた。ほんの2,3秒。「げひゃぁぁぁぁぁぁ!!」
丑吉の頭部は巨大なローソクとなって、齋藤組長の新しい記念日を祝った。
ハッピーバースデー!!ようこそ、黄泉の国へ。あなたの地獄ライフに乾杯!
堅介の右腕から覗く火炎放射器の筒先を覗き込む齋藤組長の耳奥で、御祝いの歌がエンドレスで流れていた。


半年後、厳冬の北海道に丑吉はいた。ケロイド状に爛れた顔面をアゴマスクで隠し、削岩機を手に、羆と対峙していた。
ドルッ!ドルドルドルドルドルドルドルドルドルドルドルルルルルルル!
分厚い熊の脂肪層に、強烈な振動のままでめり込んでいく
羆が泣きを入れた。身を捩って逃げまどう
震える振動が、内臓をグチャグチャに掻き回し、暖かい大量の異物を撒き散らすのだ!!
「ぐふっ!ぐふふふふふふふっ!!チャカもポン刀も通じなくてもよ!こいつなら、バラバラだぜい」

「まさか、あの堅介のヘタレが野心を持つなどとは・・・」
「当り前じゃい!ボケー!あんな力を与えられて、何時までも人の下に立つわけないだろうが!どーする気じゃい!もはや警察さえヤツには手をだせんのだぞ」
「そういうと思いましてね、すでに助っ人を呼んであるんですよ」
「なに?フルメタル極道に張り合えるようなヤツがまだこの日本に?」
「いいえ、助っ人と言えばやはり外国人でしょう。それも、最近のメジャーでは、大陸出身者よりもカリブ出身者の方が活躍していると聞きます」
「すると・・・キューバの革命戦士か?」
「ノンノン」
「プエルトリコのポン中レスラーとか?」
「そんな陳腐なヤツは連れてきませんて」
「ドミニカの戦争屋だな?」
「ふふふ、ハイチの呪術師を招待しました〜〜〜」
「な、にぃぃぃぃぃ?」


果たして!!勝ち残るのはフルメタル極道か、サイコヤクザか、はたまたブゥードゥーの魔人か?
謎が謎を呼び、以下次号!
乞うご期待!!

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