西暦と元号

 

 

 

 

 

21世紀を迎えました。そもそも世紀とは「西暦により、紀元元年を起点に100年ずつを1期として数える時代区画」です。また、その西暦とは「イエス・キリストの誕生の年を元年として数える年代の数え方」です(実はイエス・キリストの実際の誕生年は4年早かったのですが)。これはあくまで西洋の時代の数え方で、世界史の勉強で出来事のあった年をあらわすのによく使われていたのを思い出します。一方日本では独自の年代の数え方「平成」・「昭和」という「元号」があります。 

1999年(平成11年)頃までは日本人は一般的には「元号」を好んで使っていたように思います。会社名でも「明治○○」、「大正○○」、「昭和○○」というのが見受けられます。それだけ馴染みがあったということなのかもしれませが、1999年(平成11年)から2000年(平成12年)にかけては、マスコミや企業は元号よりも西暦を意識し、使うようになりました。「2000年問題」という言葉も流行語になりましたが、節目であることを強調するのと、社会の国際化ということも意識しているように思います。会社名でも「○○○○21」というのがたまに見受けられますが、21世紀(未来)を意識しているのでしょう。しかし、日本のお役所の文書、届出書、税務署の申告書などは例外なく、「平成○○年」となっています。したがって、2000年や2001年に「計画出産」された方におかれましては、住民票や免許証などの公文書には平成12年・平成13年としか表示されませんので・・・。 

最近、申込用紙などに誕生日を記入する際、西暦で記入しなければならない時があります。日本人の多くは昭和○○年で覚えているので、一瞬ペンが止まると思います。私は昭和を西暦に「換算」するときは、25を昭和の年数に足して、19を頭につけるようにしています。私の誕生年は昭和38年なので25を足して63、19を頭につけて1963年とすぐに換算できます。また、歴史など西暦で表示されていると私のような昭和人はいつ頃というのがなかなかピンとこないので、西暦を昭和に換算します。その場合は19○○から25を引けば言い訳です。例えば、1929年は世界恐慌の年です。25を引いて19を頭からはずせば、昭和4年であることがわかり、昭和の初期の頃だったのかぁーとなります。 

しかし、平成になってからはそう単純にはいきません。平成11年(1999年)までは、平成○○年から2を引いて1990を足す(足すところがミソです)。平成12年(2000年)以降は平成○○年から12を引いて頭に200を付けるという複雑な形になります。これも一つの「2000年問題」といえます。一方、平成○○年に63を足せば昭和でいえば何年になるかということがわかります。これは、他人の誕生日から現在の年齢を数える時に便利なのではないでしょうか(西暦○○年生まれというのがわかっていれば必要ないのですが)。私の場合は今年の誕生日がまだなので、前年の平成12年+63=75、75-38=37歳という具合になります。 

このように西暦と元号が混在する日本においては、なんともややこしいのですが、平成12年12月12日にJRのある駅で「二度とこない!」(実際はどんな日も二度とこないのですが)と言いながら記念キップを売っていましたので、私も思わず買ってしまいました。先日その駅で2000年12月31日と2001年1月1日付の記念キップのセットが売られていましたが、今度はさすがに買いませんでした。西暦と元号を都合よく使い分け、商魂逞しくいろいろ考えるもんやなぁー。

2001.1 西野 津